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小さな火

お母さんが君を妊娠した時、お父さんとお母さんはとってもとっても喜んだんだよ。

お母さんが産婦人科でエコー写真をもらってきた。

そのエコー写真には、「ホワイトリング」と呼ばれる3ミリくらいのちっちゃな白い丸が写っていた。

それが君だよ。

お父さんは、嬉しくて嬉しくて、次の日、そのエコー写真を職場に持って行って、みんなに見せて回った。

「見て、これが僕の子供だよ。すっごくかわいいでしょ?」
と自慢したら、みんなに笑われた。

今でも娘を愛しすぎて、PCの待受もスマホの待受も君の写真ばかりだ。

君がまだお腹にいる時のこと。
夜寝るときに、今、お父さんとお母さんと君の三人で寝ているんだなぁと思ったら、とっても幸せな気持ちになって泣きそうになった。

寝ているお母さんのお腹にそっと手を当ててみると、暖かくてとても幸せな気持ちになった。
ここに「小さな命の火」が灯っている。
その小さな火が、君の存在が、お父さんの心の一番奥の方をじわーっと、とてもやさしく暖めてくれた。

その小さな小さな火が消えないように、絶やさないように、そーっとやさしく両手をかざすように、大事に大事に夫婦で見守っていった。

お母さんのお腹を何度も何度も撫でたし、何度も何度も話しかけたよ。

「こんにちは」

「ねぇねぇ何してるの?」

「プカプカ浮いて遊んでるの?」

「元気に生まれておいでね」

「愛してるよ」


君はとても愛されて生まれて来た

そして、今日も愛してる

父より



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