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私と音楽と、バンタン①

初めに

つい先日、50を迎えた私。
年齢で言うと、何だか重く圧し掛かってくるようだが、「半世紀」というと何だかすごい歴史を感じる。私史上、半世紀。
この機会に、自分の半生をこれまで触れてきた音楽とともに振り返り、綴っていこうと思う。

初めてのアイドル

大阪のど真ん中で、私は産声をあげた。
5才の時に両親が離婚。その後は、母と2人で市内で生活を始めた。
小さい頃はひどい喘息で激しい運動が出来ず、人見知りで内気で明るい性格とは程遠かった。

こどもの頃の記憶は断片的だが、何故か聴いていた音楽だけはとてもよく覚えている。楽器は全く弾けないが、歌うことが小さい頃からとても好きだった。

父方の亡き祖母は当時にしては少し珍しく、英語に精通している人だった。
幼児期に祖母から英語や歌を教わったのを朧げに覚えている。
叔母はアメリカの有名な大学を主席で卒業するほど勉強熱心で語学に長け、卒業後はその地に留まり、現在もご家族と生活をされている。
私の母は、心優しい2人が大好きだった、と昔よく話していた。
美容師をやっていた母はその影響なのか、洋楽をよく聴いていた。
母が好んで聴いていたのは、カーペンターズやABBA(アバ)、ホイットニー・ヒューストン、セリーヌ・ディオンなど。
それをよく傍で聴いていた。

(ふと思い出したが、20代前半、友人に連れて行ってもらったクラブハウスにハマりよく通った時期があったが、そこでABBAがよくかかっていた。あ、この話はまた別の機会に。)


私が記憶している中で、幼少期で最初に好きになったのはピンクレディー。ケイちゃんが大好きだった。
歌や振付を何度も見ては覚えようとした記憶がある。人生初の推し。
踊るのが好きになったのも、この影響だったかもしれない。

小学生に入ると、周りの友達やテレビの影響でますますアイドルに熱を上げるようになった。
時は、アイドル戦国時代。
はっきり記憶に残り始めたのが1983年、小学3~4年生の頃。
同時にお笑いブームも巻き起こり、ドリフからひょうきん族への移り変わりもあった。
歌番組も目白押し、私は片っ端からそれを見ていた。
当時はまだ録音、録画機器が充実しておらず、私も例にもれず、テレビ番組の音声をカセットレコーダーを近づけて録音していた。
一切声を発してはいけない噂のアレ。
母にも「静かにしててね!」と念押ししたものだ。

歌番組で聴く曲の歌詞を知りたくて、歌謡曲の歌詞集を買ってもらった。
事典のように分厚いその本は私の愛読書になり、
ボロボロになるまで読み込み、たくさんの歌詞を覚えた。
今、中学生の娘がSNSで必死に歌や歌詞を覚えているのを見て、時代は変われど母娘よく似たことをやってるなぁ、と思わずほくそ笑んでしまった。

そして、その頃一番好きになったのは中森明菜ちゃん。爽やかで可愛らしいアイドル的な楽曲が流行る中、アイドルにしては少しダークな雰囲気で(私の視点)低音ボイスと伸びやかな歌声の明菜ちゃんはとても魅力的でカッコいい女性アイドルだった。
新曲が出る度に、歌詞と振り付けを覚え真似をした。
明星や平凡というアイドル雑誌を買ってはページを切り抜き、下敷きに挟んだ。小学生時代の憧れだった。

アイドルからバンドへ

中学生になる少し前、1こ下の従妹がハマっていたバンドを教えてもらった。それが、十代の私にとって最大の推しとなるREBECCAとの出会いだった。ここからアイドルからバンドへ、私の興味の対象が移り変わっていった。
REBECCAにのめり込んだのは、何といってもボーカルNOKKOのパワフルボイスだった。小柄な体から全身で歌う姿は、背が低いことがずっとコンプレックスだった私にとって、まさに目からウロコ、羨望の的(語彙力なし)絶対的な憧れの対象となった。お小遣いやお年玉でアルバムのカセットを買って何度も聴いた。音楽番組をチェックしてビデオに録画して何度も見た。音楽雑誌のNOKKOの衣装を真似して着たり。そして、人生初のファンクラブに加入したのもREBECCAだった。
(ちなみに中学生時代、とあるアイドルグループにもハマったがそれもまた別の機会に)

高校生に上がる頃、念願のREBECCAのコンサートに初めて行くことになった。どのツアーだったか記憶が定かではないが、大阪城ホールのアリーナ席から眺めたステージは圧巻だった。
長く感じた待ち時間の後、いよいよコンサートが開演。
生ギター、ドラム、シンセサイザー、ベースの音が鳴り響き、NOKKOが登場した途端に会場中が一気に沸き立った。初めて聴く生のパワフルボイスは耳から体中を駆け抜け、想像以上の衝撃だった。
小さく華奢な体で広いステージを駆け回り、大きな会場の端から端まで声援を送るファンを魅了していった。夢のような時間だった。
その後、REBECCAが解散するまでの間、従妹や友達と何度も何度もコンサートに足を運んだ。
もしかしたら、この体験が忘れられない記憶となって私の心と体に染みついているのかもしれない。
REBECCAの解散後、いろんなアーティストのコンサートや様々なフェスにもたくさん行ってそれなりに楽しかったが、何か今ひとつ盛り上がり切れない、いつも少し消化しきれない感情を抱えていた。
背筋からゾクゾクするような感動をずっと探していた気がする。

バンタンとの出会い

そして長い長い時間を経て、2年前、2020年のコロナ禍の真っ最中、私はBTS、バンタンに出会い、沼にハマった。

それはもっとずっと後の話になる。

バンタンと出会ったのはやはり奇跡で運命だと思っている。
生のコンサートに一度も行ったことはないが、ステージ映像を初めて見た時、REBECCAのコンサートで体感したあの感覚を思い出した。全身でパフォーマンスする姿は、私の中で、あの時ステージの上にいたNOKKOと重なった。
いつか、彼らのステージを見たい。コンサートに行きたい。
久しぶりに心が震える感覚を思い出した。

話は長くなるので、とりあえず今日はここまで。
この話の続きは、またそのうち・・・

最後までご拝読いただきありがとうございました。