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vol.4 不実な恋愛の行く末…

家族として周りから認識されるほど私達は毎日、毎週を5人で過ごしていた。
私自身も一緒にいる時はその認識と違わない意識でいたのだからおかしくはないだろう。

旦那の外泊 そして呼び出し

この日もLINEの連絡が続いていた。
愛してる、会いたい、一緒にいたいなんて言葉は既に私達の間に飛び交うコミュニケーションとなっていた。
朝の通例行事も毎日のこと、帰りのちょっとした会話、外食も楽しんでしまっていたが、こんな誘いが来るだなんて思いもしていなかった。

-今日からまた外泊なんだってさ。本当に自由過ぎて嫌になるよ-
-まぁ彼女がいるならそっちで楽しみたいって気持ちになるんじゃない?-
-だったら結婚なんてしなきゃいいのにね-

他愛もない愚痴の連続の中、私はそろそろ眠ろうと布団に潜り込んだ。
彼女からの愚痴は止まることがなかったが、最近ではそれが私の眠りを誘う子守唄のようになっていたのだ。

-ねえ、ちょっと話さない?-
-いいよ。-
-じゃあ待ってるね💋-

私はイヤホンをつけ電話を掛けた。
すぐに彼女が出たが、何だか不満そうな声だった。

「どうしたの?」
「電話じゃないよぉ。ちょっと出てこない?」
「23時だよ?」
「そうだけど、会って話したいのに…」

車で5分と離れていない距離に住んでいるので、会いに行くのは造作もなかった。
正直私も会いたい気持ちはあった。
子供達は眠ってしまっているし、私の両親も同居しているので子供達の心配は必要なかった。

「ちょっと出て来る。」
「遅くならないようにね。」

明日は休日だし、ちょっとした外出はよくしていた。
だが、女性に会いに行くなんてことはこれまで一度としてしてこなかった。

彼女の家に着くと、なぜか外に彼女が待っていた。

「どこか行くの?」
「娘は姉の家にお泊まりで私1人なの。
ちょっとドライブしよ?」

話しにきたつもりだったのだが、ひょんなことからデートへと発展してしまった。
街中を走り楽しく会話をしながら時間を過ごしていたが、ふと信号待ちで彼女がキスをせがんできた。
私もそれに応え、気分は10代に戻っていた。

「ねぇ、私ってそんなに魅力がない女かなぁ?」
「何言ってるの?俺は好きだよ?」
「でも何件もホテルの前走ってるのに入ろうとしないから…」

鈍感だという自覚はない。
抱きたくないわけではないし、そんな期待をしないわけではなかった。
だが、彼女からそんな風に言われるとは夢にも思っていなかった。
「俺は不倫をする気はないよ?結婚相手とであれば毎日でもしたい。
でも、まだ結婚するって意思は聞いてないからさ。」
「私でいい?」
「むしろ俺でいいの?」
「…結婚したいです。」

彼女は離婚して俺の元へ来るという意思をこの時初めて明かしたのだ。
繋いだ手を強く握り直し、私はホテルへ車を走らせた。

満室…

金曜の夜、どこのホテルも満室続きで半ば諦めムードが車内に広がっていた。
さすがに眠気も出てきていたので、彼女の家の側にある郵便局の駐車場に車を止め休むことにした。
もっと近くにいたいと思い、私達はセカンドシートに移り肩を寄せ合っていた。

「みんな満室だったね。」
「休み前だもんね。出遅れちゃった。」
「でもこんな時間に一緒に居られるだけで俺は嬉しいんだけどね。」
「…私はしたかった。」

シングル期間が長い私の身体を反応させるには充分過ぎる口説き文句だった。
彼女と唇を合わせた時点で猛る気持ちを抑え込むなんて理性の強さは私にはなかった。
広過ぎるセカンドシートはシングルベッドと然程広さも変わらない。
彼女のブラウスのボタンに手を掛け、あっという間に彼女の身体は顕となった。
激しく舌を絡め合う私達は、ここが車内だなんてことは頭になかった。

小振りの胸が私の掌を吸付ける。
ピンと突き出した乳首に触れる度に身体を仰け反らせる彼女に魅力を感じないわけがなかった。
首筋に、胸元に、臍元にと舌を這わす私の頭を彼女は抱き締めて声を漏らしていた。

「こんな気持ち…」

夫婦生活が冷め切っていた彼女は、こんな愛撫だけで下着を汚してしまっていた。
スカートをたくし上げ下着を取り去ると、そこには欲望の塊が溢れ出してしまっていた。
そっと舌を這わすと、これまでにないほど私の欲望が膨らむのが分かった。
いつまでも味わっていたい。そう思うほど甘美な味が、芳りが私の脳を侵していった。
彼女もそれと同調するように力強く私の頭を押さえ付け、自分の陰部に広がる快感を抑え切れずにいた。

彼女の口元に戻り、私は指を彼女の中へと滑り込ませ愛撫を続けた。
淫美な音が車内に広がる。
吐息混じりに、荒く呼吸をしながらも私の舌を求める彼女は既に女となっていた。
噴き出す欲望を止めることもできず、フロア一面を水浸しにしていることにも気付かずに私を求める彼女に私は応えていた。

「挿れて‼︎」

絡めていた舌を解き、ようやく口にした言葉が私を求める言葉だったことに、私はその欲望を全て彼女に注ぎ込んでしまったのだ。

不倫

私の中ではこの似つかわしくない言葉は存在していなかった。
愛し合う2人が、結婚を前提としている2人が婚前交渉をしている。
この認識でしかなかったのだ。
求め合う2人が、その欲望を事もあろうに車内で結びつけてしまった。
初めて肌を重ねたのが車内だったなんてことは今までになかった。
そんなぞんざいな扱いをするつもりはなかったのだが、タイミングとは怖いものだ。

私が果てることはなかった。
子供を増やすという気がなかったのだ。
彼女が満足している表情を見ていただけで心が満たされてしまっていた。

「もう遅いし、そろそろ戻ったほうがいいかもね。」
「こんなに乱れたの初めて…」
「凄い乱れ様だったもんね。」
「このまま温もりを感じて眠りたい。」
「うん、でもさ…」

私はフロアのゴムマットを彼女に見るように促した。
そこには、彼女が噴き出してしまった水溜りが波を寄せていた。

「こんなこと…今まで一度も…」
「そんなこともあるさ。」

服の乱れを直し私は水溜りの処理をして、その間に彼女は助手席へと移っていた。
運転席へと戻り、熱く舌を絡めてから彼女を家に送ることにした。

「本当に私でいいの?」
「いつまでも愛し合えるなら、俺は他を望まないよ。」

彼女の喜んだ顔を今でも覚えている。
私が帰宅したのは既に2時を過ぎていた。
帰宅したことを彼女に連絡すると、
-あんなSEX今までにしたことなかった。いつまでもあんな風に私を愛してください-
という返事がきた。

背徳な気持ちは一切なかった。
ただ愛に耽っていた高揚感に微睡みながら私は眠りに落ちていった。

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