アニメからリステを知ったオタクの3rdライブ


11月17日、Re:ステージ! PRISM☆LIVE 3rd STAGE Reflection 昼・夜公演に参加しました。

タイトルに書いた通り、私はリステをアニメから知りました。
アニメ自体も当初は関心はあまり高くなく、女がたくさん出るから百合が期待できそうという理由で見始めたくらいです。放送時間によっては見てなかったかもしれない。
1話時点ではそこそこ好印象程度でした。4話で「おっ」となり、7話で「再起」のテーマの物語としてのこれまで決めきれていなかった評価が確信に変わり、その後はどんどん引き込まれるばかり。12話を熱狂の中で見終えて、そのままスマホにリステップをインストールしました。

当然ライブは生で見たことはなく、ニコ生で配信された2ndの映像を見ただけです。
私自身、楽曲は好きでもそれほどイベント参加にこだわりのあるオタクではありませんでした。それでも、この3rdライブは絶対に参加しなければならない!と思い至り、昼の部を第二次先行?(円盤先行の後の先着のやつ)を取り、そのままBD1・2巻を予約して夜の部のチケットに臨みました。プレミアムは外れました。
ここまでライブに本気になったのは、リステは音楽で語る部分の非常に大きいコンテンツだと感じたからでした。

リステとその楽曲

KiRaReのメンバーに限らず主な登場人物の言葉は、中学生の自然な会話っぽいです。だからこそ、心情を説明するにはそれだけでは足りないシーンも多々あります。それでも私はわかりにくいとは全く感じなくて、それはきっと音楽が補完してくれた部分が大きいからだと思っています。リステの楽曲は雄弁なのです(とはいえ、「キャラソン」としての自己紹介的なものではなく普遍的な曲になっている、このバランスがすごい。月坂紗由のセンスに万歳)。
実際、アニメのシナリオを作り上げる過程で、楽曲側のクリエイターが参加していたそうです(片貝監督のTwitter投稿より)。

媒体が媒体なのでアニメほどの表現は難しくとも、この傾向はリステップでも共通しています。「黒いトロワアンジュ」の登場する21章も、ストーリー上ではパフォーマンスの内容を多くは語られず、ただ解放されたSilent Dystopiaが何よりも鮮烈に印象づけるのは最高に痺れた。

さらにメタ的に見るなら、「音楽で語る」はリステのストーリーにも通じるところがあると思っています。
仲間を鼓舞したり、苦悩する相手を支えようとするとき、決定的になるのはアイドルとしてのアクトであったりします。言葉を尽くすよりも、ステージに立ち、共に歌い踊ることでまさに次のステージに進みます(7話の舞菜のトラウマも、9話の紗由の両親との軋轢も、ステージに上がらなければ解決には至らなかったはず)。
音楽の力を信じている人たちが作っているリステというコンテンツなら、ライブはその最高潮に違いない。
チケットを取らない選択肢は消えました。

昼の部

OPムービーの曲がミライKeyノートのモチーフから始まり、オタクの涙腺はこの時点で崩壊済み。むしろここで崩壊したから安心できたみたいなところはある。

Don't think, スマイル!!
最初の曲について何パターンか予想していましたが、答えは王道ど真ん中。ニチヨル10時のテーマソング、どんな気分でもリステになれるこの曲。ダンスが付いたことに感動しすぎたせいか頭がバグって「歌いながら踊っててすごい」とか思ってました。

Yes, We Are!!!
2番手はオルタンシア。
最高に仲良し感が伝わってくる8話の振り付けが完全再現、見てる側も最高の笑顔になれる。このパフォーマンスを見たら、オタクといえど心は井の頭公園の女児。「ウィーアー」「オーライ」と大はしゃぎしました。

Lumiere
トロワアンジュ、わかってはいたけれど生で聴くと声のパワーがすごい。浄化系?ではあるけれど、胸にズシンと響いてくる。
盛り上げる曲が続いた後で改めて歌詞を噛み締めながら聴くと、地上の悩みとは無縁に見える彼女たちもまた、Re:ステージ!を担う一員であることがわかります。しかしそこにあるのは平凡さではなく、言葉を音楽として、表現として昇華できる、彼女たちの強さだ。そう感じました。

(トロワアンジュの過去を知りたい人はリステップをやってメインストーリー30章を読もう!)

