GANMI X SIRUP ONLINE LIVE 感想文

GANMI X SIRUP ONLINE LIVEを観ました。

GANMI主催ライブでのSIRUPさんコラボは2020年7月のG3LXから2度目。

G3LXはオンラインでありながら、生のライブ同等の熱があるところが素敵なライブでした。うわ〜!って気持ちが揺さぶられ、いてもたってもいられないような熱量。

いっぽうで今回は戸惑いがまず先で、何も浮かんで来なくて。脳みその処理が追いつかず、とりあえず横にはなったけど心臓がドキドキしてしまい寝付けなかった。

そこから朝起きて、顔洗ってる時。気がついたらきのうのライブを思い出して、なんで私、生のライブや舞台が好きなんだっけ。ってずっと考えてしまっていました。というか、思考が空いた瞬間にいやおうなしに感想が湧いて出てくるので、困りました。

近ごろ、何をみても頭に入ってこず、かと言って何か書いたり表現したいわけでもなかったけど、いきなり私の貧相なアウトプットでは持て余すくらいのインプットが到来してしまった感がすんごい。


<テーマであると感じたこと>

その日の朝、私の頭の中に浮かんできたことが二つあります。

ひとつは冒頭でSotaくんが言っていた「ダンス・身体で音楽を表現する」ってこと。まずはこれにつきます。いつも言っていることだけど、表現により濃度があったように思いました。

それから、GANMIの多面性と可能性。個性と集団、演者としての面と演出家としての面。こんなこともできるんだっていう驚きや発見に溢れたライブだったなと思います。

リアルタイムで見ている時はワーワー騒いでいるしかできなかったのですが、その視点とテーマを持ってアーカイブを見てみると、さらに面白いなとおもったところがいくつかあるので、書いてみたいと思います。長いです。


<オープニング>

まずオープニングは「With U」「DON'T LOOK JUST GANMI」。

With UはGANMIのメンバーがひとりずつ入れ替わり立ち替わり主役になる、自己紹介のような構成。個人的にはYuukiくんソロ→Yuukiくん・shunくんユニゾン→shunくんソロの構成が流れが良くてすき。

曲の後半はメンバーが全員出揃い、からのDON'T LOOK。こんどはグループの紹介てきな感じですね。この曲はYU-KIくんとKazashiくんがいい笑顔すぎてさすがに好き。あと、Dysonさんの忙しさについ着目してしまいます。

ところかわってステージ上。バンドの生音って率直に耳が至高。そこに乗るYU-KIくんも最高。

YU-KIくんのダンスってそれ自体がもはや音楽じゃないですか。だから見ているこっちの耳(音楽)と目(ダンス)をうまく繋げてもらえているような感覚なんですよね。ここから先への橋渡しとしてもこれ以上ないわ!と思いました。


<GANMI X SIRUP>

SIRUPさん登場、最初の曲は「Online」。

くぅ〜!わかってらっしゃるオブザイヤー。

前週のchannel 02でもSIRUPさんが言っていたように、SIRUPさんがオンラインで2020年初めてコラボして制作した楽曲でもあり、そうした背景からもオンラインの可能性を感じさせてくれるこの曲でスタートって物語性もあるし主題としても抜群で。

夏頃にshunくんとDysonさんが作っていたものが、ついに生音で観れて聴けるのも嬉しい。二人の持ち味(だと思ってる)静と流なコレオをバンドがいい具合に後ろに後ろにひっぱっていってくれる心地よさ。

Next time I wanna see you offline. ようやくつぎはオフラインで会えるねって感じです。


<音楽って楽しいじゃん>

個人的にここから「音楽って楽しいじゃん」ゾーンって呼んでるんでちょっとアホっぽいですけどタイトルそうしておきます。

ここからの「Why Can't」「Need You Bad」「Overnight」はどれもわくわくどきどきうきうきしちゃう。


OnlineからうってかわってWhy Can't

今回から新たな振りがついたけど、めっちゃ動的ですよね。しかも初っ端のセンターが動のコレオといえばなkooouyaくん。その上、さっきのOnlineでセンターを張っていたshunくんとDysonさんもいるじゃないですか。粋すぎるんだなぁ。わしを。

歌い出しの前、両手をあげる振りに合わせたギターの「トゥン」が最高に愛おしいですね。随所にあるバンドのちょっとした小技やアレンジと、投げキッスとかゴレンジャーとか振り付けの中にある遊び心。なによりGANMIのみんなが笑顔なのでこっちもニコニコしてしまうし、いつも切れ味がすごいkooouyaくんのソロがまたステップ大明神ながらも楽しいんだ。

