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幸せのかけら ~14.夢の続き~

心にほっこりとぬくもりを
日常の小さな幸せ?を探してみませんか?

朝起きるとよく覚えていないのですが、
夢の中で、幾度となく訪れる場所があります。

どこなのかはっきりと分からないのですが、確かに知っている場所です。
幼い頃遊んだ近所の公園のような、一度か二度見学に行った大学のような。夢の中で「この場所知ってる、何回か来たことがある」そうつぶやいている自分がいます。

しかしそんな感覚がある時ほど、決まって最後は走る羽目になるのです。
そして走れば走るほど、体が重くなりちっとも前に進まなくなります。
逃げたくて必死なのに、ちっとも前に行くことができないのです。

この間見た夢もそうでした。


どこかの学校の一室で、知人とたわいもないお喋りをしています。
なんと言うこともない穏やかな日常です。
ですが、初めて訪れた場所だったはずなのに、体のどこかが「知っている」と信号を送った瞬間、恐ろしい展開が甦ってきたのです。

このあと、穏やかな日常が一転して、悲劇が起こります。
大勢の人が押しかけ何かに憑りつかれたように襲いかかってくるのです。
その光景が、突然見えてしまったのです。

「ここにいてはいけない!」
そう思った瞬間に、今度は時間が巻き戻されます。

この建物に入れば、命が危ないことはわかっています。
ですから建物に入らず進み続けました。
進んだ先には、屋外の巨大プールがありました。
アスレチックとプールが一体となった、遊興施設です。

そこには、大勢の人たちがいます。
この人たちが後に襲いかかってくるのでしょうか?
とはいへ考えても答えは出ません。

周りが親子で楽しんでいるのを尻目に、ひたすら逃げることを考えます。
まだ今なら、助かるかもしれませんから。

高台の滑り台の一番上に上り、遠くに行く経路を確認します。
誰かが見張っているかも知れませんから、なるべく目立たないように「さも遊んでいます」と思われるようにしなくてはいけません。
この滑り台を滑りきり、その勢いで外に駆け抜けることができる!
迷っている暇はありません。
逃げよう!

滑り台を滑り、その勢いのまま走り続けます。
ただひたすら走ります、行けるところまで。
プールから出ることができました。
でも安心はできません、もっと遠くへ逃げなくては。
目の前に電車の駅が見えてきました。
電車に乗れば、遠くに行くことができるでしょう。
もっともそれができたとしても、監視の目から逃れることはできないでしょうが…
ほんの気休め。一時の時間稼ぎにすぎないことはわかっています。
それでも、あのゲートをくぐれば希望が見えてくるような気がするのです。

ですが、肝心なところで急に体が重くなってきました。
足が思うように動きません。
急げば急ぐほど、沼にはまっていく感じです。
「行かなきゃ、前へ!なんとしても」


と、ここで目が覚めました。
果たしてこの逃走は、いつかまた続くのでしょうか?
そしてその先には、どんな未来が待っているのでしょう。