地方持ち込み構築

今期bo3に自然エルフを持ち込み続けた思考と構築プロセス

初めまして、のののと申します。

森羅咆哮環境もいよいよ終わりを迎えようとしており、この3ヶ月間とてもお世話になった自然エルフの記事を書くことにします。

私はもともとウィッチを中心に使うプレイヤーでしたが、今期はかなり不遇だったこともあり、今期はチームの方とともにエルフを一から研究し、RAGEやJCGに持ち込み続け、3ヶ月を通してそこそこの成果をあげることができました。

先週(12/14,12/15)の地方大会で2連続で0−2してしまいかなり後味の悪い締め方にはなりましたが、、、それでも3ヶ月握り続けたことは今まで他のクラスをそこまで触ってこなかった私にとって非常に良い経験になりましたし、記事として少しは書けるものがあるなと思い筆を取っている次第です。

この記事では、

森羅咆哮リリースから今までの環境を振り返り

当時のbo3における自然エルフの立ち位置まとめ

アニエスナーフ後のbo3環境における自然エルフの立ち位置と構築

次環境の自然エルフ予想

以上のことを中心に述べていこうと思います。

構築や各カードの解説、プレイングに関しては他の方が素晴らしい記事を書いていらっしゃるので、この記事では主に、各環境でどうして自然エルフを握るに至ったのか、その思考を言語化してみようと思います。自然エルフを触ったことがない人に向けた基本的解説、というよりかはどこかの時期に自然エルフを多少なりとも触ったことがある人がこの3ヶ月を通してこんな構築があったのか、こんな考え方があったのかと理解を深められるような記事を目指します。

また、bo3におけるデッキの選択の自分のなりの思考もまとめたのでそこも参考になれば嬉しいです。


自然エルフ概要

自然エルフはブルーム、ベイルを中心とした早期盤面展開、アイリーネ、メイなどの盤面処理、愛の奇跡やオムニスの大型疾走と様々なパワーカードを組み込むことができ、構築や札の切り方によってアグロからコントロール自在に動けるパワーのあるデッキです。構築に非常に幅のあるデッキですので環境によって構築を少しずつ変えてきたのも特徴の一つです。

bo3環境における自然エルフの立ち位置

森羅咆哮リリースから現在に到るまでのbo3環境を振り返りつつ、その中での自然エルフの立ち位置、また構築の変遷を振り返っていきます。自分の環境の認識が実際とズレている箇所もあるかとは思いますがそこはご指摘いただければ幸いです。

・森羅咆哮リリース〜RAGEまで

森羅咆哮リリース直後から自然ビショップのtierGODは確定的であり、RAGE参加者の課題はセカンドデッキをどうするか、ということでした。

一番で候補に上がったのはリノエルフで、自然ビショップ以外の多くのデッキに有利がつき、上振れればどんなデッキにも勝ち得るポテンシャルを持つデッキでした。相方の自然ビショップの勝率がかなり高くリノエルフ自身も上振れればどんなデッキにも勝てたため、ビショップでまず勝ち、リノエルフを2回投げて一回は上振れて勝つ、という戦略が成り立っていました。

次点でそのメタとしてリノエルフに対して有利がつきつつ自然ビショップとも十分やれる可能性のある自然エルフ、さらにその自然エルフに対して有利な自然ネクロ、自然ドラゴンも候補に挙がりました。

結果としては、DAY1時点では自然ドラゴン、自然ネクロの数がかなり多く、自然エルフ持ち込みのプレイヤーはかなり苦戦したようです。私自身ドラネクに数多く当たり負けを重ねてしまいました。DAY2ではリノエルフの割合も増えてきたようで、DAY1を勝ち抜きさえすれば戦いやすかったのではないでしょうか。実際にファイナリストでも自然エルフ持ち込みが1名いました(ファイナルで優勝したさわちゃんさん)。

結論としてはリノエルフが増えるDAY2まで勝ち抜くことを想定するのであれば自然エルフ持ち込みは正解だと言えたでしょうが、私のようなそこまで上手くもないプレイヤーはまずDAY1突破を目標とし、ドラネクをメタ対象とするべきでした。

