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北京入院物語(59)
包さんには彼女がその場で今後の段取りを説明して帰ってもらいました。
一方周さんは、今晩フーゴン管理事務所から彼の携帯電話に連絡が行くそうです。
私がしたことは彼を首にしたことです。
こういう過激な決断は初めてでした。
次の日の朝はやめていくフーゴンと引き継ぐフーゴンが鉢合わせすることになりました。
包さんが周さんに「気にするなよ」と小さな声で慰めているのが聞こえました。
周さんは「お手数だが、広州で撮った写真を見せてほしい」と言うと、しばらく私のパソコンに保存してあるデジタル写真を眺めていました。
その時に妙な音がしましたが、何の音かは気に留めませんでした。
「お手数だが」という言葉を聞いて、びっくりしました。
彼がへりくだって物を言ったのは初めてだったからです。
彼は首にされて初めて、私に遠慮というものを見せました。
私は一方的に指示をしないと動かない人間もいるのであり、管理という「たが」が外れると、どこまでも気ままになる人間に対する接し方を覚えました。
周さんが去った夜、久しぶりに持ってきた日本円を勘定してみました。
なんとなく悪い予感がしていたのです。
すると・・・。
北京入院物語(60)
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