境界線
からのテトラルキア初手境界線、セトリの本気を確信した瞬間。当然腕は上がりっぱなし。
最高にエモーショナルなこの曲、切なさは過去への未練の現れ。図らずも?前の曲と好対照。でもテトラルキアはこれでいい、ロックは情けなく悩んでこそ!(偏見)

Like the Sun, Like the Moon
最後に控えるのは、当然この人たち。これまたアニメ再現のステージだけど、ダンスは激しく、重厚かつ華やか。生バンドも心なしかギアが一つ上がったように見えました。三人並んだときの田中あいみさん、シルエットといい声といい完全に岬珊瑚で、一人小さな体で最強ユニットの一角を占める凄みが溢れ出ている。
「永久に」「踊り」「歌え」アニメ映像のカットインに合わせてポーズ決めるのカッコ良すぎでは?

-ここからメドレー-
ミライKeyノート(舞菜・紗由)
物語の始まりの曲。KiRaReの最初、舞菜と紗由を結びつけた曲。アニメと同じ振り付けに込められたのは、歌とダンスを重ねる喜びであり、臆病な自分が内に秘めた衝動の解放への意志。これはアニメの追体験でありながら、野外ステージではなく2500人収容のホールの観客という立場での新しい体験でもあります。
牧野さんと鬼頭さんはパンフでダンスが苦手と語っており、苦労があったことは想像に難くないけれど、それでもここには確かな喜びがあったように感じました。

ク・ルリラビー
2ndの映像を見たとき、ダンスが付いて一番ヤバいと思ったのはこれでした。
今回のショートでも圧巻のパフォーマンス。シンクロ度合いは上がっていたのでは?1番を2人で歌ったからもあるかもしれないけど。

キライキライCЯY
アニメの要所で印象的な活躍をしたこの曲も登場。4話の二人で高尾山を走る光景が蘇ります。
この2人になると、声の対比が効いてくるんですよね。空見さんはポップに弾けて、田澤さんは上品で(あのファルセットが大好きです)。ダンスもらしさ満載で、ショートで終わるのが惜しかったです。

惑わしラプソディ
2500人の夢女が生まれる瞬間を見た。カッコいいという形容で語られることの多い瑠夏ですが、ソリッドなだけでなく艶やかでもある、そんな諏訪さんの声で魅力的になっています。

あのね
イケイケな印象のあるアニメ紫ちゃんがあまり見せなかった一面、可愛さ全開。小澤さんの所作のひとつひとつがもう紫ちゃん!!!って感じで最高ですよ。

Glory Star
「生まれ落ちたその瞬間に 輝く術を知っている」そう歌うのはギラついた目の大物ラッパー、ではなく岬珊瑚だ。最高の女。欲を言うならフルで珊瑚の名を叫びたかった。

優しい風
「天使」の核を担う天葉様、その真っ白な聖性が個人的な恋愛のことを歌うと無垢さに転換されることに気づいた人、特許取れると思う。
ステージの上に1人立つ日岡さんからマジで一時たりとも目が離せなかったです。

Invisible Diamond
ユニット曲から曲調が離れている中で、西田さんは曲を完全に自分のものとしていました。テトラルキアのリーダーらしく意欲と広い視野を持つ玄刃の、挑戦する意志を表現しきるキメっぷりは驚きです。