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当時持ち込んだ構築。セカンドデッキにはリノエルフが多いと読み、そこに勝てるように構築しました。

当時は対空3が主流で自然ビショップのムニャールウィングナイトの処理に必須と考えられていましたが、自然ビショップ以外の対面では処理過剰だと考え1枚導きに差し替えました。導きはプレイ回数やドローで役に立つのはもちろん、リノ対面では盤面ロックを解除したりナテラの大樹をどけて5面展開することも意識しての投入でした。

対空減らしと同様の理由で処理過剰とみてメイも2枚に減らしています。

フェアリーサークル採用はリノを重く見てベイルの早期コストダウンを狙ったものです。6t7tにベイルとともに大量展開することで詰ませる動きが強力です。

当時自然エルフにはそこまで採用されてなかった(休息の方がプレイ回数のメリットもあり重視されていた)案内人をブルームの安定起動、リノを重く見るなら2tのテンポは絶対外せないと考え2枚採用しています。

といった感じで今見てもそれなりに工夫はしていたと思います。強いて言うなら先攻はワンコがいないと手札枯渇が厳しかったし、メイも3枚入れるデメリットがトップドローが弱くなる危険性があるくらいなもので減らす理由としては弱かった。サークル2枚もトップが弱くなる要因でもあったので、今あえて言及するならサークル1枚と導きをメイとコックに変えていたかもしれません。

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さわちゃんさんの構築について。リノにかなり寄せた構築でコンセプトは同じだったので嬉しかった。エルプリ3マ枚採用と2/2/2を重視しているのはもちろんバフ愛の奇跡とオムニス最速着地に重きを置いているのが伺えます。


・RAGE後〜10月末黄金都市ナーフまで

RAGE後のbo3環境のセカンドデッキはリノエルフ一色でした。RAGEでリノエルフを持ち込んだ方がファイナリストに何人も勝ち上がりその強さが改めて認識されたためだと思われます。また、リリース後10日でのRAGEだったためプレイ難度の高いリノエルフを持ち込むことを諦めたプレイヤーが握りはじめ、時間をかけて練度を高めていったことも原因でしょうか。このような環境では自然エルフで非常に容易に大会を勝ち進むことができました。上振れには対応できないものの、基本的に相性微有利以上であり、たとえ1戦目で自然ビショップミラーで負けたとしてもリノエルフに2タテすればよかったためかなり気持ちを楽に戦うことができました。私自身この時期にRAGE持ち込みと同じリノメタ構築の自然エルフでJCG3位まで勝ち進むことができました。地方大会で上位成績を残した構築の中では、以下のようなカードを採用したものも見られました。どれも自然ビショップリノエルフ持ち込みを強く見たものだと思われます。

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・アーボリスト・ライラ

ファンファーレ効果でアイリーネにバフすることでクルトともう一体を処理することが可能になり、ミルフィ進化の上踏みを許さない。シヴァにバフすれば進化起きせずとも母から上踏みされず守護裏のフォロワーを守れる。序盤に盤面が狭い時はエンハ使用で盤面強化、クルトやイアンのケア、リノセウスの進化上踏みを許さないなど用途は多数。ある程度手札が揃っていないと真価を発揮しずらい為採用枚数は1〜2枚。

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・水晶の指揮者・リリィ

リノ対面に重きを置き、盤面に残ったフォロワーにバフをかけ早期リーサルを狙う。4枚以上プレイの効果もこのデッキとは相性が良く、バウンスと組み合わせて2回バフという芸当も可能。ピン採用が多かったが、相性が良いリナ&レナと合わせて2枚採用の構築も見られた。

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・ルナーズツインズ・リナ&レナ

早期リーサル力を高める為に投入されるカード。自然エルフ自体プレイ稼ぎがしやすく、一つの盤面で4点顔に詰めれるため相性がよかった。リリィ進化のバフをこのカードに乗せることで6tにマナマナリナ&レナリリィで10点顔を削ることも可能。序盤に顔を削れないとバフ愛の奇跡やオムニスを連打するまで顔を詰めにくくリーサルターンが遠のきがちな自然エルフの戦法そのものを変えるカード。リリィと合わせて2枚程度採用される構築が見られた。