プロの技の中に、音楽って楽しい、っていう童心に立ち返れる瞬間が散りばめられているから、うきうきしちゃうんだなって思います。


つぎのNeed You Badも楽しいじゃんモードがつづいていく。

7月のG3LXではSIRUPさんのソロだったけど、SotaくんKazashiくんからはじまって、SIRUPさんを巻き込みつつ、観ているこちらもノリに誘われる感じ。化学反応。この曲のSUN-CHANGさんはさすがにモテるやろがい。

「自由にさせてくれよ」の振り、腹立たしいけど結局かわいいから許しちゃうみたいな感じで良い意味でちょっとむかつくなぁ(笑)。全体的にラフな感じもありつつ、要所ではやっぱりキメてくるのでかっこいいです。


楽しいじゃんゾーン(?)はOvernightで〆。Onlineと同じくROMderfulコラボ。シンメトリー感があっていいセトリだなと勝手に思ってる。

MVを見てみるとコズミックで妄想的な世界観なように感じるし、GANMIのvideoだとセクシーな感じ。でもこうやってライブで見るとまた違うなと。Need You Badと繋がると同じ主人公なのかなって考えちゃったり。

前2曲はリズムの刻み方であったり、思わず笑顔になる楽しさがあったのだけど、この曲はしゅるしゅるっと入ってくる心地よさに耳を委ねていると、気が付いたら心を掴まれ心躍っている。陳腐な言い方だけどスルメ曲要素を感じています。

Cruisin” “アンテナはalwaysビンビン” “もう結局お前しかいないやん” “Higher”、クセになることばと振りがこれまたにゅるにゅる出てきます。ASMRなのか???

とくに“もう×4”のとこ、video初見の時は「腰腰腰〜!!」って感じだったんですが、途中で気が付いた時からDysonさんの肩ばかり見てしまいます。好き、シンプルに。あ、なんかvideoの感想になっちゃった。

問題は2サビ後のソロですよ。

強めのルックスから放たれる柔らかな動きと笑顔があまりにもロイヤルミルクティーなO.S.Mちゃん。絶対的唯一無二感のYU-KIくん。遊び心とパワーと行き着く先は結局Kazashiくん。そして彼のらしさにまだ日本語表現が追いついていないDysonさん。

もうねそればっかり注文しちゃうみたいな。ほかのものもたまには飲みたいけどレジの前で今日もお前それかいみたいな。そんなメンバーのソロ。

1サビ後からのチーム専修(SUN-CHANG,AOI,Ryoga)といいF.A.D(YU-KI, koooya)といい(んもうめっちゃたのしそう)、2サビ後半のチームご当地(Mr.D, AOI, Yuuki, Dyson, Ryoga)といい、GANMIというクルー内でのチームをさりげなく見せてくれるのも、理屈抜きに嬉しい。ありがとうございます。


<パフォーマーとしてのGANMI>

ここからはGANMIのメンバーのひとりひとりを主人公に据えたようなパフォーマンスが続いていきます。

また個人的な妄想になりますが、このあとの3曲は、パフォーマーとしてのGANMIを魅せるゾーンだと思っています。


LMN」はGANMIからSUN-CHANGさんが主役。

SIRUPさんとSUN-CHANGさんとが、ひとりのひとの左脳と右脳というか…この曲に実体があるとしたら、心と見た目。言語・左脳的な部分をSIRUPさんが担い、視覚・右脳的な部分をSUN-CHANGさんが担っているような印象です。なんて雄弁なダンスなんだ〜!

さんちゃんさんはなんというか、刹那的な部分があんまりないと私は思っています。変わらずそこにいてくれるような安心感がある。根拠ないけどな。

曲のタイトルでもあるLiving in the moment nowは「今を生きよう」てきな意味であるけど、それは決して「今が楽しけりゃどうでもいいじゃん」って乱暴な言い方ではないんですよね。自信のなさや弱い気持ちを許容してくれて、ここにいる(一緒にいる)から大丈夫、楽しもう、って腕を引っ張ってくれるような印象があります。それがなんともさんちゃんさんにぴったりで。

さんちゃんさんが拾うひとつひとつの音は、あまりにも繊細だしおしゃれだしめちゃくちゃキラキラすぎる。さすがさんちゃんさんだなとおもいます。来世はさんちゃんさんに拾われる音になれるようにがんばりたいです。


つづく「LOOP」「Ready For You」はshunくんのターン。

LOOP」ではG3LXで見せてくれた夢のような世界観がふたたび。音源は冒頭はSaxだとおもうのだけど、ギターverもいいなぁ。あまりに声も呼吸もやさしすぎる。エネルギーを投げかけるんじゃなくて、やわらかい糸を引くかのような、まどろみを誘うようなダンス。毛布とホットミルクと薪ストーブ。

