遊んだフリーゲームの記録:⑮ノベコレで遊べる「ノベル系とは少し違うゲーム」
自分がプレイしたゲームの感想というより個人的な記録です。
ゲームの簡単な概要と私個人の感想をネタバレ無しで綴っています。
ゲームを批評する目的ではなく、
読んだ方にとって、自分に合う作品かを調べたり
まだ見ぬゲームと出会う一助になれたらいいという物です。
サイト名がノベルゲームコレクションなので、ゲームのジャンルとしてはノベル系やADV系がメインなイメージがあると思います。
が今回はあえて文字を読み進める/選択肢を選ぶという操作のみではない、それ以外の要素がメインにあるゲームの紹介になります。
※オーソドックスな脱出ゲームに関してはノベコレのジャンルタグに予め分類が用意されているので、また別の機会にまとめたいと思います
※プレイの際は作品ページに書いてある注意事項及び利用規約を必ずご確認ください
※今回掲載したゲームの作者様へ
この記事内容への訂正・削除等何か要望がありましたら
お手数ですが
・この記事のコメント欄 か
・プロフにかかれている個人サイトの連絡先までお願いします
(Xでよければ @nonossanoです)
『そこほれ!ダンジョンお宝博物館』
ドット絵のさくさくローグライク&経営シミュレーション
■作者 かりこ様
■プレイ時間:5時間~ ジャンルの特性上完全クリアはそれ以上かかる
■ゲームの概要
・ジャンル:ローグライク×経営シミュレーション
・オートセーブ式
・ノベコレではPC版のみとなっています
(公式ページでブラウザプレイも可能ですが推奨されていません)
こんな説明をしましたが、このゲームはそこまでガチガチのローグライクではなく初心者でも遊びやすい仕様になってます(後述)
ゲームの導入:
まずあなたの名前を入力して、次は博物館の名前を決めて
さあ、とりあえずダンジョンに行こう
感想
サンプル画面のドット絵が素敵だったのとノベコレでローグライクという響きが気になってプレイしました。
ゲームの内容
ダンジョン攻略(ローグライク部分)
装備無し・アイテム無しからのスタートしてもキャラの経験値がそのままなので、レベルを上げていけば序盤で苦戦することはそこまでなくなるかと。
道中の敵モンスターとの戦闘よりも罠や状態異常での被ダメが重いのですが、その分回復アイテムもダンジョン内でたくさん手に入るのでケチケチせずにこまめな回復がおすすめです。
マスをクリック→敵モンスターが出てくる→プレイヤーとお供と敵内で素早さ順にオートで攻撃(プレイヤーは行動を決められます)していく→どちらかが倒れるかプレイヤーが逃げるかまで続くターン制なので、戦闘がシンプルな分サクサク進みます。(攻撃と間違えて移動しちゃったとか方向違うところにアイテム投げないようにとかの心配が少ない
ダンジョン内ではお宝だけではなく装備品またはアイテムを購入する、自分の装備品にスキルをつける、お供にスキルを変えるなどのローグライクならではの巡り運要素もあり取捨選択する時間+カスタム性もあります。
超個人的な意見としてアイテムなどを捨てるときに自動で換金されるの嬉しい派
博物館(経営シミュレーション要素)
お宝にはレアリティや売値がありますが、単に高価なものだけを集めればいいというものではなく、企画展という要素ですべての宝とレアリティに必要価値を付けているところが良いと思いました。この企画展では、お宝のカテゴリーやテーマのコンセプトを決めることができ、例えばノーマルの安いお宝を集めてみるとか1種類のお宝だけを1部屋に並べるとか、自分の今の手持ちからより高評価を得られそうなテーマを選択していくと博物館ランクアップを目指せるかと。この企画展を行うとプレイヤーのレベルが下がるというデメリットもあるのですが、うまく企画に沿えれば十分なリターンがあるので積極的に利用するとよいです。
博物館では何事もお金が必要になるのでお金が少ない序盤はダンジョン内で装備やアイテムを買うより博物館の拡充に資金を投入した方がよさそうな感じです。(そもそも堀り力が低いのであまり探索できないし)
作品全体の感想について
こういう機能(ソートとか展示物の分類とか)あると良いなあって思ってるものが概ね実装されていたのでとても遊びやすいと感じました。
