あの頃になりたくなかった自分になっている気がしていて

普段はわりとポジティブなのに、たまにネガティブな思考にハマってしまうことがある。
周期で言えば半年に一回とかだろうか。
測ったことはないので感覚で物を言ってしまうがきっとそのくらいだ。

そんな落ち込みを感じたある日、気持ちを戻すためにジムに行った。
幾分気持ちは楽になった。
精神的な疲労に対して肉体的な疲労をぶつけるのは個人的に有効だと思っている。

ただ少し回復しただけで万全とは言えなかったので、銭湯に向かった。
とにかく汗をかきたかった。

ただ悪いことってものは続くもので、なぜか定休日だった。
シャッターが閉まった銭湯を見て、週に一回の定休日を引いてしまう自分、、、
と悲しくなった。

ただここで負けるわけにはいかない。
この気持ちを明日に持っていってしまうことは個人的に敗北を意味する。
何と戦っているのかはわからないが。

その後、近辺で銭湯があるところを調べた。
そうするとなんということでしょう。
近辺のほとんどが定休日。

この地域では示し合わせているのだろうか。
こういうときに営業した方が儲かるのに、、と自分勝手な思考を巡らせる。

ただ私は今敗戦国の戦士なのだ。
これ以上負けることは許されない。
唯一空いている銭湯を見つけて自転車を加速させる。

どれくらい経過しただろうか。
団地の多い地域に来ていた。
どこか地元の田舎を思わせる雰囲気だ。
そんなことを考えると目的についた。

そのまま銭湯を満喫した頃には気持ちは晴れていた。
帰って読みたかった小説を読もう。
ただその前にもう一度シャワーはしよう。
私は少し潔癖なので銭湯に湯船を浸かりにいった帰りはシャワーをする。
二度手間ではないかと言われるだろうが、綺麗になりに行ったのではなく湯船に浸かりに行くのが目的なので綺麗にはなっていないのだ。

自転車に乗って帰ろうとすると昔懐かしの駄菓子屋を見つけた。
都会にもあるんだなと内心つぶやく。

なんか懐かしくなって80円のアイスを購入する。
このうだるような暑さだ、早めに食べないと液体になってしまう。
私は目についた公園に入って椅子に腰掛けて食べはじめた。

湯船に浸かったことに加えて暑さの影響か、頭が少しぼーっとしていて目的なく目の前を眺めていた。
そこには四人の主婦のグループがいた。

どこにもこういうのはあるんだなと思う。
彼女たちはスーパーの袋を片手に話をしていた。
周りに誰もいないせいで会話も聞こえてくる。

どこどこの旦那さんはどうだの
どこどこの息子さんの進学先はどうだの

本当に興味があるのかなと内心思いながら、耳に入ってくる音に感想を添えていた。
そのうち一人が離れていった。

少し時間が経過したときに抜けていった方の悪口が始まった。
直接的ではなく間接的な内容だ。
話の流れで登場人物の名前は覚えていたので間違いはないはず。

私はこういう人たちにはなりたくないなと子供のときに思った。
田舎では遊ぶところが限られているから子供が遊ぶところと主婦が語る場所は自ずと同じになる。

その時に好きだった友達のお母さんが友達のお母さんの悪口を言っていて悲しくなった。
ただ成長したからわかる。女同士ってこんなもんだ。
本心かもしれないし、本心じゃない場合もある。
よくある醜悪な女の姿だ。

そんなことを思い出した。
主婦は忙しいけど暇なのだ。

でも、私はなりたくない人間になっていないのか。これからならないでいられるだろうかという不安が過ぎる。
少なくともベストな大人ではないなと思う。
一度は誰しも考えたことがあるだろう。
大人って意外と大人じゃないんだ。

そうこう感じているうちに80円のアイスを完食する。
その場から離れよう。ネガティブなことは目に入れないに限る。
でも、ダメなことから目を背けることは違う。

改めて頑張っていこうと思った。

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