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幸せのかけら ~18.この学年だけの甲子園~

心にほっこりとぬくもりを
日常の小さな幸せを探してみませんか?

インターハイも甲子園も中止。
高校3年間の集大成ともいえる大会が失くなってしまった。
新たな感染症との闘いの中で、リスクを考えるとやむを得ない判断なのかもしれない。・・・・・・かといって、簡単に割り切れるものでもない。

関西に住んでいることもあり、高校球児の熱い闘い「甲子園」は、春と夏の風物詩。しっかりと生活の中に組み込まれている。
毎年大会期間中は、朝からテレビをONにして、夕方まで中継を楽しんでいる。気になるチームを応援するために球場に足を運ぶことだってある。

私の場合、野球の試合を楽しむというよりも、甲子園にかける学生たちのドラマに一喜一憂している。
球児はもちろん、応援の吹奏楽や家族のドラマにも感動がある。
OBやOGさらには、その町、都道府県をあげての大応援団、球場を埋め尽くすあの一体感は、甲子園ならではのものだ。

野球がとりわけ好きではない私でさえ、甲子園は格別。
夜はテレビで「熱闘甲子園」。
気になるチームがあればネットの記事をチェック。
甲子園の時期だけは、俄か野球ファンになっている。
私でさえ、こうなのだ。

当の高校球児にとっては、特別な夢の舞台であり、人生を懸けた目標であったに違いない。
仲間と憧れの舞台を目指して、白球を追い続けてきた若者たち。
プロへの道を目指し、親元を離れて努力してきた若者たち。
一人一人の目標は違うけれど、ひたすら「甲子園」に向かっていた彼ら。

そんな彼らが、目指していたものが失くなってしまった。
闘かって夢に届かなかったのではなく、夢の舞台そのものが消えてしまったのだ。

今、どんな思いでいるのだろう。

心に空洞ができてしまっているのでは?
自棄になっていないだろうか?
泣いたって喚いてもいい。
簡単に気持ちを整理することなんて、できるはずがない。

そんな彼らに、私たち大人は何ができるのだろう。

各自治体が、都道府県レベルで大会を開催する動きが出てきている。
突然失った目標に代わるものがあれば、気持ちを整理していけるかもしれない。
自分たちの今までしてきたことを発揮する場があれば、きっと次へのステップに繋げていけるに違いない。

さらに希望を言えば、
今の段階では、県をまたいでの大会は難しいかもしれない。
しかし6月からは、休業要請が大幅に緩和される。
もし状況が好転すれば、都道府県の覇者が集まっての地方大会。
さらには地方大会の覇者による全国大会を開くことはできないだろうか?

例年のように各都道府県の代表が、甲子園に一堂に会することはできない。だが例年のような対応ができないからといって、全面中止ではなく柔軟な発想力で今できることを探っていけないだろうか。

ワクチンができるまで、私たちはこのウイルスと生きていかなければならない。何もかも駄目ではなく、リスクを減らす方法を考えながら「今できること」を見つけていけないだろうか?

今年の高校3年生のための、特別な甲子園
その可能性が残されていると信じたい。