ドット素材(お宝・サポモン・コスチューム)の数が多くて、とくにお宝は同じ種類の同レア内でもカラバリやデザイン違いが豊富で、同じ種類のお宝を集めて並べるだけでも見た目が華やかになります。あと可愛い
作中のテキストも味があって好きですね。サポモンたちの台詞も可愛いし、戦闘時やお宝のテキストもこのゲームの雰囲気にぴったり。
博物館ランク1位になることがクリア目的なので、それまでのゲーム内日数が記録として残ります。余談ですが私は16日でした。
ローグライク系の入門にちょうどいい感じのサクサク感と博物館を作る楽しさを1度に味わえるゲームです
『バグだらけ研究室』
不具合を全力で探す!?デバッグ体験ゲーム
■作者 うさギョ様
■プレイ時間:1周5分~
■ゲームの概要
・ジャンル:バグ探しADV
ゲームの導入:
此崎「手伝いに来てくれてありがとう。今日はこのゲームのデバッグをお願いするよ。おかしいと思ったら【報告】ボタンを押してね」
感想
このゲームの作者であるうさギョ様の別作品を以前プレイしておりまして、バグを探すゲーム制作中であるとの進捗を聞いて公開前から楽しみにしていました。ずっと前からプレイしていたけど紹介は載せてなかった作品です。
ゲームの内容
「第五小隊」というゲームのデバッカーになり、想定された挙動ではないと思われる"不具合"を見つけるゲームです。
※デバッカーとはゲームをテストプレイしそこで発見した不具合を報告する役割の人たちのことです。
第五小隊プレイ中は「報告」というボタンが常に表示されているので、
「あれ?これおかしくね?」って感じだ時にはすぐそこを押します。本当にその現象が不具合なら不具合として報告されます。外した際のペナルティーは無いので失敗気にせずガンガン押せるのが良いですね。
画面の左上には「リロード」と表示してあるボタンがあり、ここを押すことで「第五小隊」のタイトル画面に戻れる仕様になっています。最後の異形との戦闘が終わりそのイベントが終了すると第五小隊内で見つけた不具合の数を此崎が評価して終わりとなりますので、まだ探したいときはこのリロードを頻繁に駆使することになるかと。
この記事書いてる当時のバージョン(1.02)のお話:
不具合の数は35個です。見つけた不具合の一覧があり、未発見の場合はヒントも書いてあるので探しやすくなっています。
不具合の種類は多種多様なので、テキストウィンドウに表示されている台詞を読み進めているだけだと見つけられるのはせいぜい5個とかそれくらいかなと。それくらい色んなパターンの不具合があります。
デバッグで不具合を見つけてくれ~ときくと未経験者からすると敷居高そうに感じるかもしれませんが、ステージの端から端まで壁に当たり続けてチェックするとか同じ動作を100回繰り返すとかそういう作業はありません。見たら明らかにおかしいとわかる不具合ばかりなのでゲームの中身を事前知識として知らなくても全く問題ありません。
ゲーム制作したことある人には「あーこういうミスやったことあるわ」から始まり、デバッグ時のあるある感情が程よく刺激されます。こういうところが機能してるかチェックしないとなあ~……ワーオ…とか。変数の処理間違えてるとか。
ゲーム制作の経験がない人でも、普段自分が触っているゲームがこういう裏作業の積み重ねによって作られているのを体験することができるので、
いろんな人にお勧めできるゲームとなっています。
未完成ゲームのぼこぼこ感を味わうゲームがやりたい方はぜひ
因みにこのゲームに出てくるキャラの1部・・というか世界観は同じ作者様のゲームである『第七研究室』と繋がってる部分もありますので
こちらも合わせてどうぞ
(「バグだらけ研究室」ででてきた此崎や椎木原がどんな人物なのかなどを知ることができますよ)
『点字を読めないと出られない部屋』
点字を知ろう学ぼう読んでみよう
■作者 パセねこ様
■プレイ時間:人によってそれぞれ 30分~
■ゲームの概要
・ED数:2
・セーブ機能あり
ゲームの導入:
あなたは知らない和室の部屋に閉じ込められてしまいました。今この部屋にいるのは自分とパセねこというネコ?だけ。ちなみにこの部屋もパセねこが作ったのだといいます。
