かめはめ波
この前、「将来何かやりたいことあるの?」って聞いたら、君は「わからない」って言ってたね。
君がどんな選択をしようが、お父さんは反対はしない。
多少思うところはあったとしても、結局、君がやりたいことを応援する。
お父さんもまだまだ若輩者だけど、社会の経験も多少は長いし、一応経営者という立場で色々と経験していることもあるので、君に少しだけアドバイスをさせて下さい。
◎まず、目的と手段を分けて考えること
目的とは、「夢」=「やりたいこと」
手段とは、「職業」=「出来ること」
例えば、こういう人がいたとしよう。
【苦労して育ててくれたお母さんのために、プロ野球選手になって、
お金をたくさん稼いで、
お母さんに楽をさせてあげたい】
こういう人がいたとする。
とても素晴らしい話だね。
この人の場合、
「目的=夢=やりたいこと」は、
【お母さんに楽をさせて幸せにしたい】
になるよね。
そのための「手段=職業=出来ること」が
【プロ野球選手になってたくさんお金を稼ぐ】
になるよね。
注意すべきは、
【お母さんに楽をさせてあげたい】のが目的(夢)なら、
そのための手段(職業)は、必ずしも【プロ野球選手】じゃなくてもいいってこと。
【プロ野球選手】じゃなくても、【お母さんを幸せにする】方法や選択肢は無数にあるはずだ。
本来、この子の夢=目的は、【お母さんを楽をさせて幸せにしたい】ことなのに、もし【プロ野球選手になれなかった】としたら、「夢に破れた」「夢が叶わなかった」と、きっと言うだろうね。
たとえサラリーマンになったとしても、【母親を幸せ】に出来たら、夢は叶ってるはずなのに。
ここに「夢のねじれ」が出てくる。
少し整理するね。
(目標)お母さんを幸せにしたい
→素晴らしい夢だよね
(手段)お金をたくさん稼ぐ
→お金という手段で、お母さんは本当に幸せになるのか?
(手段)プロ野球選手
→お母さんを幸せにするのに、プロ野球選手という手段じゃなくてもよいのではないか?
夢がねじれてしまって、色々と絡まってしまってるね。
こういう風に、「夢(目標)」と「職業(手段)」がねじれてしまっている人は、結構たくさんいる。
特に日本では、「職業を夢」にしてしまっている人が圧倒的に多い。
その原因は「教育」にある。
日本の教育では、幼稚園や小学生低学年から、将来の夢やなりたい職業を文集などに書くことを強いられる。
世の中にどんな職業があるのかもろくにわからない小さな歳の子どもにだ。
お父さんは、子どもの頃、夢を書く授業の時に、「ドラゴンボールの悟空みたいに地球を守る」と書いた。
すると、先生がやって来て、書いている内容を見て、少し笑った。
そして、「ここには職業を書くんだよ」と言われた。
職業のことなど何にも分からなかったお父さんは、隣の席の子が「パイロット」と書いていたので、そのまま真似をしてなりたくもないのに適当な気持ちで「パイロット」と書いた。
それを提出したら、「パイロットになりたいんだね。がんばってね」と先生に言われた。
少し変わった子どもだったお父さんは、
「こいつはアホか」と心の中で思った。
今、大人になって思うこと。
夢は、「地球を守る」で別にいいじゃないか。
「ヒーローになりたい」でもいいじゃないか。
もし研究者になって、コロナの特効薬を開発したらリアルヒーローじゃないか。
今コロナと戦っている現場の医療従事者だってヒーローだし、
コロナ禍で、こんな厳しい生活に耐えてるみんなだってヒーローだと思う。
お父さんは、子どもの頃に、山に向かって「かめはめ波」の練習を何度も何度もした。
人が住んでいるところや、人が居そうなところにかめはめ波を打ったら危ないし、迷惑をかけたくなかったから、誰も居なそうな山に向かって練習した。
山に大穴を空けてやろうと思った。
けど、結局「かめはめ波」は出なかった。
山は破壊されず、とても綺麗だった。
でも、「地球(環境)を守る」ことや「世界を平和にする」ということなら、お父さんにだって出来ることはある。
だから手段として、今の職業をしているんだ。
イチロー選手や本田圭佑選手みたいに、幼少の夢がそのまま叶う人もいる。
もちろん、とても素晴らしいことだと思う。
でも、正解ではない。
それは道の一つに過ぎない。
子どもの数だけ道はある。
幼少期の夢をそのまま叶えることを、美談として子どもに押し付けてはいけない。
夢は、ウルトラマンだってスーパーマンだって世界を救うヒーローだって何だっていいんだ。
世界を救う手段として、職業を考えればいい。
私には、「何も出来ない」、「何が出来るかわからない」と思うかも知れないけど、そのために「勉強」するんだよ。
勉強する「意味」や「本質」はそこにある。
勉強すれば、出来ることはどんどん増えていくから心配しなくていいよ。
【夢=目標】
やりたいことをやればいいんだよ
あせらずゆっくり考えたらいい
周りと比べたらだめ
周りには答えはない
答えは自分の中にある
「どんな自分になりたいか」
ゆっくり自分に問いかけてごらん
自分らしくでいいんだよ
【職業=手段】
自分の出来ることをしたらいいんだよ
勉強すれば、出来ることが少しずつ増えていくからね
君なら何だって出来るさ。
お父さんは、どんな選択だろうと応援するからね。
でも…
多分、「かめはめ波」は出ないけどね
今日も愛してる
父より
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