人にやさしく
Q, あなたの「好きな異性のタイプ」はどんな人ですか?
こういう質問があると、必ず上位に上がってくるのが「やさしい人」。
君もやさしい人は好きですか?
君だけじゃなく、僕だって、誰だって、人間というものは基本的にやさしくしてほしいと思っている。
ここで、僕の感じる「違和感」についてお話します。
「やさしい」ってなんだろう?
やさしいか、やさしくないかは、どうやって決まるのだろう。
やさしいか、やさしくないかは、
「相手が自分の好む態度をとってくれたかどうか」で決まる。
私たちは、他人が自分の希望や、期待に応えてくれると「やさしい」と感じるのです。
”やさしい人が好き”ってことは、要するに「自分にとって都合のいい人が好き」ってことの裏返しかも知れない。
これがお父さんの感じる「違和感」の正体です。
優しさは”人に与えるもの”であって、優しさは求めるものじゃないよね。
お父さんは、やさしさを人に求めるよりも、「人にやさしく」できる人になりたい。
もちろん、君にも「人にやさしく」できる人になってほしいなって思ってるよ。
でも「人にやさしく」するっていうのは、意外と難しいものだよね。
やさしさにも色々と種類があって、
「プラスの作用」もあるし、
度が過ぎると「マイナスの作用」を
起こすことがある。
「マイナスのやさしさ」
一つ目。
それは「見返り」を求めるやさしさ。
私はあなたにやさしくしたのだから、あなたもやさしくしてほしい。
これは、あまり良くないよね。
結局は、「自分がやさしくされたい=自分が得をしたい」という気持ちでやさしくしても、相手も喜ばないよね。
こんなにやさしくしたのに、こいつは”ありがとう”も言わないし、”感謝の気持ち”を感じない。
こんなやつには、もうやさしくしたくない。
こう思ってしまったら、心がどんどん荒んでいってしまう。
本当は、ありがとうを言わない人の方が失礼な行為のはずなのに、こちらの精神の方が削られてしまう。
だから、人にやさしくする時は、
「見返りを求めない」
という”覚悟”が必要だね。
父親が娘にこんなこと言うのはおかしな話だけど、例えば”合コン”に行って
「男なんだから割り勘じゃなくて全額奢れよ」と思う女達。
「何でこんなタイプじゃない女に奢らなきゃいけないんだ。奢ってもいいけど何か見返りはあるんだろうな」と思う男達。
もうこの空間にはカスしかいないよね。
こんな求め合いばかりの空間では、誰もハッピーにならない。
”何かを与えるため”に集まったのではなく、みんな誰かに”何かを求めて集まった”のだから、よく「合コンにはカスしか来ない」と、言われてしまう理由だろうね。
二つ目。
必要以上の過剰なやさしさ。
例えば、親が子どもに対して、何でもかんでもやさしくしていたら、それは「やさしさ」ではなく「甘やかし」になってしまうよね。
それだと、子どもはちゃんと育たない。
「甘やかし」てしまうと、子どもの成長に”最も大切”な「失敗する経験」や、なぜ失敗したのか「自分で考える経験」、どうすれば上手くいくのか「何度もチャレンジして試行錯誤する経験」を奪ってしまう。
人間は失敗して、何度も打席に立つことで成長出来る。
この失敗する経験を奪ってしまうと、確実に成長に影響が出てしまう。
親子じゃなくても、
男が女を甘やかすと、人の気持ちが分からない「わがままな女」になってしまうし、
女が男を甘やかすと、一人じゃ何も出来ないなんでも人に頼る「ダメ男」になるよね。
これも、”人間としての成長”を止めてしまうことになる。
やさしくするのはいいこと。
でも「過ぎる」のは、よくない。
何でもやってあげるのがやさしさではなくて、相手の成長を考えて「自分でしなよ」と言ってあげることの方が、本当のやさしさかも知れないよね。
例えば、相手がとても悩んでいる時に、相手の悩みに答えてあげる言葉がなくたっていい。
そういう時は、共感して「わかるよ」と言ったところで「あなたには分からない」と言われるし、「こうしたらいいと思うよ」と相手を思ってアドバイスしたところで「あなたは状況を分かってない」と言われることだってある。
言葉というものは、大きな力があるから、下手に言葉をかけない方がいい時だってある。
具体的なことは何もしなくていい。
ただただ黙って寄り添ってあげるだけでいいんだよ。
何もしてあげられなくても、ただただ話を聞いてあげるだけで、人は救われるものなんだよ。
こういうのが、本当のやさしさかも知れないよね。
人にやさしくできる人、与える人は必ず幸せになれる。
世の中、そういう風に出来ている。
やさしさを求めるんじゃなくて
「人にやさしく」しようね。
今日も愛してる
父より
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