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サークル3枚採用で横展開、ベイルの早期起動を狙い、リリィとリナ&レナの早期打点も採用とかなり前寄りでリノエルフを特に意識した構築だと感じました。

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休息3枚採用で回復札の確保、よりロングゲームを戦いやすくなる、ライラはアイリーネバフで進化無傷クルトプラスもう一面取れるようになる、ミルフィに上踏みされなくなる、シヴァバフで進化置きせずとも母なる君ケアができるようになる、など自然ビショップをかなり意識した構築だと感じました。

・黄金都市ナーフ〜アディショナルカード追加前まで

黄金都市ナーフによりパワーは落ちたものの依然としてトップデッキは単独tier1の自然ビショップでしたが、セカンドデッキは上振れ上等リノエルフ、リノエルフにやれることが明るみになってきた自然エルフ、自然エルフをボコボコにできパワーの落ちた自然ビショップにやれるよりになった自然ドラゴンの3竦みであり、次点で自然ネクロ自然ロイヤルも少数ながらも存在し多様化した環境でした。

その中で自然エルフの構築はどのデッキを対面に想定するかによって多く変わることとなりました。まず黄金都市ナーフによってディスティニーウィングナイトが抜け、ムニャールが即時に登場することもなくなったので対空射撃の役割が薄れ、0〜2枚採用構築が増えました。ビショップの上振れが減り、互角程度に戦えるようになったため、より長期戦を戦えるように休息やラティカを多く積む構築も見られました。

また、このころ自然エルフでJCG優勝された灰咲慧さんの解説記事がバズりにバズり、ランクマでも自然エルフをかなり見るようになりました。またこの記事のおかげで案内人の採用枚数が多くなったように思います。(案内人よりも休息の方がプレイ回数稼げるし回復もでき後半も腐りにくいという認識の人が多かった)灰咲さんの記事は案内人3枚採用にも意識が見られるように序盤からのテンポを非常に重視したプレイングが非常にわかりやすく解説された記事でした。まだ読んでない方は是非。

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当時では珍しい案内人3枚採用、ラティカ3枚採用でかなりテンポを意識した構築です。

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・荒野の案内人

自然エルフの数少ない2/2/2であり、投入によって事故率軽減を狙えるカード。3枚投入することによってブルームマリガン単キープを許容することができる。(このカードを採用しないのであれば序盤に安易に入手できるナテラの大樹はトレントからのみであり、自然エルフの序盤の強ムーブであるブルーム展開ができる確率が極端に下がる)後半は腐りがちではあるが、盤面に残ったこのカードを進化して顔面に4点を入れつつメイ発動のためのナテラの大樹を入手することができる点も覚えておくと良し。


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11月8日時点での私の構築。JCGに持ち込んだりしていました。

たまたまですがさっき言ってたサークル減らし、メイ増やし、コック増やしができてて偉いと思いました、、、

そのほか役割が薄くなった対空減らし、ブルーム安定起動を狙ったエルプリ→案内人への変更が見えますね。黄金都市ナーフ前から変わらず序盤からのテンポを重視した構築です。自然ドラゴンが増えてきて安定して勝ちづらくはなってきていましたが休息入りよりかは序盤のテンポで押し切る動きで勝てたりもしていたので環境には合った構築だったと思います。

また11月11日よりRatingが始まり、環境は目まぐるしく変わっていきました。開催当時は自然ビショップ、自然エルフ、自然ドラゴン、リノエルフの順に数が多かったのですが、日に日に自然ドラゴンの数が増え、それをメタった潜伏ロイヤルも少しずつ数を増やしていました。

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・ヴォジャノ沼の主

対自然ドラゴンの勝率を上げるためにピン挿しする構築がちらほら見えた。8t主9t主進化オムニスで18点削ることができる。 そもそも主単独ではリーサルに届かないことが多く、ピン挿しでオムニスと2枚手札に揃えるのはかなり要求値が高い。また、主を素置きできる時点で優勢であることが多くなくても勝てる。後攻だとほぼ置けず、置いたとして対面の9tでリーサルを決められることがほとんど。

