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<情報記録>ファイル:龍門/重要人物/{ウェイ・イェンウ}{フミヅキ・イェンウ}{level2}


[ サーバー テラ: アクセス要請:::::::]



[ ID認証     ドクター   承認 ]
[ 提示ファイルレベル5まで許可 ]

[音声記録要請     許可  ]

「..…おっ、つながった。全く、このやり方なんとかならないのかね。堅苦しいのは苦手なんだがな。ま、いいや、それじゃ記録を開始する。」

「今回は龍門で総督をしてる〝ウェイ・イェンウ〟とその妻〝ウェイ・フミヅキ〟の情報記録だ。ファイルレベルは…別に1でいいか。  いや、2にしとこう。他人の過去もあるからな。それでは。」

<ウェイ・イェンウ 基本記録>

…イケメンだな…なんか腹立ってきた。今度殴ったろ。

性別:男
身長:191㎝(角は含めてないのかわからない)
誕生日:9月12日
出身:炎国(?)
種族:龍
戦闘経歴:?

「いや~、これを聞き出すのにどれだけ怖かったか。初めに聞いたらすっごい眼でこっちを見てきたから死ぬかと思ったよ。まぁ、フミヅキさんの仲介があったから助かったけど。」
「…自分そんなに顔怪しく見えるのかな~。どう思うPRTS?」
『総評から言いますと怖いと思います。』
「うるせいやい。こういうときは嘘でも慰めるんだよ。」
『善処します。』
「はい、続き続き。」

政治家であり、龍門の執政者。
切れ者で礼儀をわきまえていながら、戦略に長け、手段を選ばないところもある。
しかし政界では人望が厚く、独自の外交戦略と商業戦略を頼りに、他勢力との関係を円滑に進められているのも彼の手腕からである。
世間からも現代の優秀な統率者の一人と認められており、龍門の飛躍的な発展もそれを証明している。
過去に従事していた職業が理由で、その身体能力は一般人を遥かに凌駕しているという噂がある。

「っとこんな感じかな。まぁ、わかりやすく言うと~」

①龍門の政治家、そして総督。いわゆる国のトップ。龍門もここまで成長させたのは紛れもなく彼だろう。
②めちゃめちゃ頭いいし。政治も戦略もできちゃう。ただし手段は選ばない。それが殺しでも。
③人望が厚い。ほかの国ともかなりの協定があるのだろう。
④めちゃくちゃ強いらしい。この前炎国で立ち寄った料理店のおじさんからは『剣術であの人名を聞かない方がおかしい』とか言ってたし、チェンも『あいつの剣術だけはすごい』とか言っていたのだから相当なのだろう。

「と、いう感じ。さて~次は~」

<フミヅキ・イェンウ 基本記録>

実はこの前ハグされたんだけどさ…すっごい良い匂いしたの。なんかこう、柔らかいというか…なんというかね。もうフミヅキさんの子供になりたい。っとこの発言はよくなかったな。

性別:女
身長:165㎝(角は含めてないのかわからない)
誕生日:7月15日
出身:極東
種族:龍
戦闘経歴:?

「フミヅキさんは快く答えてくれたよ。あのお方は本当にいい人だ。容姿も最高、頭もいい。それにすっごい優しい。誰に対しても温かく接してくれるから集まるんだろうね~。」
「……」
「はぁ、ウェイ、大切にしてやれよ。さすがにチェルノボーグの件についてはあまりにも酷かったよ。嫁を遠くに置いて、ましてや自分から命を落とそうとするのはまったくもってかっこよくないよ。勇敢と無謀をはき違えるな…」

『今のも記録に残しますか?』
「いや、消してくれ。今のはただの私の愚痴だ。」
『了解しました。』
「さて、脱線してしまったね。戻ろうか。基本情報は…っと」

政治家。
龍門総督であるウェイの妻。元は極東の姫であったが、ウェイとともに龍門へ移り住んだ。
優雅でか弱い見た目とは裏腹に、強力なアーツ能力と政治手腕を併せ持ち、冷静に事を運ぶ細やかさに、先見の明もある。
ウェイにとっては最愛の人であり、最も堅実な支持者、そして後ろ盾でもある。

