初夏の頃(21)kokuhaku
初夏の頃(21)kokuhaku
hirosi ココカラハ コクハクデス
私は貴方に恋をしました。
もしかすると生まれて初めての恋かもしれません。
真っ直ぐで、嘘つかない、真面目で飾らない青年に。
まだあげ初めし前髪の
林檎のもとに見えしとき
前にさしたる花櫛の
花ある君と思ひけり
やさしく白き手をのべて
林檎をわれにあたへしは
薄紅の秋の実に
人こひ初めしはじめなり
年上の人に恋心を抱いたと思った時期もあったけど、今は違ったと君の前では正直に言える。
私は、心のどこかで父には反抗的に生きてきた時期があって、その時に男の人たちに素晴らしく甘美な SEXを優しく丁寧に教えられてきた。
奥義のような物を自分では享受してエクスタシーの世界を知ったと思っていた。
でも、ヒロシ君にそれを教えて伝えることは、おそらく、多くの女性にこれから貴方と知り合った人に知って欲しくて、伝えたつもりだった。
ヒロシ君は覚えが早くて、ものすごく感が良くて、直ぐにマスターしてしまって、しかもその後がとてもクリエイティブで意外性と創造性と、もう一人歩きして、私の教えることもなく優秀な生徒は先生を追い越した。
そして、私が経験してきた生命の不思議、SEXの奥義にさらなる進化を私に与えて、今まで感じた事のない感覚やあり得ないような体の反応が起きてしまった。
精神的にも考え方や思い遣りや優しさ、アガペの愛を既に備えていて、そしてエロスの愛も!こんなに短期間なのに私は貴方に恋をした。
シモーヌド・ボーボワールの 女は女に生まれ、そして女になる。
私は女になったつもりだったけど、確かに女だったけど、もっと女になってしまった。
そして、ジャンピエールサルトのような存在の人がいたら人生はもっと豊かになるだろうと感じて、悩んでいた。貴方を、15歳も年下のアナタを誘惑した罪悪感、自分を責めたけど抗うことはナンセンスだと認めた。
互いに自由でいたい!互いに所有することはない!奪うことも争うことも望まない。全てを分かった上で互いの存在が必要な存在である為に、出来うる限りのBESTを尽くしたいと、思わせてくれた。
心の重荷や負担にはなりたくはない!束縛なんてとんでもない。
でも、恋してしまい、愛してしまった。
この世界に、出会うことが奇跡のような人と人の触れ合い、エディプスの恋のように宇宙的で、この時と空間を共有できた喜びに、私は今、貴方にヒロシに愛を告白します。
人生の目的や自己実現を失わず、その人生の糧となるような互いで、いられたらと私は思い、貴方の人生に関わり合いたいのです。
僕はじっと言葉を噛み締めて、今この二人の時間と空間を霊的な臨死体験のように俯瞰した目で見ていた。
暖かい部屋、蝋燭と石油ランプと暖炉の揺らめく光との暖かなロートレックの絵のような世界を見ていた。
針葉樹の森の中のロッジ、暖炉の煙は夜空に立ち上がり、広い牧場と八ヶ岳の山塊。満天の星はポラリスを軸に時を刻んでいた。
そして、このターニングポイントを、どう乗り越えるのか?
このKOKUHAKUと提案を享受して、その感謝をどう伝えるのか?
夏休みはまだ有る。
このままでは終われない。
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