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夢with You

思えば私の思い出の曲は、ドラマの主題歌になっていた曲が多いです。
好きな曲を語るとき、ドラマと切り離すことができません。
記憶を辿りながら、ドラマのストーリーと共にそんな思い出の曲をご紹介します。

今日の一曲は、「夢with You」
この曲、誰の曲か分かりますか?
40代なら記憶にあるかもしれませんね。
20代は知らないな?

▽▽
正解は、久保田利伸。(実は、もう一人正解があります)
1993年に放送されたドラマ「チャンス!」の主題歌です。

主演は、三上博史。三上博史演じる歌手「本城裕二」は、人気絶頂のさなか突然渡米してしまいます。そして2年後日本に戻ってくると、悲しいかな世間はすっかり彼のことを忘れ去っていました。

新任のマネージャーのもとで再起をかける本城でしたが……
小さな仕事しかなくプライドが高い彼は、行く先々でトラブルを起こしてばかりです。

新任マネージャー「白金葵」を演じたのが、西田ひかるでした。マネージャーとして業界3年目の彼女は、不器用ながらいつも前向きで一生懸命。可哀そうなほど本城に振り回されますが、彼の音楽に対する姿勢に心をうたれ本城を支えていくことになります。

本城は彼女を「ポンタ」と呼んでいましたが、実は彼が昔飼っていた犬の名前なんだとか。彼女のことをからかいながらも、なんとなく愛着を感じていたのではないでしょうか?

ドラマの中で、三上博史も本城裕二として「夢with You」を歌っています。
もう一人の正解は、本城裕二です。覚えていましたか?
本城はストレートな歌い方で、男の色気が滲みでています。
「久保田利伸よりも本城裕二が歌う方が好き!」という人も多かったですよね。

久保田利伸バージョンは、久保田ワールド全開。
ファンキーというと軽く聞こえてしまうかもしれませんが、独特なためを含んだ歌い方には本城とは違う魅力があります。
ドラマ以外にも歌番組で聞くことがあったおかげで、ドラマと切り離して曲を楽しむことができるのもいいですね。

そして忘れてはならないことがもう一つ。
この曲を聞くと「ある言葉」が思い浮かぶ方も多いのではないでしょうか?
そう、本城の口癖のあの言葉です。

「小さくまとまんなよ」
粗削りでも自分の道を突き進め、大きな夢を追いかけろ!
(そんな意味でしょうか?)
自分の信念を貫く姿は、かっこよかったです。

世間には忘れられていた本城ですが、音楽の才能は一流。その才能を高く評価していた一人が、本城のバックバンドから歌手になった、東幹久演じる「日向麗太」でした。

日向は、今や売れっ子。人気を鼻にかけることなく、誠実で礼儀正しく周りからの受けがいい好青年です。ですが自分に自信を持てず悩みを抱えているという一面も。そんな彼は、自分の心のままに生きる本城とは馬が合わず、反発していました。ですが本城に憧れ業界に入っただけに、彼の音楽の才能を誰よりも認めていたのも彼でした。

相変わらずワガママし放題の本城。ですが真っ直ぐひたむきに頑張るマネージャーの姿に、少しずつ変化が訪れていきます。

そして「夢with You」が生まれます。
歌詞の一部にこんな言葉があります。

激しく流れる からだ中の愛が
抱きしめてるよ 君を
原色の夢を 不器用な夢
雨の朝も 悲しい季節も
信じ続けて with You

特に「原色の夢」「不器用な夢」という表現が好きです。
混じりっけのない純粋な夢。それは決して器用な夢ではないかもいしれません。

やり手ではないながら本城の成功を信じている、葵の夢に重なりました。
本城自身の中にもある、ピュアな部分とも重なっていたのかもしれません。
本城と葵、お互いを信じる気持ちから生まれた曲でした。

昔は、この歌詞にちょっぴり自分の夢を重ねていました。
「小さくまとまんなよ」と言い聞かせていたのが懐かしいです。

【参考:Wikipedia】