ココワ、テンジヲヨメナイト、デラレナイヘヤデス。
デタカッタラ、アンゴーヲ トキナサイ
点字が読めないと出られないというこの部屋から脱出するには点字について学ぶしかないようです。
感想
点字を読むゲームって珍しいと思いプレイしました。点字の表記について説明してくれるのでとても覚えやすかったですね。
私は昔ほんの少し点字について教わったことがあるので、多少なり仕組みを理解してはいたのですが、今一度ふりかえる良い機会になりました。
ゲームの内容
点字についての説明が最初にあり、実際の問題に何が書いてあるのかを読み解いて入力し全問正解すると次に進めるシステムです。
点字表はありますがあくまで説明+振り返りの確認用で、問題解答中は点字表を見ることができません。点字表の表示まで戻れなくなる際にはゲーム側からセーブを推奨されるのでそれに従って進めてください。
最後に点字で書かれた脱出方法を読み解いてそれをするとクリアとなります。
いきなり点字を・・と言われても小難しそうに感じると思います。ので少しかみ砕いた事前説明を。
一見すると単なる6つの点があったりなかったりにするだけしか見えない点字ですが、「あ」から順に形を1つずつ全部丸暗記する必要などなく、ある程度の法則に則って作られています。
点字の考え方としてはローマ字表記と概ね一緒です。
あ→a い→i う→u え→e お→o の母音のパターンと
か行→k さ行→s た行→t な行→n などの子音の組み合わせから点の形が構成されてます。つまり、「か行」の形と「う」の形が一緒になっている点だからこれは「く」だな、という見方で進めます。
では、その母音と子音の各パターンの覚え方は?というと・・・実際にこのゲーム内でわかりやすく説明しています。プレイ時にはなるほどそんな覚え方があるのだなと感心していました。テキストとゲーム内で表示されている点字表の形を同時に見ながら進めていくと頭に入りやすいかと。
※点字に初めて触れるかたがゲーム本編中に躓きやすそうな部分だけ※
(これは点字のルールと墨字表示の違いが大きいのでしょうがない)
拗音の見方
きゃ・きゅ・きょなどの拗音は小文字を表す点(右上に点)が手前につき、かつ、次にくる文字が普通の読み方とは変わる、というような感じにざっくりで良いので知っておくとよいかと。形でいうと
小文字の点字の次が「か」→きゃ、
小文字の点字の次が「く」→きゅ、
小文字の点字の次が「こ」→きょ
しゃ・しゅ・しょは・・・小文字+「さ」・「す」・「そ」
ちゃ・ちゅ・ちょは・・・小文字+「た」・「つ」・「と」
なので小文字の点字の次に「さ」がきてるとき、「さ」を小文字にってなんだ?と混乱しないようにということですね。その場合は「しゃ」になります。
全く点字の仕組みを知らないという人でも読み解き方をわかりやすく説明しているので、このゲームを少し触っただけでも簡単な表記ならわりとすぐに覚えられるのでないかと思います。
点字は公共施設だけではなく意外と様々な物に施されていたりします。普段は意識すらしてなかった点字を探すのが楽しくなるかもしれませんね。
問題解答中は点字表を見れないのは不便なのでは?と感じる方もいるかと思いますが、この仕様にすることで点字の構成部分からスタートして学べるように設計されているのだと思います。(表一覧で常に探せるようになっていると、一文字ずつ見た形で探すだけの時間になり構成部分の学習にならない)
シナリオは終始とってもゆるくてのんびりした感じなので頭を使ったあとの癒しタイムになりますね。
それにしても、たった6ポチの点でここまでの種類の文字に対応させるってすごい発想と発明だよなあと。あみだした先生方はすごい。
そしてこれを指などで触って判別するのだから、点字を読める方もすごいなと常々思っております。
暗号を読み解くゲームのようなみたいな感じで点字が勉強できるのでおススメです。
ゲーム×点字というとポケモンのルビー/サファイアを思い出す方もいるかと思います。パッケージに入ってたのを捨ててしまって当時自力では気が付かなかった人もいたかもですね。
『VictorySouls』
シンプルの中に駆け引きが光るカードゲーム
■作者 サークル:洛陽樹 様
