お馬鹿だと思ってたあの子が結婚できたように、成功は長期で見ないと見えてこない

まさかあの子がね〜、運が強い人は得だよね〜

この人たちはいまだにそういうことを言っているんだと
変わる意思がない人間はずっと変わらないんだなと心底思った。

その会話になったのは友人の結婚式の3次会。
私の数少ない学生時代の友人の結衣ちゃんが結婚するというので久しぶりに駆けつけたのだ。
ただ行くのが少し億劫だった。
というのも学生時代もあまり友達がいなかったので、行ったところで浮くのが目に見えていた。

ただ、こんな私と友人になってくれる彼女の大切な晴れ舞台に恥ずかしいなどという理由で行かないのはないだろう。

そう思い私は決心して結婚式に向かった。
式はとてもよかった。卒業式やらで泣かないタイプの私だったので、
泣けない可能性を考えていたがちゃんと泣くことができた。

一応感情を持った人間ではあったようで安心した。
その後彼女を含めた二次会が開かれて彼女とその友人たちと話をした。
結衣ちゃんの友達というだけあってみんな人格者だった。

そう思っていた矢先に当時私はあまり仲が良くなかった女子グループがいることに気がついた。
仲が良くなかったと記載すると悪かったように見えるが、
何かがあったわけではない。
合わないだろうなと思って関わりを持っていなかっただけだ。

二次会が終わり帰ろうとしたときにそのグループの女子に声をかけられて、
同じ学校の人で集まるからおいでと声をかけてもらった。
正直あまり乗り気ではなかったが、社会に出たら友人を作る機会はグッと減るのだという戒めが私を参加に駆り立てた。

そして結衣ちゃんを除いた三次会が開かれた。
なんであの子は呼ばなかったんだろうと思ったが、その理由はすぐにわかった。
呼ばれて気がついたのだが、同じ学校の人という括りで集まったにしては
彼女たちのグループと一人男の子がいるだけだった。

まさかみんな逃げたのか、、、

一瞬その思考が過ぎるが、まさかまさかそんなそんな、、、
と考えたのも束の間、結衣ちゃんに対する愚痴が始まった。

結衣ちゃんは学生の頃は人見知りでかつ天然だった。
なんというか何かやってあげたくなるタイプというべきか。
はたから見たイメージなので実際と乖離があるかもしれないが、
彼女たちは姉御肌でいつも結衣ちゃんに恋愛アドバイスやら何やらとアドバイスをしていた。
何かのコンサルタントのように。

それを聞いてうんうんと素直に参考にする結衣ちゃんだった。
そんないつも助けてあげていた結衣ちゃんが成功するのが嫌だったのか、
彼女たちは結衣ってさ見る目昔からないよね〜やら、そういうばやばい男に引っかかったことがあったよね〜など聞いていられない会話を続けていた。

さっきまで幸せでいっぱいだったので本当に返して欲しい。
そんなに他人の幸せに嫌悪を持てるものなのだろうか。
友達なのにと、、考え始めると色々仮説が立った。

彼女たちは学生時代、いわゆる一軍の女子だった。
結衣ちゃんはその取り巻き的な立ち位置で彼女らがいなければ2軍という立ち位置だった気がする。

でも、社会人になるころには彼女たちはどこかのクリニックの受付。
結衣ちゃんは商社の営業マンと差がで始めた。

当時は学校で一軍だったら、その後も成功していきそうなものだ。
少なくとも当時はそう思っていた。
けれど、今は違う想像を裏切る結果になった。

その差が許せないのだろうか。
色々浮かんだが彼女たちのことはよく知らない。
昔からこんな感じだったから苦手だった。

まさかあの子がね〜、運が強い人は得だよね〜

運、、何を知っていてそう思っているのだろうか。
旦那さんは良い会社の部長さんらしい。見た目のかっこよかった。
そんな人を運で捕まえられるわけがないだろうに。
色々考えてきたらイライラしてきた。

ごめん明日早くてと言葉を発すると、え?早くない?と露骨に嫌な顔をされた。
ごめんと押し切ってそのまま家に向かった。

きっと私の悪口に話題は変わっているだろう。
2軍女を誘ってあげたのに嫌なやつだね〜みたいな感じだろうか。
良いのだ、もう会わない。

それから数ヶ月後に結衣ちゃんとご飯に行く予定があった。
その時に聞いたんだ。なんであの人たちを呼んだのって。
私が良いたいことを察したのか苦笑いをして答える。

昔ね、一人だったときに助けてもらったの
確かにちょっと嫌なところもあるけどそれでも当時は嬉しかったの

そう言ってワインを飲みニコッと笑って、
まあ、もう会わないとは思うけどねと言っていた。

運と言ったか。
こういうところだと思うんだ。あんな良い旦那さんをもらったのは。

ほんと成功ってのは短期ではわからないものだなあ。


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