One Step Ahead
音楽作りの面では、ステラとトロワは中学生設定ほぼ投げ捨ててると思うんですが、テトラルキアはギリギリのラインで中学生感を残しています。その中学生らしさには、ハクの声質が効いてくるんですよ。
それでいて、こうしてソロになったときにパフォーマンスの力は全然負けていないのがすごい。テトラルキアのリーダーを務めるのも納得です。

ひと夜ひと夜にひとりごと
田澤さん、KiRaReの中だと小柄な分はっきり動いてる印象だったんですが、一人でかつゆったりしたリズムのダンスが新感覚でした。
これももうちょっと聴きたかった、ラップとか。

ガジェットはプリンセス
立花芽恵夢さんが最高なのは前提として、この曲はエフェクトだったり使ってる音だったり、人工的/技術マシマシで、ライブ性ガン無視で作られてるかと思ってたんですが、あの舞台上で完全に形になっててめちゃめちゃ驚きました。曲の持つ「手が加えられた」感まで再現されてるの、本当にすごい。彼女自身もオタクである柊かえのアイドル像が顕現したら、これほどのステージになるのか、そんな感慨がありました。

ステレオライフ(舞菜・紗由)
9話はリステDDの中でも屈指の回であることには異論がないでしょう。
直面したのは、親との軋轢。7・8話のプリズムステージからはスケールを落としていますが、紗由にとっては大問題です。家出の果てに、紗由は両親の前でライブをします。見つけた夢が、そのまま対話のできなくなった相手への自己表現の手段になるという展開。音楽の力が人を動かします。
リステの真骨頂とも言える、その重要なシーンで使われたのが、このステレオライフ。
パフォーマンスは派手ではありません。
ただ、ステージ上の牧野さんと鬼頭さんが、ひとつひとつの振りと言葉を大事にしているように見えて、その理解の深さと姿勢が、アニメの再現として素晴らしいステージを作り上げたのだと思います。

せーので跳べって言ってんの!
フルとか聞いてない!
いや本城香澄にせーので跳べって言われたら跳ぶしかないでしょう。アニメの中の役回りでは見守る立場のことが多く、曲の中ではどちらかというと声の存在感で主張している彼女。それが2500人を跳ばせた、ヤバい快感です。
そして岩橋さんのパフォーマンスですよ。声、立花芽恵夢さんの振り付け(!!!)、それに佇まい、もう完璧な4分間でした。

-メドレー終わり-

InFiction
最高の盛り上がりを見せたメドレーが終わって、「いや私たちが最強ですけど?」みたいな顔してさらっと客席を爆沸きさせるの何なんでしょう。

Silent Dystopia
息の上がった客席に響く、異質なイントロ。他にはない緊張感。これは黒トロワだ。
苦しみを内包しながら、希望を乞い願う。そんなあり方を声と身体とドレスが一体となって主張する。このステージを今思い返すと、Re:ステージのテーマから導き出されるひとつの到達点かもしれないとすら思います。

Ambitious Pieces
前2曲のハードさを受け継ぐようにして、さらに加熱させるのがテトラルキア。いやもうこのセトリのために曲作った?ってくらいハマってました。対抗心バチバチのテトラも良い!

ハッピータイフーン
ここまで曲名を並べて書いて「マジか?」ってなりました。いやメドレー終わりのこの4曲の並びはおかしい。それでも一気に超超ハードな3曲からハッピーに持っていくのはKiRaReならでは。人数の多さからくるフォーメーション転換の華やかさが目に良い。ホールが一体になって盛り上がりました。

Dears…
他のどの曲よりも荘厳なこの曲、今考えるとハッピータイフーンの後に持ってきたのは大正解で、気持ちをリセットできたと思います。
トロワアンジュは全員声が良いのはもちろん、相性が非常に良いんですよね。この曲ではBメロのかけ合いからサビへの盛り上がりをたっぷり楽しめる、めちゃめちゃ贅沢な体験でした。

