Journey's End（あるいは、Craftopiaは何故ディストピアになったか）

”シームレスアップデート”の希望と絶望

2023年の6月、長い開発期間を経てCraftopiaはシームレスアップデートを果たした(※Steam版のみ)。
PVでは刷新されたマップと戦闘シーンが大々的に紹介され、希望に満ちたものに”なるはずだった”。
だが、実際にやってきたのはー絶望であった。
レガシー版より遥かに劣化したパフォーマンス。
噴出するバグの数々。
シールドシステムにより絶望的にテンポの劣化した戦闘。
何一つ変わらない敵の粗雑な行動。
どこにでもゴブリン。
つまらないギミックを押し込んだダンジョン。

公式Discordには一時的に人が戻ってはきたもののーすぐに去っていった。
編集者はモチベーションを失い、Wikiの更新は止まった。
何もかもが”終わった”。
もちろん、その後開発チームは何もしなかったわけではない。
だが、それらの殆どはプレイヤーの期待を裏切るものだった。
「少しでも強い要素があったらそれらを徹底的に叩く」
「新要素のコストは極めて高く、容易にはたどり着けないように」
一体何が彼らをそうさせたのだろう？
彼らはどこを向いてゲームを作っていたのだろう？
結果、残ったのはディストピアだった。

彼らは詐欺を働いたのではない。
ただ、理想に至る能力が絶望的に欠けていただけだ。