Ready For You」はSIRUPさんの掠れた声にぐっとくる。月明かりのようなライト。そしてshunくんのダンス。なんて贅沢な。いらないんよ、派手な照明も小道具も。そこに歌とダンスがあればそれでいいんよ。

shunくんのダンスは、多くは語らないけど心にじんわりと残るし染み渡る。最後のサビに入る前の静寂をこんなにも生かせるのはshunくんならではなのでは。間と余白の美学だなー。


ダンスで音楽を表現する」。

ここまでの3曲(と、SUN-CHANGさんとshunくん)は音楽に含まれる言葉、リズム、メロディを身体を通して高い純度で表現していると感じ、勝手に「パフォーマーゾーン」って呼んでいます。受け手の感覚にダイレクトアタックっていったらいいのでしょうか。

では次の3曲はというと、また妄想ですけど「ディレクターゾーン」と呼んでおります。


<ディレクターとしてのGANMI>

前述のパフォーマーゾーンが、音楽にふくまれるものの表現だとしたら、ここからは音楽それ自体の表現だと感じます。


Thinkin about us」は冒頭からワクワクしっぱなしでした。画面上いっぱいに広がる白い布。そこに寝転ぶSotaくん。照明もフロアに当たるのとはまた違ったよさがあり、布から柔らかく透けて出るのがいい。波打つ布の陰影もきれい。

生の舞台やライブを見に行くよさのひとつに、視点の自由さがあると思います。上演中はステージ上のどこを見ていようと自由です。

いっぽうオンラインライブは視点の自由がありません。カメラが唯一、わたしたちの目。でもこの不自由さをうまく使うことができれば、見ている側の視界をコントロールでき、驚きや感動をもたらすことができるんだなあ。

そういう見せ方もあるのかー!っていう驚き。

もう5回めにもなるGANMIのオンラインライブだけど、毎回同じものではなく、Sotaくんの何か新しいことを見せようという姿勢と心意気がなによりかっこいいです。

ダンスの詳しい技術のことはわからないんだけど、この曲のコレオは体内から湧き出したかのような、絞り出したかのような、音楽との対話感があるなと感じました。

狙い澄まされたコレオもかっこいいし胸を打たれるんですけど、ここまで受け手の感じ方考え方に余白があるのは、かなり新鮮味がありました。

あと、この曲のラスト“ああもう溶けそうだ”からがとっても好き。音が壮大なところがとっっっても好き。世界の果てで迎える夜明けのような浄化力。channel 02で聞いたときもゾワっとしましたが、生のライブでホールから降ってくる残響ごと味わえたら最高なんだろうなと思います。


つづく「HOPELESS ROMANTIC」。

これ実際当日見てたとき「え?」「やばい」「脳みそどうなってんの」しか言っていなかった記憶があります。あと絶句。

だから私のピュアな感想はそれです。

お膳立てされた場面のセットや衣装や登場人物や台詞があるわけでもない。音楽と体と照明とカメラだけなのにこんなに魅せられるんだってことへの驚き。発想と作り込まれた世界観がすごくて(うまく言葉にできない)、演出家としてのDさんへの驚き。

これがMr.Dの考えている世界なのか…!と。Dさんの脳みそを覗かせてもらってるようで楽しいです。

ポイントで言うと2サビ〜ラストの演出が好きです。

なんていうかもう私の解釈とかマジで邪魔だなと思うしあまりにも野暮だけど一応書いておくので無視してください。

そこまでは主人公を外から俯瞰的に見ていたのが、2サビの入りで一気に自分の目線が主人公と同じになって、眼前で繰り広げられる主題のリフレイン。めちゃくちゃゾワゾワします。カメラワークもほんとにいい。というかジャストすぎる。しかもワンカット。これもオンラインライブならではの視点のコントロール術…!

しかもその中に自ら飛び込んで、一体化するっていう。考えちゃうな〜考えちゃうよ。間奏の振りも実体がわからない大きな生き物がうごめいているかのようで、強烈。

最後のCメロはMr.Dさんをアクターとして見た時一番好きな部分です。このときの主人公の相方(影・もうひとりの自分・なんて言ったらいいんだろう)もめちゃくちゃいいです。自分の持ってる語彙を掘り起こしても全然言葉にできないんですけど。

そこからのラスサビは、3人称視点のようなカメラワークでありつつ、目を閉じている主人公の頭の中の世界・見えている世界っぽいなとも思います。

あれ、思ったけど私これ全部好きなのでは…?

