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初夏の頃(15)会話

初夏の頃(15)会話
二人でシャワー浴びた。熱いシャワーだった。
ゆっくりと全身を温めるように、軽くキスはしたがシャワー!
雷鳴が遠くに聞こえた。やがて、突然閃光が光って、濡れた彼女の
耳からうなじと顎のラインが、フラッシュして残像として残った。
綺麗な残像だった、儚い残像だった。
雷鳴はそれでも雷光から数秒あった。まだ遠い、
少しして、今度は近くにもっと近くにズドンと落ちた。光と音はほぼ同時に、私は出ようとして居たので少し離れた位置から閃光の中のシャワーを浴びる彼女のシルエットを見た!全身の美しいプロポーション!それをフラッシュした。残像は美しく濡れて輝いて居た。
と同時に停電した。
熱いシャワーで生き返った身体は空腹を覚えた。
バスタオルで拭きながら、「お腹空いた!」と言うと、「私も!」と笑った。シャワーを浴びた後の停電、ラッキーだった。
リビングダイニングに行ったが停電だ。
まだ脱衣所の彼女は大声で「何か用意するね!」と、「ヒロシくん、暖炉付けてくれる!」そう雷雨の後はきっと寒くなるのだ。
返事をして取り掛かる。お手のモノ、と言うか暖炉の火が大好き。
薪は室内にも積んであるが、デッキエリアの屋根の下にも沢山あった。
少し大声で話した〜「ボーイスカウトの時、紙を使わないで、マッチ3本と薪とナイフで火をつけるって言うのがあってね〜どうするか判る?」
雨音がかなり大きくて話声は高い天井に響いた。雲が厚いのか空は真っ暗で部屋の中も電気もなく暗く、暖炉の炎だけが明るかった。
あんなに午前中は綺麗に晴れていたのに軽井沢は山の天気の変わり方の時もある。
「紅茶入れてくれる」「はーい!」大きな紅茶の缶がいく種類か並んでる、そのストック場所も覚えた。ダージリン、アッサム、イングリッシュブレックファースト、ウバ、ニルギリ。アッサムにした。
ダイニングテーブルに用意されたのはバタールのパンに、ローストビーフとサーモンとオイルサーディンの3種類。中身はタマネギのスライス、サラダ菜、トマトのスライス、ピクルス、オリーブのスライス、マスタード、ケッパー、チコリ?といろいろ。
それに、オニオンスープ?多分缶詰?
停電でもプロパンのガスは使えたから〜ダイニングテーブルに並べたけど、暖炉の前にテーブルを出してその両脇に座って食べた。
「あんまり長いと冷蔵庫が?心配だな〜」「軽井沢って多いよね!カミナリ!」
「怖く無いんですね!」「怖いけど、私、普通の女の子じゃ無いから!」と。
「確かに!」と言って笑う。
美味しかった。食べ終わると彼女はまた立って行って、金色のツリーのような数段の金属のお皿を吊り下げて来た。ボーダーのシャツがかっこよかった!
それを見て私はも一度、今度はダージリン紅茶を入れた。
チョコレート、マカロン、ケーキ?スコーン、ドライフルーツ、チーズ。それとは別にナッツのお皿と、瓶に入ったナッツ。ティータイムだな!
彼女は〜「イギリスでは午後の紅茶、ハイティーと言って、軽食とスイーツをいろいろと用意して夜ご飯までお茶するの。」と教えてくれた。
「イギリスには長く?」「音楽大学に、それと、お城の中に住んでいて、レーシングスクールにも通った。ヨットも習ったかな?イギリスは沢山運河があってそれで、運河旅行もできるから。」
「それ、確かツバメ号とアマゾン号って本で読んだことあります。」
「アーサーランサムね!やっぱり君の家は偉い!」と笑う。
「イギリスに行く前にウイーンの音楽大学にも留学してた。ピアニストになろうかと思ってた頃があって。ヨーロッパも沢山の国をドライブ旅行した。絵も好きだったし美術館も沢山巡った、」「沢山の絵を見た。いろんな国を回って、フィンランドとかトルコとかチェコスロバキアとかギリシャとかイタリア、スペインどこも素敵だった。本当は日本にあまり帰りたいとも思ってなかった。」
「ヒロシ君も世界は見た方がいいよ。
父の知り合いも海外に沢山居てみんさんよくしてくれたし。でも。」そこで言葉を切って・・・・・しばらくして・・・俯いて「父が亡くなって」堪えて少し涙声になった。
「どうしても日本に帰らないといけない状況になって、帰って来たけど、いろいろ整理ついたらまた何処かに行こうと思う。」
「この家、変でしょう。色んなものがたくさん有って!父の残したモノ。
とても良くしてくれた知り合いも有るし、会社とか、証券とか、不動産とか、本当は私には関係ないけど整理しなきゃいけない面倒なことが沢山有って、こんな泣き事を言ってごめんなさいね。」少し明るく元気な声になった。
「そう、ヒロシ君にも謝らなきゃ〜って思ってる。誘惑しちゃってさ!でも君が素敵でさ、初めて見た時に言い目してるな〜って遠い日の何かを感じて、家に来たときにも好青年で、音楽も趣味も予想外に気があってしまって。」
「次の日には一生懸命に自転車で来てくれた、あの汗を見て、君が欲しくなった。解ってると思うけど、ここでしか逢えない!軽井沢でしか会えない。東京で会いたく無いし、多分私はそんなに長く日本にいないし。」