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・無窮の輝石・カーバンクル

継戦能力を高めるために採用された。対自然ビショや自然エルフミラーに対して強い。本体を出さずとも最悪アクセラ利用でプレイ回数を稼ぐためにも利用することができる。対自然ドラゴンに対しても顔面進化を多く切れるようになるため全く腐る訳ではない。

・11月25日アディショナルカード追加〜12月13日アニエスナーフまで

アディショナルカード追加によって、カラト採用により単純強化となり依然tierGODの自然ビショップ、ティラノサウルスの採用により小回りの利く除去ができるようになった自然ドラゴン、神鉄圧練法により一気に実戦級になったアマツエルフ、神鉄圧練法まで採用される構築も見るようになったリノエルフが環境を席巻していました。

その中での自然エルフの立ち位置ですが、新しく登場したアマツエルフに対してはよほどの回りをされない限りは序盤の展開で押していける点と多く積まれている守護で蓋ができるため微有利以上の相性ではあったのですが、自然ドラゴンが小回りの利く小型除去を手に入れてしまったため、序盤の展開をいなされることが多くなりより不利な相性となってしまったため、若干向かい風の環境ではありました。それでもプライマルギガントという相手のリーサルを1コストでずらす強力なカードの追加によって各対面での耐久力が上がり、特に自然ビショップに対して互角以上と言えるほどになりました。

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休息3、プライマルギガント3、カーバンクル1とかなり持久力に特化しています。自然ビショップに強いのはもちろん、アマツエルフ、潜伏ロイヤルに対してもワンパンされない限りは回復が有効に働くので凌ぎ切れると判断した構築だと思います。ロングゲームを見越しているのにシヴァが不採用なのは置けるターンが限られていて他のカードとくっつきが悪いから、とかでしょうか。

・アニエスナーフ発表〜ナーフ後地方大会に向けての持ち込みの考察

12月9日、地方大会の前日である13日にナーフ実施という前代未聞の発表がありました。大会参加者はナーフ発表から4日で環境を予想しつつ、ナーフから18時間でデッキを調整しつつ確定しなければならないという過酷なスケジュールを強いられました。運営のあまりのいい加減さに困惑したものの、デッキの構築力調整力が試されるため、内心少しワクワクしていました。

ここからは地方大会に向けてどのような思考を元にデッキ選択、構築に至ったのかを述べていこうと思います。


私はナーフ後のbo3環境を以下のように想定していました。

自然ドラゴン60自然ビショップ40アマツエルフ30潜伏ロイヤル30

その他自然エルフリノエルフエイラビショップ自然ロイヤル40(%)

(1人で2つのデッキを持つので200%の割合で表記。60%は10人に6人が持つということ)

自然ドラゴン

自然ビショップの弱体化によりデッキパワー自体は随一で一番持ち込みが多くなると予想。ヴァイディが引けなくても試合を長引かせる力は十二分にあり、安定して勝てる。また、プレイ自体がナテラドロー→処理札orフォロワープレイの順番でほぼ一貫しているため、極端なプレイミスが起きにくく、長時間の大会に向いている。ただ、ミラー対決がヴァイディを引けるか勝負だと感じており、持ち込みは避けたかった。

自然ビショップ

アニエスナーフにより飢餓による1ターンの大量打点は見込めなくなったが依然としてパワーはあるデッキだと判断。ただナーフ後調整の不十分さから持ち込みはだいぶ減ると予想。

アマツエルフ

対自然ドラゴンのメタとして持ち込みがかなり多くなると予想。ブン回りをしなくてもある程度のターンに神鉄かアマツを引きさえすれば十分に有利がつく相性。上振れればどんなデッキに対しても勝てるポテンシャルはリノエルフに似たものを感じる。勝てるときは5〜6ターンで勝負が決するため脳のリソースを温存でき、大会には向いている。ただ安定はしない。アマツや神鉄がどうしても引けなかったときのアグロプランもあるがどうしてもパワー不足でやはり偏差が大きいデッキ。黄金都市ナーフ前の自然ビショップリノエルフの組み合わせのような絶対的なファーストデッキがあれば2回投げて勝つといった戦法も取れたが、ナーフ後環境にそのようなデッキはなく、持ち込みは厳しいと判断。