カナリア
テトラルキア昼の部最後で、満を持してカナリア!重厚な空気を最高速でかき回す。
もう言うことはない、最高のテンションで腕上げまくりました。

Purple Rays
ここで来るんかー!!!
疲れきった体にも活力が湧いてくる、圧倒的な多幸感。激しさはなくとも、息が合って最高に楽しそうなパフォーマンスは、まさにアニメで見たオルタンシア。曲数は少なくとも「楽しさ」を徹底して出してくれたの、感謝です。

Brilliant Wings
リステDDの、真の最初の曲はこれ。何も言うことはない、圧倒的な強さとカリスマはここに示されました。ハードなサウンドを乗りこなすように歌い踊る3人が最高。

OvertuRe:
アニメのクライマックスで使われたこの曲、考えてみればタイミングはここしかない。キラメキFutureよりも純粋な自分たちの言葉であると同時に、天上に輝く海の星を飛び越えるための翼でもある。前の演者のパフォーマンスが完璧であればあるほど、ひたすらにKiRaReであるこの曲は輝く。
私は昼の部2階席だったんですが、イントロの星型を作る振りが本当に綺麗で、アニメのKiRaReの“Reflection”がここに現れた、と涙が止まらなくなりました。

アンコール
367Days
アニメ化が発表された2nd、プリズムステージ東京予選を終えてKiRaReが次の舞台を目指し始めたアニメ最終話ED。節目ではいつもこの曲が流れていた。オタクは涙腺がガバガバなのでこの曲を聴いたら確実に泣いてしまうのですが、このときの涙は少しだけ違いました。
この曲が恒例となった事実が、KiRaReが……ひいてはRe:ステージ!というコンテンツは、また新たに、何度でもスタートラインに立つ、そんな決意を感じさせてくれたからです。

憧れFuture Sign
リステDDのEDであり、KiRaReの3rdシングル表題曲。
最初に流れたときは良い曲だなー程度にしか思っていなかったけれど、過去の曲を知った今改めて、EDはこの曲しかなかったと思います。そして、この昼の部というひとつのライブを締めくくるのも、この曲しかない。リステのコアである再起と夢、裏返しの不安、それら全部ひっくるめて最後には爽やかな印象を残してくれます。
全チーム歌唱だったので、普段見られないような歌い方が見られて楽しい。それでいて「とびきり大好きやでー!」はしっかり部長が担当してくれるの、信頼です。


夜の部

興奮が冷める間もなく、夜の部が始まります。いや実際昼と夜の間マジで短くて、コンビニ行って戻ってきたらもう入場列形成されてました。

Stage of Star
ステージに見えたシルエットが3人だったときにひとつ、ライトに照らされて姿が見えたときにひとつ、イントロで曲がわかったときにひとつ。合計三つのため息が出ました。アニメではなかったけれど、原作のプリズムステージ予選で、トップバッターのステラマリスが圧倒的すぎたシーンが蘇る。
前奏での碧音さんのポーズ、自らを「僕」と呼ぶ歌詞、「Stage of Star」のハイトーン。全てがたまらない。
同時に、KiRaRe以外がトップバッターを張れるほどにコンテンツが成熟した事実にも感涙しました(私はリステライブ初参戦です)

リメンバーズ!
賑やかでありながら、バリバリにリステのテーマと結びついた曲。リリース当時のことなんて全然知らないんですが、この曲のサビが「思い出して」という言葉で始まらなかったら今のリステは全く違う形になってたんじゃないかと思ったり。
個人的にサビの端に寄って腕を2回突き出す振り付けが好きなので生で見られて満足しました。夜の部は1階席の左の方でよかった。

君とインフィニティ
これ!!!!!
オルタンシアの豊かな楽曲の中でも、爆発力のあるこの曲。「やっほー」のコール&レスポンスで昼の部同様の盛り上げ上手はそのままに、それ以上の熱、前進するオルタンシアを見せてくれたのがたまらなく嬉しい。
最初の「君と」でお互いを指差して、客席に広げていく振り、見たかったものを最高の形で出してくれて感謝です。