■プレイ時間:1プレイ10分くらい
■ゲームの概要
・ジャンル:カードゲーム
ゲームのルール
わかりやすいチュートリアルがゲーム内にありますのでそっちをご確認ください。
①各ラウンドの最初に自分と相手双方にランダムで数字が割り当てられ、これが今回のラウンドでの最初の自分の持ちポイントになります。
②手札=ソウルカードは4枚あり、その中の2枚を自分の場にセットします。両者オープン後お互いにセットした2枚のカードの効果を得ることができますが、それと同時に対角線上にある相手のカードの影響を受けます。
1 2 この図だと1と4、3と2で影響し合う。
3 4
③カードの効果は自分のポイントを増やすもの、相手のポイントを減らすもの、相手と自分の持ちポイントを入れ替えるもの、特定のカードの効果を防ぐものなどいろいろあります。
④うまく自分のカードの効果を発動できればその分互いの持ちポイントが増減します。この流れを5ラウンド繰り返します。
⑤プレイヤーは互いに強力な技を持ったカード:必殺技を最初に選んでおり、ラウンドの終了時に相手が得た得点の分だけ自分の必殺技ゲージが上昇します。ゲージが溜まると必殺技を使えるようになります。必殺技は3種の中から選ぶので自分が使いやすいと思うやつを選ぶことになるかと。
⑥勝敗の判断は各ラウンド毎の勝ち負けの数ではなく5ラウンド分の累計得点が高い方の勝ちとなります。
感想
ティラノでカードゲームとか楽しそうだなあと思ってプレイしてみました。
私はこれまで全くと言っていいほどカードゲームに触れてこなかったのでルールについていけるか未知数な中でのプレイでした。が
チュートリアルがあり、ルールもカードの効果もわかりやすくてすぐにのみこめました。
・・・CPUノーマル相手に5連敗しましたけども。最後の方はちゃんと勝てるようになってきて楽しかったです。
モードはCPUとの対戦モードのみです。
カードの種類自体は少な目で(1ラウンドで使用できるのは2枚だからむしろこのくらい数の方が読み合いが楽しい)デッキの構築要素は最初に決める必殺技くらいしかありませんが、その分手札カードの効果の組み合わせが選定しやすいので「○○が○○のとき効果が発動し、ただしこの条件下では~」みたいなごちゃごちゃ感はなくとってもシンプルに遊べます。(カードゲームってそういうイメージありまして・・効果をどうするか揉めてる、みたいな)
各ラウンド開始時に自分と相手の持ち点の上下ですでに駆け引きがあるのが面白いですね。自分の手札が持ち点とかみ合うときはいいけど・・そうじゃないときは結構どうしようもないのは運要素も強いカードゲームならではですかね。
大体のカードに対策効果のあるアンチカードがあるので、これさえ出せば相手は○ぬみたいな最強はないです。私はどんな場合でも通せるブレイブとギャンブルに頼りがちなプレイになってるかも。でも最終的には出たこと勝負な感じになってます。こういうの上手な方はめちゃくちゃ強いんだろうなと。
あと、各カードのイラストの感じがすごく好きです。
ノベコレで手軽に遊べるカードゲームという響きにピンと来た方にお勧め
最後に
今回はノベルゲームコレクションにあるノベル要素(テキストを普通に読み進めるパート)よりも他がメインなゲームの紹介でした。
どの作品もティラノエンジンの可能性が広がるような物だったり、着眼点が光ったりと普段のノベル系ゲームとは少し違った体験ができるものです。
他にも載せたい作品がたくさんあったのですが、今回はここまでということで。また、次の機会に。
「ノベコレは文章読む系のゲーム以外無い」というイメージをお持ちの方もいるかもですが、「脱出ゲーム」などもカテゴリーとして独立していたりももしますし、今回上げたゲームのようにそれ以外の要素がメインのゲームもあります。
「文章読む時間がほとんどのゲームはいいや」という方も
「読む系のゲームしかプレイしたことないんだよなあ」という方も、
ちょっと検索してみると、意外な発見から楽しい時間が生まれるかもしれません。
ここまで見ていただきありがとうございました。
次は「脱出ゲーム」か「ドット絵その③」のどっちかになるかと。
・・・自分のゲーム作りに支障ない程度に続けていきます