META=KNOTでの名取さな出演パートについての感想メモ

2024年3月から4月にかけて開催されたVRライブイベント META=KNOT 2024での、特に4月20日の名取さなの出演部分についてを主とした感想メモ。
単なる一回のイベントとして、自分の中でいつか記憶が風化してしまうにはあまりにももったいないと感じてきたので感想を残しておく用です。

イベントまで

今回、名取さなが初めてVRイベントに出演ということで、VR機材等を持っていなかった告知当初はありがたいことにYouTubeで無料で見られるというならそれでいいか、と思っていたものの、メディア用先行レポ記事の画像などからじわじわとVRで見たい気持ちが増していき、最終的にはHMDとまともなグラボが搭載されているPCを初めて買っていた。

環境が整ったのが4月17日だったためそれ以前の日程についてはVR参加できず、当日までにはテスト程度しかできなかったが、なんとか無事に当日もinvite onlyではあるが参加することができた(実際のところ、一部パーティクル演出が何らかの設定をミスっていて見れていなかったことに後になって気づいたけど、まあええわ。今後に期待)。invite onlyについては後述の理由のため、結果的に良かったと思う。

4月20日当日

当日の名取までの出演者の方々のライブ歌唱・演出に圧倒されつつ、これがVRならではかあ、とまだ冷静に感動していたが、いざ本人のパートの直前になると例によってそわそわしてきて短いインターバルの間に異常にトイレに往復したりしていた。

そして本人がついに登場すると、たぶんかなり頭おかしかった。
モンダイナイトリッパーremixの歌唱中、いつも通りではあるが元気のある歌を歌っているために名取はステージを駆け回り、それを間近で見た過ぎて最前のあたりでスクショを連写しながら追従して走り回っていた。かなり無意識だったのでiniviteじゃなかったら異常だった。
その後もスクショ連写人間になっていたが、自分の挙動はこのへんで留める。

今回の名取の出演パートでの歌唱・演出は、外部イベントであるためファン層以外の多くの人が楽しめるよう用意されていたものだったが、ファンにとってはさらに一段と楽しめるものだったように思う。

『モンダイナイトリッパーremix』のダンスは2023年の『さなのばくたん。ハロー・マイ・バースデイ』の際のバージョンだったし、演出ではMVのうさちゃんせんせえをモチーフにしたマップピンが大量に登場した。最初の複数のウィンドウが並ぶ構図から名取が飛び出す演出も、MVで登場するインターネットのウィンドウを意識していたのかもしれない。

なんか変なポーズのインターネットさん
前髪はねてるけどそれも良い

『アマカミサマremix』の序盤の泡を舞わせる演出も、2021年のイベント『KURO-OBI -VIRTUAL IDOL POWER 2021』でも使われたり雑談配信で4DXでライブするならどうのこうのと話していたりした、思い出のある演出だった。

なんかミスってノンパーティクルになったけど逆に貴重かもしれん


ラストの曲について

ファン以外とファンで楽しめる度合いが異なる、という観点で特に大きいポイントだったのは、『ゆびきりをつたえて』だった。
前述の2023年のさなのばくたん。での最後の歌唱曲であり、5年の集大成としての位置づけが非常に強かった楽曲を、外部イベントで披露するということ自体があまりにも予想外だったのはさることながら、その演出も相まって発表から1年以上が経過していながら心を揺さぶられた。

2023年のさなのばくたん。では、名取が自身と向き合う楽曲という意味合いが強く、それを前面に押し出した演出だった。また、序盤からクライマックスの手前までほとんど暗いステージの上で歌唱され、曲が進むとともに名取の衣装が変わっていき、ラスサビのみ光り輝くステージの中で歌い終わるという構成だった。

今回も序盤は暗いステージで歌っていたが、2番サビには前を向く歌詞とともに淡いピンクを基調としたステージに切り替わった。これ自体については、さなのばくたん。の際とは異なり今回はパレード衣装で通しだったため、人生での心の移り変わりをステージで表現したように感じた。

気が狂うかとおもった

あまりにも印象的だったのは(というか大多数のファンも同様だったように思うが)、Cメロからの草原の演出である。
なんとも言えないやや灰色がかった空の下、風の吹き渡る草原の中で立つ姿はただただ美しかった。
決して並大抵のものではなかっただろうけれど、ひたむきに、爽やかに軽やかに進んできたあの人の、美しいこれまでを表しているようにも映った。

おれの心象風景今度からこれにする

そして落ちサビでの演出と歌唱が、本当に凄まじかった。
メロディーが途切れるとともに、草原が真っ白に、文字通り色が抜け落ち、ぽつりぽつりと話すような歌声だけが耳に届いた。名取さなだけがいる景色だった。

マジで悲鳴出そうだった。たぶんちょっと出てた

あの「わたしはどんなわたしがすき?」の歌い方は、音源とは異なり明らかにあのばくたん。のときの歌い方だった。
ただあの演出を考えると、あの部分の意味合いは少し変わっていたのかもしれない、と今は少し思う。

さなのばくたん。でのあの歌詞は、前述のように名取が自身と向き合うことが主題だった。
一方で今回は、歌唱前のMCでも言っていたような、未知のものに手を出す勇気、自分の殻を破る勇気を視聴者へ伝える側面もあったように思う。
「あなたはどんなわたしがすき?」「わたしはどんなわたしがすき?」が指す「あなた」と「わたし」は、名取と名取自身だけでなく、名取と視聴者、あるいは視聴者と視聴者自身、それらがどちらにも入るように思う。
どのように取るのも人それぞれだとは思うし、VRイベントならではの、名取と自分しかいないあの瞬間はいずれにせよ掛け値なしに有難いものだった。

最後には2022年の『メチャ・ハッピー・ショー』と2023年の『ハロー・マイ・バースデイ』の、どちらも想起させるような光り輝くステージで歌い、あの慈しむような表情のまま終わった。

名取さなは最強で完璧なんすよ…

おわりに

私にとっては今回初めてのVRライブで、少しの悔いも残りはするものの、つくづく圧倒される体験だった。

『いっかい書いてさようなら』の「今度どっか行きたいよ どっか連れてくよ 見せたい景色をつくるよ」という歌詞は、数年前なら外へ出れない名取をファンがどこかへ連れて行く、という意味合いもあったかもしれないが、ここ最近はすっかり名取さなに新しいものを見せてもらっていること、そのままになっているように思う。
それでいいのかとかそういう話はまあ一旦置いといて、とりあえず9月18日の1stライブまで今度は生きようと思う。

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