潜伏ロイヤル

自然ビショップに5分、自然ドラゴン、アマツエルフに対しては有利が取れ、環境的にかなり立ち位置が良く、持ち込みはかなり増えると予想。アマツエルフと違いキーカードのサーチができるのでプレイも安定する。ただ他のデッキとプレイの感覚が異質であるためかなりの練習量が必要。さらにミラー対面が多く発生することが予想され、相当の練習をしていないと厳しそう。

自然エルフ

自然ドラゴンに対しては相変わらずキツイが自然ドラゴンメタとして数が増えると予想されるアマツエルフ、潜伏ロイヤル、リノエルフに微有利以上、弱体化した自然ビショップに対してもプライマルギガントというリーサルを逃れる手段を得たため微有利がつくと判断。もちろん先攻ブン回りには対応できないがどのデッキにも幅広く対応できるため有力候補。自然エルフの数そのものは自然ドラゴンが増えそうなためそこまで数は増えないと予想。

リノエルフ

デッキパワーは健在で自然ドラゴンに圧倒的に有利がつくのはもちろん、パワーダウンした自然ビショップにも五分以上に戦えそうな気はする。ただリーサルターンがこのデッキよりも早いアマツエルフ、潜伏ロイヤルが増えそうな環境では向かい風か。特にアマツエルフはフェアリーの処理手段に乏しくかなり厳しい。

エイラビショップ

守護を多く積んでいるためアマツエルフ、潜伏ロイヤルに強く出れて、弱体化した自然ビショップに対しても有利が取れる。自然ドラゴンは不利対面だが、安息の領域を出せればワンチャンスある。環境の立ち位置としては追い風気味か。ただエイラか安息を引けていないと勝負にならないことが多く、手札の要求値は高い。

自然ロイヤル

アマツエルフ、潜伏ロイヤルに対して微有利がついており、環境としては向かい風か。自然ビショップや自然ドラゴンに対しても五分の相性。ただベイリオンかリオードは引けないとゲームプランが成り立たないため手札の要求値は若干高め。(ベイリオン全力マリガンで4tまでに引ける確率は85%)

各デッキはこんな感じで評価していました。持ち込むデッキの候補としては、自然ドラゴンはデッキパワーは一番であるものの、ミラー対面が不毛でありメタのアマツエルフ潜伏ロイヤルがかなり多くなると見て却下、潜伏ロイヤルはそもそも練度が低すぎて却下、リノエルフはアマツ潜伏ロイヤルが多い環境では向かい風のため却下、アマツエルフ、エイラビショップは手札の要求値が高くて安定して勝てないと判断して却下。よって候補を自然ビショップ、自然エルフ、自然ロイヤルに絞って調整を行うことにしました。

候補を絞ってからはいつもまず、2デッキの組み合わせで苦手なデッキが被っていないかを確認するようにしています。苦手なデッキが2つ以上被っていると対面しただけ詰む可能性があります。

例えば現環境で自然ドラ、自然ネクロマンサーというデッキ選択をした場合、二つのデッキがどちらもアマツエルフを潜伏ロイヤルを苦手としているため、アマツエルフ潜伏ロイヤルという組み合わせが対面になった時勝ち抜ける確率が極端に下がってしまいます。アマツ潜伏ロイヤルという組み合わせは自然ドラゴンメタとして十分考えられる組み合わせであるため、この環境では自然ドラ自然ネクロという組み合わせは避けるべきでしょう。

さて今回の場合、

自然ビショップ  自然ドラゴン自然エルフが微不利

自然エルフ 自然ドラゴンが不利

自然ロイヤル 自然エルフが不利

と認識していました。自然ビショップを調整した結果、思ったよりも弱体化しており自然ドラゴンに微不利がつくことが予想され、持ち込みが多いであろう自然ドラゴンに不利がつく自然ビショップ自然エルフの組み合わせは避けるべきだろうと判断しました。