Heroic Spark
「テトラ昼であの3曲やっちゃったら夜おとなしくならん?」なんてオタクの邪推を一気に吹き飛ばす熱演。熱さは当然として、この曲はダンスが強い。もう一人ずつ見てるだけでも飽きないしまた全体を見たいし、ライブBD早く発売して♡

STORIA
トロワアンジュの天使の歌声でHPを回復とはなんだったのか。リステの中でも屈指の名曲であり、トロワの最も「動く」曲をここで聴いたことで、昼の部以上に期待は高まりました。

Winter Jewels(投票ユニット)
舞菜・紫、かえ・ハク、紗由・珊瑚の並びを決めたスタッフも出てくるなりじゃんけんを始める鬼頭さんと田中さんも、オタクの欲しいものをわかりすぎている。
こういう企画、普段とは違う人が歌うところが注目されると思うんですが、個人的にこの曲は3人のオリジナルメンバーがすごいと感じました。パフォーマンスしっかりしてる他チームの面々と並んでも、今のこの3人は華がある。KiRaReって良いチームです。

-ここからメドレー-
DESERT BLACK FLOWER
最強の女!
いやこれは本気で、苛烈なのに余裕がある。「DESERT」の孤高、「BLACK」のハードさ、「FLOWER」の華麗さ全てを併せ持つ。これメドレーの初っ端に見せられたの劇薬でしょう。

Skip
単純に曲だけを見るなら、ソロ曲で一番好きかもしれない。守る対象のお姉様方を離れた彼女が、こんなにも遊び心を見せてくるのが意外でした。

Twin Moon
作詞のSoflan Daichi氏曰く、トロワアンジュのディーバである奏役の阿部里果さん。躍動感のあるSkipから一転して、動きの少ないこの曲。
もう、とにかくお声が良い。すごい。

Flavor Youth
実際のライブでもテトラルキアの突破力の核となるのが美久龍。山田さんの低めでパワーのある声だからできることでしょう。まさにテトラルキアのリーダーであるそんな彼女が、ある意味大人な面を見せてくれるこの曲。
切なさもあるこの曲で、ずっと勢いを保ち続けて突っ走る!美久龍らしくあることをやめないのが最高にカッコいい!「テトラルキアのリーダーは俺だろ?」と言い残したのにも大興奮。

T.A.I.YOU
朱莉はテトラルキアで一番オールラウンダーだと思います。ハクと一緒に可愛くキメたと思えば、美久龍と並んで激しく客を煽る。個性派ぞろいのテトラルキアの潤滑油たる彼女がリーダーを務めているのは幸運なことだと思います。この曲は、そんな朱莉の仲間への思いが垣間見える曲です。
自身もアイドル好きという高柳さんですが、ステージを独り占めすると、ひとつひとつの所作が華やか。もうずっと見ていたくなりました。

アイノウ・アイノウ
これ、聴きたかったのはこれです。
初めてこの曲を聴いたとき、陽花のキャラが広がったと感じました(ブレているとか、普段の描写が足りないとかではなく、表には立たない性格の一面を照らしてくれていて、「確かに陽花はこうだ」と納得する説得力があります)。
そしてそんな一面的ではない陽花を、2分足らずのパフォーマンスで表現しきる花守さんはとんでもない。傘をかざして見えなくなる寸前の表情、小さな動きの中でこれだけの表現ができるのかと驚かされ続けました。

Blooming, Blooming!〜ロケット
ここは2曲合わせて。同じCDに収録された2曲です。仲良しの舞菜と紗由、見た目は対照的でも、内面的には似通った部分(ロマンチストなところとか)も多い2人です。ソロ曲も、心情自体は近いものを歌っていても、素直な舞菜と少し背伸びしている紗由、とそれぞれのらしさが出た2曲だと思います。
ステージ上でも、良い意味で初々しさを保っている牧野さんと見せ方の上手い鬼頭さんが好対照でした。