「こんな感じで、わかりやすくまとめると、」

①ウェイの妻。まぁ、言わずもがな。
②元極東の姫。でもウェイと一緒に龍門に移り住んだ。
③強い。見た目に反して、アーツが使えるし、頭もいい。ただ、アーツがどんなものかはわからない。
④ウェイの最愛者。…これいる?もうわかってるし。ま、故に最大の支持者ともいわれてるけどね。

「ふぅ。基本情報はこんな感じかな。あまりこういう作業は好きではないんだけど、ま、一応こちらも立場というものがあるからね。申し訳ないけどさせてもらうよ。」

「でだ。ここからは二人の過去についての情報だ。調べた感じ、あまりいい話ではない。これを記されるってのが二人にばれたらきっと信頼はがた落ちだろう。と言う訳でここからはファイルレベル4として記録させてもらおう。誰しも苦い過去を見られたくはないからね。」

「それでは、記録開始」



[開示できる情報はここまでとなります。この先を開示をするならばファイルレベル4の開示許可が出来る人から許可をお取りください。]








「と、ロドスに行ったらこのような物があったんだが。さて、どういうことなのかね。〝ドクター〟君」
 そう言ってくるのは紛れもなく龍門総督であるウェイ・イェンウである。
 そう。情報記録がばれたのだ。
 これにはウェイ・イェンウもお怒りで、急遽呼び出しを食らった。初めはお茶会かなんかと思って菓子も一緒にとウキウキで行ったが、来てみるとこの様だ。
 私は何も言い返せず、ただただ正座をしながら床を見ていた。
「お互いトップにいるからこのようなことをするのもわかるが、せめて最後のセリフぐらい消しとかないとね。」
「あ、、、あの、、、これはその…」
「あ゙?」
「まぁまぁ、貴方。その辺にしてあげてください。」
「フミ…!ヅキ……」
 ウェイが何故か驚く声を上げると同時に、フミヅキさんの足音がした。それでもまだ顔はあげられなかった。あのお優しい方でもさすがに今回はお怒りだろう。
「ほらドクター、顔をお上げ」
「…でも自分は…」
「とりあえず顔をお上げなさってください。お茶を出しますので話会いましょう。」
「…わかりました…」
 そう言いながら顔を上げるとそこにはいつもの優しいお顔。
 ではなく、
 冷たい、今にもナイフで刺してきそうな眼差しをするフミヅキさんが居た。
「さすがにやっていいことと悪いことがありますわよ。〝ドクター〟」
 いつものフミヅキさんからは聞いたことのないドスの利いた声が部屋に響いた。
「しっかりと、 〝話し合い〟 しましょうね。」
「…ひゃい……」

 それからの時間は苦痛でしかなかった。
 ありがたいことにロドスとの協定関係はそのままにさせてくれた。
 ただし、対価として自分のやってきた行い、そしてロドスの機密情報の提示を要求された。
 私は仕方なく提示し、今後もよろしくお願いしますと深々と頭を下げた。
 それと二人の過去についての情報も残しておいてよいとのことだ。
 
 『いつか私たちが亡くなってしまったら、その情報を伝える人が居なくなってしまいます。誰にでもとは言いませんが、私たちの過ちを見せ、反面教師として扱ってくれるのであれば構いません。』
 
 とフミヅキさんが言ってくれたのだ。なんとも心の広いお方だ。
 だから二人の過去のファイルは残しておくことにした。
 ただしファイルレベルは5に設定。
 もし閲覧をしたいのであれば、ファイルレベル5を閲覧できる人を連れて、この後に残す言葉をパスワードとして音声入力してくれ。


パスワードは「鮴埼摩縺ォ諢溯ャ昴r霎シ繧√※\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\---------------------------------------------------------


音声データの破損を確認。強制シャットダウンします

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