GANMIの5周年キャンプの動画でDさんが、年齢を重ねて踊れなくなったらどうするか、という話をしていて興味深くて印象に残っていたのですが…。この人たちは腕一本しか動かせなくなっても、車椅子の上でも踊るのかなぁ、ってことをすごくおせっかいながら考えたりするんですよ。そう言う意味で、こういう方法でのダンスの関わり方って一個の可能性だなと思いました。体は衰えても、脳みそはきっとどんどん深みを増していくんだろうな、なんていう妄想でした。


からの「MAIGO」。「HOPELESS ROMANTIC」のラストからもしかして、と想像はついてたけれど、さすがにこれはシェフを呼んでほしくなっちゃう。

だれですかこのセットリスト考えた人〜!!!

SIRUPさん、channel 02のときにもダンサーなのに目線を隠して踊る気合が気に入ってる、と言っていたけど、ほんとに好きなんだなー。テンションあがっててちょっとかわいいし、歌のノリもかっこいい。

実際のテンポは音源と変わらないと思うのだけど、このライブでの演奏はすごく前に前に感じるんですよね。なんだろう、ギターのリフかな。それも相まって、絶望のようにも見えるラストを迎えた前曲と同じポーズから始まったにも関わらず、そこには僅かに希望のようなものが見えてくる気がします。

個だった主人公が群衆に溶けていく。新たに加わった、4列の前のパートのバラバラ感が逆にGANMIの集団感を際立たせていて非常に好きです。バラバラの個人が集まって集団になる。でも集団に見えるそれも実はひとりひとり顔があって。主人公を待ち受けているのは必ずしも希望だけではないけれど。

「どう感じたかは そうIt's your choice 誰にもならなくていい」

見た人それぞれ違うと思いますが、私はこれが答えのように感じます。

あの、あと書く場所を逃してしまったので蛇足のようになって恐縮ですが、サビの“生憎 I'm Sorry”のkooouyaくんの左手が刺さりすぎました。ステップの人だと思っていたのですが、私の目がよく見えていなかったみたいです。すいませんでした。

●6/30追記 YouTubeにここの3曲上がりました。MAIGOが再編集でだいぶ見覚えのない映像になっている!最高!


<エンディング>

夏来るの早すぎませんかね!「Feels Like Summer」!

MAIGOまでで張り詰めた緊張感が、ここで一気に解放されてみんないい顔すぎやしませんかね。音楽って楽しいじゃんへの回帰ですね!ベースがぶいぶいきます。

サビでDysonさんにずっと当たり屋をしているSotaくんはなんなんでしょうか。


最後は「SWIM」。意外な選曲でした。

イントロを何度巻き戻したことでしょう。みんなが泳ぐ準備してるけど、浮き輪膨らませてるDysonさんがピカイチでかわいい。

G3LXではゴリゴリにショーの一部って感じだったので、ちょっとラフな感じで見るこの曲、新鮮です。ピアノのアレンジもいちいち素敵すぎる。各メンバーのソロ部分に入りの部分、SIRUPさん声量と肺活量がどうなってんのかわからん高低差。FLSは8月30日って感じなんですけど、SWIMは7月22日って感じ(伝われ)。ジャジーな響きで、湿っぽく切なくなりすぎない、次を予感させるようなエンドロールでとってもすてきでした。

夏はもうすぐそこなのかもしれない。


<おわりに>

今回のライブ。オンラインライブは生のライブの代わりにはならないけど、生のライブもオンラインライブの代わりにはならないし、オンラインライブもそれ自体が唯一無二なんだ、って思いました。(shunくんもスタエフで言っていたので、めちゃくちゃ二番煎じですが)

ライブならではの緊張感、オンラインライブとしての映像としての美しさ、プレイヤーとしての表現力、ディレクターとしての表現力、余すことなく贅沢に詰まっていて、ほんとに期待以上で。

きっと結局は、生で見たら見たでライブって最高!となるとは思います。

生のライブってその人たちを好きになる・もっと好きになる・ずっと好きでいるために最良で最高の場じゃないですか。だって同じ空間にいるってことなんですよ。大きなアドバンテージですよね。

だけど、このオンラインライブでも私はGANMIをさらに好きになりました。メンバー個々人のこともそうだし、その進化をもっと見ていたくなりました。

おそらく次に私が観るのはTHANK YOU TOURでの生のGANMIです。私にとっては初のGANMIの生のライブ。これだけオンラインで楽しませてもらったあと、はたしてどんなものが見せてもらえるんだろうか。生ならではのGANMIの表現力に期待を寄せつつ、このnoteをおわります。

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