【第6回】1位のデッキから考察するデュエルリンクス環境の歴史

こんにちはのんのんです。同タイトルでYoutubeにて動画投稿をしていたのですが、諸般の事情(そもそもPCがないなど)により現在動画作成が不可能なため、とりあえず続きをブログでやりたいと思います。ゆっくり霊夢・魔理沙ファンの方々ごめんなさい。PCが出現したら必ず全記事動画化しますのでそれまでは文字と画像だけでお楽しみください。

さて、2018年2月に開催された第3回KC杯は突出したパワーを持つデッキがなく、複数のデッキが群雄割拠する、稀に見る良環境の大会でした。今回考察するのはその後、4月の第4回KC杯までの環境です。早速デッキ紹介に参りましょう。今回1位をとったデッキはこちら

(多いな……)
ご覧の通り、今回1位をとった方は複数のデッキをメタによって使い分けていました。それだけメタの回転が速かったのが第4回KC杯の特徴です。では、どのような環境からこんな超高速メタ回転が生まれたのでしょうか、カードプールの変遷とともに考察していきます。

前回のKC杯終了後、第10弾メインボックス Abyss Encounters が実装されました。パッケージモンスターは「ウォーター・ドラゴン-クラスター」です。この時期にクラスターはまずい。

このパックによって、
・デーモン
・シーステ
・エーリアン
の3デッキが環境に登場します。デーモンデッキは、

「ジェネシス・デーモン」や「ヘル・エンプレス・デーモン」を

「デーモンの呼び声」や「デーモンの雄叫び」で蘇生して、除去からの高打点で盤面をとっていきます。呼び声とジェネシスが揃うと毎ターン蘇生して除去ってくるので非常に厄介なデッキです。
シーステデッキは

「城塞クジラ」と「潜海奇襲」をメインギミックとします。
この二枚の制圧力はとんでもなく、決まってしまえばなす術なくやられることも多々ありました。下級モンスとして採用された

「アビス・ソルジャー」のバウンス効果もかなり優秀でした。
エーリアンデッキは上記2デッキのような派手さはありませんが、高いビートダウン性能を持つことと、この

「「A」細胞組み換え装置」がとにかく優秀で、しかもメインギミックが全て低レアリティなため、強くて安い、プレイヤーに優しいデッキでした。迂闊にモンスターを立てると組み換え装置を使われてサーチされた挙句打点を下げられボコられるため、エーリアンの可能性がある対面ではちょっと気をつける必要がありました。

新パック配信後には新イベント「デュエルアイランド」が開催されましたが大したカードもなかったので省略します。

さて、続いてはストラクチャーデッキ「運命を制すもの」が販売されました。

その名の通りエドのテーマ、D-HEROのストラクです。実装直後は展開力はあっても打点がネックで、環境で活躍することはありませんでしたが、のちに大暴れします。

GXワールドでは丸藤翔がイベントで登場します。ロイドテーマのカードを提げてきたのですが、

ドロップカードとしては特にこれら2枚が実用的でした。「サブマリンロイド」は今でもバーン系デッキに採用されています。

翔の後には世紀のク○イベント、「異次元の塔」が再び開催されます。今回は風と地の章でした。例によって大したカードは実装されなかったのでこちらも割愛します。 

次のパックは第10弾メインボックス Rampage of the Forest、パッケージモンスターは「究極変異態・インセクト女王」です。

このパックは「リンクス史に残る」と言っても過言ではない大問題児だったのですが、それを今から説明します。
まず、このパックで「森羅」デッキが組めるようになりました。森羅はデッキからカードを墓地に落としていって、落とされたモンスターの効果が発動するというテーマですが、

「森羅の影胞子 ストール」のリバース効果によって森羅カードを落とせば、複数の効果を一度に発動でき、「薔薇恋人」と「にん人」を落とせば上級モンスターを一度に複数展開できました。森羅はパワーも安定度も非常に高く、デュエルスピードも超速かったので、一気に環境トップの名を恣にしました。もちろんランクマなどにはこのデッキが蔓延し、デュエルでは先行モンスセットエンドをされるだけでとても嫌な気持ちになりました。

そしてこのパックにはリンクス界最強魔法カードのうちの一つ

「局所的ハリケーン」が実装されていました。局ハリは登場時から今に至るまでずっと使われ続け、多くのデュエリストに希望を与えると同時に、彼らを絶望に叩き落としたカードです。このカードに何度泣かされたことか……これをお読みになっている皆様には言わずもがなだとは思うのですが、このカードは
1. LP4000のくせにデッキパワーが高く、1ターンキルが容易
2. モンスター効果による妨害がほぼできない(妨害や防御は魔法罠頼り)
3. 手札誘発が乏しい
というリンクスの環境においては、比類なき強さを誇りました。局ハリについて語りたいことはたくさんあるのですが、ともかく森羅デッキ、局ハリがリンクスに登場し、環境は大きく動きました。

イベントには「本気の杏子」が登場し、「天罰」を組み込んだ「天使パーミ」デッキが生まれましたが、そこそこ強かったものの環境に影響を与えるほどではありませんでした。

続いて、ヨハンがプレイアブル化します。「究極宝玉神 レインボー・ドラゴン」などの登場により、「宝玉」デッキが誕生しますが、こちらもそこまで強力ではありませんでした。もちろんGXのアニメ人気がありますから、ランクマなどで一定数見ることはありました。