という訳で自然ロイヤルが確定、その相方決めにまず時間をかけることに。9〜11日にかけてナーフ後想定の自然ビショップを調整し、神鳥、安息、ウィングナイト、イミナ、フェザーダッシュと様々なカードを起用し調整しましたが、どれもしっくり来ず、ビショップの環境での立ち位置を決めるには不安が大きすぎました。それよりも3ヶ月間触ってきて練度もある程度自信があり、各対面に対するゲームプランもしっかり見えている自然エルフを選択することにしました。

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ちなみに自然ロイヤルの構築はこんな感じ。意識した点は2コス無視でベイリオンをマリガンで全力で引きに行くため2コスを厚めに取った点と、対自然ドラゴンの勝率を向上させるために二刀流3枚採用、それに付随して余った二刀流や案内人ハルバートを他カードに変換する兼ベイリオンを無理やり引きに行くドローソースとしてエルネスタピン採用です。

アニエスナーフ後を想定した自然エルフの構築

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私が今回地方大会、JCGに持ち込んだ構築です。

仮想敵として、まずアマツエルフ、潜伏ロイヤルに対して自信を持って投げられるように構築しました。序盤の盤面形成の安定を特に重視し、守護もふんだんに採用しています。また回復札を入れることで対面のゲームプランを崩すことも意識しました。

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あまりに基本すぎる確定枠たち。序盤の盤面展開、豊富な処理札、疾走でリーサルを決めるという自然エルフのゲームプランには欠かせない子達。よほどのことがない限りここから枚数を削るということはしないほうがいいと思います。

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採用候補カード一覧。ここから仮想敵を意識しつつ選択していくことになります。

・序盤の強力な盤面展開を作るカード

アマツエルフや潜伏ロイヤルは処理にコストを使わせて一度受けに回らせるとリーサルターンが一気に遠のきます。運命の泉を置く隙を与えず邪剣を使わせるみたいなことですね。序盤から強力な盤面を作ることを意識したカード採用をします。

荒野の案内人 ×3

案内人を3枚採用することで2tに安定して2/2/2を置くことができるようになる他マリガンでブルームをキープすることを正当化できます。特にブルーム展開はアマツエルフ潜伏ロイヤルに対して好き勝手な動きをさせない是が非でも狙って行きたいこのデッキの勝ち筋の一つであるため、終盤腐りやすくなるとは言え案内人3枚採用の価値はあると考えています。

清き泉のエルフプリンセス・メイジ ×2

2/2/2として序盤の動きを安定させる他進化で手に入れたウィスプが愛の奇跡やオムニスを補助する。8tオムニス、8t愛の奇跡ではこの環境では間に合わないことが多く、6tマナ(ベイル)ウィスプ愛の奇跡、7tウィスプオムニスは優先して狙っていきたい動き。1回進化を切れればいいため2枚採用。

ワンダーコック ×2

先攻時手札枯渇を防ぎ継続的に盤面に圧をかけ続けるためのカードです。このカード自体のスタッツは低いため盤面ロックされる原因にもなるため安直に投げるのは危険です。特に後攻ではこのカードを投げる余裕はアマツ、潜伏対面では無さそう。

・相手のリーサルを防ぐカード

シヴァ ×2

煌刃の戦士・ベイル ×3

豊饒の闘士・アイリーネ ×3

まず守護フォロワーについて。巷では枠の無さからシヴァや事故率軽減のためにベイルが減らされている構築も見かけますが、かえってデッキパワーを落としていると感じます。特にアマツエルフ、潜伏ロイヤルに関しては打点20点ギリギリでリーサルを狙うデッキなので1枚守護を置くだけでも大幅にゲームプランを狂わすことができます。守護で対面のリーサルを1〜2ターン伸ばし、その間に守護裏のフォロワーで殴り続け最後に疾走で勝つというのが大きな勝ち筋であるためここは削れないと判断しました。アイリーネも進化権こそ必要なものの、盤面処理をしつつ守護をたてる動きは非常に強力。処理をされなければ顔面を8点削れるので相手に処理強要ができる点も偉いです。