ミライKeyノート(香澄)
イントロが流れるとともに岩橋さんが一人でステージ上に立っているのを見たとき、息が漏れたのを覚えています。
作中でこの曲は、みんな聴いたことのあるヒット曲です。作曲の経緯や流通経路はわかりませんが、受容のされ方としては現実のボカロと同じようなものと考えて良いでしょう。おそらく香澄のことを知らない作家が、ここぱんなのおかげでこの曲を作ることができた。それを聴いた、歌詞に共感した人たちに支持されてきた。
そして今再びアイドルになった香澄が、この曲を歌う。
KiRaReでの役割分担的に、岩橋さんは強い声を担当します。もちろん、その面も非常に魅力的ですが、このミライKeyノートで見せたどちらかというと等身大の中学生としてのパフォーマンスで、またひとつ深みを増した本城香澄というキャラが、さらに輝いて見えました。

For you! For みい!
彼女らしい、観客との掛け合いを重視した曲。みぃみぃ言うのが単純に楽しい。……けれど、このステージはそれだけではありません。これもきっと香澄のミライKeyノートと同じく、今だから歌う意味のある曲です。
仲間を得て、新たな夢とともに歩き出した彼女が、かつてと変わらない「みい」として大きなステージを沸かせる。秋葉原のホコ天では十数人だった「みぃ!みぃ!」の掛け声は、今や2500人に広がった。
そんな光景を見せられて、ブチ上がらないわけにはいかない。もう後のことなど考えずに「みぃ!」と声を張り上げました。
そしてこれをフルでやりきった空見さんの完全再現にも拍手を止められません。声がとかダンスとかというより、もう魂レベルで存在が「みい」でした。

-メドレー終わり-

月影のトロイメライ
メドレー後は、夜の部はむしろ穏やかな始まりで観客に優しい。とはいえ聴きごたえは速い曲以上。構成する単語のひとつひとつが幻想の世界への想像を掻き立てる。3人の舞う姿が、天使の名にふさわしい美しさです。

Seventeen Feels
トロワに合わせてゆったりと行くと見せかけての、サビからの爆走。知っていてもアドレナリンが全開になります。長い間奏で順々に魅せるダンスも良い!

Time and Space
ステラマリスはキャストのシルエットがキャラに近いので、イメージを重ねて見やすいんですが、もう真ん中に珊瑚が立つ編成が美しすぎる。

宣誓センセーション
アニメ8話の特殊EDも記憶に新しいこの曲。
この曲のダンス大好きなんですよね。これより前のKiRaReの曲と比べて、カチッとしてなくて楽しむ余裕がありげで。いや実際振りは緻密に考えられてると思うんですが、遊びの入れ具合が心地よいんです。

Sinfonia
トロワアンジュ最後の曲は、声の魅力が一番前面に出た(私見)この曲。
最後だからお構いなしなのか、本気のロングトーンは完全に音源を超えている。こういうのが聴けると思うと、熱さや盛り上がりとは違った意味で、ライブにまた来たいと思います。

Fearless Girl
最後に1stシングルの表題曲という構成はニクい。ソロも含めテトラルキアの魅力を存分に見せつけてからの、ではテトラルキアとは結局何者か、という疑問に、“Fearless Girl”なのだ、と答える熱さ。テトラルキアが今までよりもっと好きになりました。

恋はフュージョン
ステラマリスも最初期の曲で締めくくります。長丁場を経た後だというのに、むしろ3人のバランスがどんどん良くなっているように見えたんですよね。「こういう私たちも良いでしょう?」と言わんばかり。ポップでありつつ、激しいステージだからこそ楽しめる凄み、まさに王者の貫禄。痺れました。