さて、再び新ストラクが配信されます。今回は「竜と騎士の魂」

ドラゴンとそのサポートで構築されたデッキですが、正直そんなに強くなく当時でさえ使っていた人がいたかどうか怪しいほどです。(このストラクが好きな方マジでごめんなさい)

KC前最後のパックは第11弾メイン Valiant Souls、パッケージは「E・HERO プラズマヴァイスマン」です。

KC杯直前ではありますが、このパックにより再びtier1のテーマが生まれました。まずは

「M・HERO 闇鬼」「マスク・チェンジ」を軸とした「M・HERO」デッキです。先述のD-HEROのストラクと組み合わせたこのデッキはとにかく闇鬼のカードパワーが高く、下級D-HERO+マスクチェンジだけで相手のモンスの上からワンキルをとれてしまいます。いくつかデッキタイプがありましたが、融合と組み合わせたタイプが安定感もあり最強だったと思われます。余談ですが、この頃の闇鬼はダイレクトアタックに聖杯をチェーンするとダイレクト時の半減効果が無効になり、3200ダメージを相手モンスターを無視して与えることができました。やばい。
続いては「ギアギア」デッキです。

これらギアギアモンスターを「同胞の絆」で一気に展開し、対象を取らない破壊で盤面をスッキリさせてキルを取ります。「パルス・ボム」を難なく採用できるため防御も硬く、かなり強力なデッキタイプでした。
今回のパックは上記の2テーマが収録されていだだけではなく、汎用カードも優秀なものが多く、結構お得なパックだったように思います。モンスターとしては

「カラクリ忍者 参参九」や「V・HERO ウィッチ・レイド」
魔法罠では

「バージェストマ・カナディア」や「ダブル・サイクロン」が長く使われていました。特にカナディアは今でも採用率Topクラスの罠カードです。

主なイベントやパックのカードは以上ですが、今回の期間はトレーダーにもそこそこ優秀なカードが追加されたのでまとめてご紹介します。
まずはアロマ系カードです。

これらなどテーマカードの登場でアロマデッキが組めるようになりました。そんな強くなかったです。
続いて「俊足なカバ バリキテリウム」

ヘイズなどに主に採用されました。
最後は「鏡像のスワンプマン」

罠から出てくる1800打点は結構優秀でした。 

さて、前回KCから今回までの環境はこんな感じになります。新リミットやスキル変更もありませんでした。いつもならここからKCの環境デッキをまとめるのですが、今回は1位が全ての環境デッキを使っていたので(スキルは少し違うが)、環境の変遷だけ説明していきたいと思います。
まず今回のKCでは
・M・HERO/リスタート、Dドロ
・森羅/リスタート
・機械天使/バランス
を中心にメタが回っていました。この中でも他2デッキに強くでれるHEROがトップメタだったのですが、そのHEROにめっぽう強い「ギアギア/バランス」が環境に現れてきます。ギアギアは即キルを取ってくるデッキですが、耐えてモンスターを処理してしまえば何もできなくなりますから、ワンキルに耐えつつ効果や展開でギアギアモンスターを処理できる「森羅/根性」がギアギアのメタとして出てきます。このデッキがまぁ強いことこの上なく、従来のHEROや機械天使をはじめとしたほかの様々なデッキを駆逐していくのですが、「根性で耐えてキルを取られるならこっちも根性で耐えてキルを取ろう」という素晴らしい発想から、「機械天使/根性」を使う人が増えてきます。そこで再び根性があろうがなかろうが機械天使には有利なHEROが息を吹き返し始め、「根性森羅>HERO>根性機械天使>根性森羅」というメタのサイクルが完成しました。流れを示すと、

1. M・HERO、機械天使、森羅がtier1で、特にHEROがトップ
2.HEROメタでギアギア登場、めっちゃワンキルしてくる
3.ギアギアメタの根性森羅登場、マジ強い、HEROも機械天使も倒せる
4.目には目を、根性には根性を、根性機械天使登場
5.根性機械天使の増加に伴いHERO再び参上
6.HERO>根性機械天使>根性森羅>HEROのメタが完成

今回のKCも前回同様ある程度いろんなデッキがあったのですが、根性に苦しめられたプレイヤーが多かったように思います。その中でも複数のデッキを回せるプレイスキルと、メタを読んで正しいデッキを選択するセンスがあった、確かな実力を持つプレイヤーが1位の栄冠を獲得することになりました。ここまで早く綺麗にメタが成立することは珍しく、先にも後にもない環境の大会だったのではないでしょうか。

さて、今回はここまでになります。動画ではなく文面でしたので辟易なさる方も途中で飽きてしまう方もいたと思うのですが、最後までお読みくださった方、ありがとうございます。繰り返しになりますがいずれ必ず動画にしますので、その時をお待ち下さい。
次回は2018年6月に行われたWCS予選までの環境です。みんな大好き世界最強パーフェクトプレイヤーのあの人が登場します。お楽しみに。

それでは、今回はこの辺で、ありがとうございました。

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