荒野の休息 ×1

プライマルギガント ×1

回復カード。主に相手のリーサルターン直前に使いリーサルをズラす目的で使います。特にアマツエルフと潜伏ロイヤルは20点ぴったりで打点計算しリーサルを狙ってくるので一枚打つだけでも相手のプランを崩すことができます。あくまで相手のプランを崩すために使うので途中でプレイ稼ぎの手段として打ってはいけません。本当はギガントを2枚採用したかったのですが、1試合に2枚は打つ必要がほぼなく、2枚手札に来ると手札事故、手札枯渇の原因となるので泣く泣く休息とセットでピン採用。

・相手の勝ち筋を消すカード

回帰する抱擁・ラティカ ×2

もともと1枚採用でしたが、大きくなったリオードに対する回答が欲しくて2枚に増やすことに。メイメイで処理する手段もありますが、事前にメイを1枚回収あるいは素引きする必要があり要求値は高いです。もっとも、後攻だと後5で出しても対面の先6に二刀流を打たれてリーサルを取られることもありますし、完全回答とは到底言えません。あくまで保険としての採用でした。また、アマツエルフ対面ではラティカが出せるターンにはアマツが起動していて守護張りが必須であることも多いので後攻では腐り気味でした。最後まで悩んだ1枚です。

こんな感じで40枚が完成しました。今回はアマツエルフと潜伏ロイヤルにのみ言及していますが、自然ドラゴンに対しても強く出れる前よりの構築だと思います。もちろん不利であることには変わりませんが、、


大会結果

以下に私が地方大会とJCGで対面した方のデッキを記載します。

・12月14日和歌山地方大会 0−2

潜伏ロイヤルアマツエルフ

エイラビショップアマツエルフ

・12月15日大阪地方大会 0−2

潜伏ロイヤルアマツエルフ

潜伏ロイヤルリノエルフ

12月14日JCG 決勝トナメ3位タイ

リノエルフ潜伏ロイヤル

エイラビショップAFネメシス

レヴィオンロイヤル 自然ドラゴン

自然ビショップレヴィオンロイヤル 予選決勝

アマツエルフレヴィオンロイヤル 

エイラビショップ潜伏ロイヤル

自然ビショップ自然ドラゴン 決勝トナメ準決勝


より仮想敵が多かった地方大会で結果を残せなかったのが悔やまれますが、対面予想は当てることができましたし、それに即したデッキを持ち込めていたことは自信になりました。オフラインで緊張してかは分かりませんが普段しないようなプレイをしてしまったり、プレミもかなりあったので、次は構築を作り上げてから仮想敵との対面をより練習し、プレイの精度を上げていこうと思います。


来期自然エルフ展望

最後にリリース前ではありますが、来期アルティメットコロシアム環境の自然エルフの所感を述べて終わろうと思います。あくまで予想なので環境初日で外れる可能性もありますね。その時は自分で振り返って笑おうと思います。

来期、環境デッキとして名を上げそうなのは、

特に強化はもらっていないが守護環境でも問題なくバーンダメージを与えることができ、相変わらずパワーが高い自然ドラゴン

ウィルバード、フェザーサンクチュアリ何かしらは採用されて打点が補充され微強化が見込める自然ビショップ

遅延しているだけで盤面デッキには勝てる守護エイラビショップ

構築の幅が無限大のギンセツ自然ネクロ

可能性の塊式神スペルウィッチ

疾走と一閃供給が1枚で完結するとんでもパワーカードをもらった自然ロイヤル

こんな感じかなと思っています。かなり守護が多い環境なので打点がギリギリな(リザ、ざわめく森ローテ落ち)リノエルフ、アマツエルフ、(飢餓、邪剣ローテ落ち)潜伏ロイヤルは厳しいのではと考えています。

こういった環境での自然エルフの立ち位置を予想していこうと思います。


純自然エルフでカード単体で見て影響があるのは、ベイルローテ落ちによる守護の枚数減少と盤面押し付け力低下、スピリットシャイン採用によるプレイ回数関連カードの強化、コッコロのドロー強化あたりでしょうか。