キラメキFuture
私が本格的にハマったのは7話からなので、思い出深い曲です。靴紐、ぎゅっと、風船、世界中に広げたい笑顔。アニメで見たそれがここにある。初めてみんなで立ったステージらしく、疾走感のあるこの曲。歌詞の面でも、より自分たちにフォーカスを当てたOvertuRe:に比べて、「動き」があるのが素晴らしい。
他のユニットが初期の曲を中心に歌う中でのこの曲、共通点は「原点」なのかな、と思います。「キミといればどんなステージも キラメク KiRaReステージ」そう歌うこの曲は、作られた時期は新しくてもまさにKiRaReの原点でしょう。

Dear マイフレンド
では、オルタンシアにとっては?そんな問いに対する答えは、この曲です。
2人で楽しむことが、オルタンシアの原点。一緒にいることの喜びを恥ずかしげもなく伝える詩、多幸感を湛える曲。花守さんと小澤さんの息の合ったダンスも、彩りを加えます。
ラスサビ前の小澤さんが感極まったところで、打ちのめされることになります。それは実はオルタンシアの曲にしばしば内包されている寂しさが、表に出てしまった瞬間でした。ただ私自身、辛くはあったんですが、同時にこれを見ることができて良かったと強く思いました。
触れないわけにもいかないので書くと、このDear マイフレンドが、花守さんと小澤さんのオルタンシアとしての、最後の曲でした。
キャストや、声優という仕事のバックグラウンドには詳しくない私が言うと中途半端になってしまうので、この卒業についての意見は書けませんが、少しだけ私的な感想を。
ここまでで書いたような花守さんの歌も、演技も聞けなくなるのは残念ではあります。それでも、オルタンシアの軸である「2人で楽しむこと」が最も現れたこの曲を持ってきてくれたことは、ファンとして嬉しく思いました。

Don’t think スマイル!!
「既存曲が中心」の夜の部アンコールでこの選曲は少し意外だったけれど、間奏を聴いて思い至る。私のようなアニメでリステを知る者に向けた「これがリステだ!」と訴える曲は、当然KiRaReの総決算でもありました。リメンバーズ!→Startin’→憧れ(合ってるかな…?)のサンプリングは、アニメに至るまでに辿ってきた軌跡の上にこの曲がある証拠。
ひいては、かつての曲をサンプリングする構成そのものが、どんな過去も認めて進むRe:ステージの在り方を体現しているようにも思えます。昼の部の初めから夜の部の終わりまで、リステの辿った歴史を踏まえてみると、新たな輝きを放つ。セトリのおかげで化けた曲だったと思います。

ハッピータイフーン
3rdの最後を飾ったこの曲、今リメンバーズが聴く機会の最も多い曲と言っても過言ではないかもしれません。
アニメから入った私の印象は、タンバリンを叩いて踊るおじさんのBGM→リステップのタイトル曲→今のKiRaReだから出せるサイコーにゴキゲンなナンバー、と変遷していました。それが、今のリステを締めくくる曲として現れたのは感慨深かったものです。
花守さんのこともあり、アンコール前の客席にはしんみりしそうな雰囲気もありました。でも、このスタッフは3rdライブをハッピーで終わらせるという強い意志でアンコールにこれを選んだ。
昼の部でも思ったんですが、何より一体になれる曲なんです。高まっている人も、寂しさを抱えた人も、全部を巻き込んで進むハッピータイフーン。
間違いなく、最後の最後を飾る最高の曲でした。

おわりに

アニメ~3rdの供給が豊富にあった時期を通り過ぎて、定期的に更新されるのはリステップくらい(メインストーリー30章最高に面白いです)なんですが、今もリステへの熱は冷めることがありません。
3rdが最高のライブだったのもありますが、きっとその先を見せてくれると思わせてくれたから、というのが大きいのだと思います。
どのチームも最高なんだ、と思い知らされてから「ワンマンやります!」って言われたら期待はMAXでしょう。いろいろ変わったところのある運営ですが、音楽に関してはマジのマジだと思っています。
これから、どんなRe:が見られるのか、期待が止まりません。

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