「私も解ってました。もの凄い出会いで、宇宙の星の出会いのように奇跡的で、しかもSEXをする相手はもっと少ないって〜話をした時から、僕も受験があるし、でも嬉しいんです、正直予想外に、自分が思っている以上に素敵な人で、それにさっきもそうだけど、一生懸命に尽くして愛してくれてますよね!それがツブサに解るから、とても嬉しんです。」

「ありがとう〜正直寂しかったし〜良いよねSEXレッスンで!」笑った。
「それで、正直に言うよ、君はとてもクリエイティブで相手の気持ちや、今何をしたいかが解って身体が以心伝心で動くでしょう、気遣い優しさ思いやり、それを運動神経で互いに交換できる。飲み込み早いし教え甲斐がある。
それと君のは硬い気持ちいい!実はさー潮吹きってしたことはあったけど、指でね、挿入しながら出来たのは初めてなんだよ。」
「え〜そうなんですか?」
「そうなの、だから、少し参っていってるのは私かも!気持ち良くってさ!
なんだか、お宝見つけた感じと、相性がすごくいい気がする。
海外で彼氏も居たし同棲もしたけど、君は最高!」
「そうなんだ〜そうか〜嬉しい!」

雨は止んだけど、停電は続いて居た。
「海外に行って何かするんですか?」
キッパリと「わからない!でもこのピアノは持っていくかな。
演奏活動はするかも。南フランスに家はあるのでそこに住むかな?
友人のイギリスのお城には私の部屋があるし。アメリカには興味ない!
モンセラットにも別荘はあるけど処分するかな?私のタイプじゃ無い場所なので、東京の家も。処分する。ここは残すと思う知り合いもいるし。」
「そうだ、いつか、もしそんな機会があったら、南フランスにあるマチスの光の教会!あそこは見て欲しいな〜素晴らしいと思う」



ウッドデッキから外に出て、ケージを開けてスティーブを
庭に放った!元気よく駆け出していく〜
見守りながら話は続いた。
「飛行機の免許が欲しい。パイロットになりたかったな〜」
「土日はね、弁護士とか証券会社とか美術館のキュレーターとか不動産の管理会社とか面倒な連中に来ていただいてるの。軽井沢、最近は土日混むでしょう、出掛けたくないし、それに土日に来る人達は、意外にも喜んでいるみたい。」

停電が復旧した!それと同時に帰る事にした。
玄関を出ると暗くなって霧も出て寒いくらい!
「明日お天気はどうなんだろう!」
「明日も晴れの予報です。」
「なんで解るの?」
「中学生の時は気象部ですから!毎日天気図見てます。」
「じゃあさードライブ行こう、山岳ドライブ!
ピクニック!草津〜志賀山岳ルートに行こう!
少し早めに来て〜!」
返事の代わりに、抱き寄せてキスした。
そして、見つめ合い、また軽くキスした。

後ろに鉄扉の門の軋む音がした。

5日目PM

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