ベイルローテ落ちの影響

守護の枚数が減り、疾走デッキに若干弱くなった他、オムニスベイル、ベイル愛の奇跡のような6〜8tに1ターンで処理不可能な盤面を押し付けるような動きができなくなりました。特に対自然ドラゴンは10PP伊達の前のターンに盤面を押し付けて勝つのが唯一の勝ち筋とも言えるくらいだったのでより不利な相性になったと言えそうです。同様に早期ターンにリーサルがあるリノエルフ、アマツエルフ、潜伏ロイヤルにもリーサルターンの前の盤面押し付けがかなり有効でしたが来期はこのデッキ達はあまり見かけなさそうではあります。盤面押し付け力が弱くなったことにより、リーサルターンが遅れ、プライマルギガントの本体効果を生かすプレイが重要になってくるかもしれません。
また守護の枚数減少で直接影響しそうな対面の疾走デッキに対してですが、対面の疾走が走る前に決め切る、守護の枚数を増やす、回復の枚数を増やしてロングゲームに持ち込みプライマルギガントの本体効果のパワーで押し切るといったことが考えられます。

早期リーサルを強化する札として、アーボリストライラ、リナ&レナ、神鉄圧練法あたりは候補になるでしょうか。特に神鉄圧練法はスピリットシャインの採用が濃厚であることから処理札としても、リーサル札としても使いやすくなっているとは思います。

守護の追加としてはエルフガード、アマツの採用が考えられます。エルフガードはプレイ回数を稼ぎつつコスト以上のスタッツを並べられるのが優秀で1〜2枚の採用であれば無理なく採用できる範囲です。
アマツはスピリットシャインが3枚採用されるのであればフェアリー疾走付与こそ厳しいものの3/3/4守護以上の効果は無理なく発動しそうなので、守護運用、スタッツ押し付け運用としては試す価値はあると思います。
一応今期でも地方大会の上位入賞者でアマツ入り自然エルフのリストは見たことがあります。

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回復札としては荒野の休息、プライマルギガントの枚数を増やせそうですね。特に環境が後ろ寄りになるのであればプライマルギガントの本体利用でリーサルを決めるプランも増えそうなので2〜3枚採用は全然ありそうです。

スピリットシャインの採用

スピリットシャイン

1コス2プレイかつ1コスカードが2枚手に入るが革命的なカードです。マナが強いんだから弱いわけないです。場にナテラがあればこのカード単体で4tにメイが出せます。

使用例
4tスピリットフェアリーフェアリーメイ
4tスピリット愛の奇跡
6tスピリットフェアリーフェアリーアイリーネ無料進化
7tスピリットバフ愛の奇跡

マナが絡めばさらに強力なプレイができますね。
また、フェアリーを生成することからアマツやラティカのバリューも上がります。
自然エルフはこちらが受け身になると対面の横展開に弱いため、守護が複数並ぶ環境なのであればこのカードと合わせてアリアの旋風も採用候補に入るかもしれません。3コス〜2点〜AOEと手軽かつ強力なカードになりそうです。

コッコロの採用

コッコロ

自然エルフにおいてはほぼほぼ2ドローが見込めつつ、終盤も腐りにくくユニオンバーストがリーサル札にもなり得るかなり優秀なカードだと考えています。このカードの採用でワンダーコックが抜けるかもしれません。このカードよりワンダーコックが優秀なターンが3tくらいしかなく、1コス下がっていることでワンダーコックでは若干しにくかったメイを絡ませたプレイもしやすくなっています。
先ドローが出来ないという懸念点はあり、先を見越したプレイが問われそうです。

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という訳でこんな感じで組んでみました。前寄りの構築は意識しつつもプライマルギガントの本体利用で終盤も戦えるようにしてみました。ベイルによる盤面押し付けができなくなり7tフルオムニスのパワーがより重要になってくるため、エルフプリンセスメイジは来期も外せない枠になってくると思います。スピリットシャイン、コッコロ、アマツ、ラティカあたりが可変枠で、いったんスピリットシャイン3投の使用感をみていたいです。

おわりに

ここまで読んで下さった方本当にありがとうございます。今期の歴史を振り返っていたら長くなってしまいました。自然エルフというデッキは構築の幅も非常に広くプレイも様々な分岐があり、握っていて本当に楽しかったです。来期も環境入りしてくれることを願いながらこの記事を終わろうと思います。ここをもっと詳しく聞いてみたい等ご意見ありましたら是非ご連絡いただけると嬉しいです。感想もお待ちしております!








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