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彼20歳、私53歳 Ep026 ネット恋愛編 ザラザラした話し方

私たちは何度も喧嘩を繰り返す。

その度に
私:どうする?話す?それとも話す?
彼:話す
と返事する。そして、また喧嘩する。

私は限界が来ていた。こんな傷付け合う関係をもう終わらせたい。初めてのネット恋愛。私は53歳の主婦、彼は20歳の大学生。33歳も年下の男の子を好きになり、本気で喧嘩をして心を乱されている。頭がおかしい。異常で、もうこんな苦しい関係を終わらせたい。

私はこれが最後と彼と話し合いをするために電話を掛ける。電話に出ても彼は無言。

「もしもし?聞こえる?」「聞こえるよ。」「私、もう疲れた。終わらせたい。」「そっか。」「私はあなたと楽しい話と甘い言葉が聞きたいだけなのに、それが叶えられないから、もういい。」「ノラは勝手だね。」

「勝手?どこが勝手なのよ?私は何度もあなたといい関係になりたいと思って話してたよ。」「どこが?」「毎回だよ。」「全然だよ。」「何で?ちゃんと話してるでしょ。私は喧嘩したくないから穏やかに話すようにしてきたでしょ。」

「自分がどんな話し方してるか気付かないの?」「どういうこと?」「そのザラザラした話し方がずっと気持ち悪い。」「私はいつだって感じよく話そうとしてるよ。」

「だから、そのザラザラした話し方が気持ち悪いの気付かないの?」「えっ?」「感情がないように話してる声が気持ち悪いんだよ。ロボットと話しているみたい。」

私は誰にでも感じよく楽しく話せるとコミュニケーションに長けている。いつも自分の気持ちは隠して話してきた。自分の心は自分が知っていればいい。自分の心は自分で守ればいい。誰にも私の心を察せられたことはない。いつでも元気よく楽しい私しか皆知らない。

それを彼に見破られた。動揺する私。見破られた恥ずかしさから感情的になる。

「それはそうだよね!?だって、あの日のことをちゃんと謝ってもらってないからね!私と寝落ち電話する約束したのに他の人との電話することを選んだことを!どれほど私を傷付けて失礼なことをしたのか分かってる!?そのことにちゃんと謝ってもらってないのに心を開いて話せると思う!?」と彼を激しく責め私は泣き出す。

「・・・・ごめん。ごめんねノラ。本当にごめんね。」

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