「つまらない」はエンタメたりうるか【Night in the Woods】
Night in the Woods なるゲームをプレイした。
大人になりたくないモラトリアム・ジュブナイル×探偵モノ?みたいなゲーム。
ありがちなプロットではあるけど、語りのバランス感覚がとても良い。
非日常が日常を超えないような、絶妙なバランスがずっとラストの方までずっと張っていて、ツインピークスのような不穏さも感じた。
登場人物みんな皮肉でしか会話しない町の底意地の悪さがもう居心地悪いながらもテキストの読み心地はすこぶる良い。
大学辞めて地元に戻ってきた主人公に対して、母親が「なんで大学辞めたのかそろそろ話してくれない?」とか「せっかく入学したのに」とか言い出したりね、家族と対等でありたい気持ちといつまでも子供でいたい気持ちと劣等感とで押し潰されそうになったりね。
1日単位で友達と遊んだりぼーっとしたりバンド練習したり。
ひたモラトリアムとしての日常が続いていくけどいつか終わってしまうことは理解している、説明し難い微妙な感覚だったり。
お世辞にも面白いゲームとは言えないけどそれさえも含めて息が詰まるような瞬間があって、プラスマイナス全てさっ引いても味わったことのないゲーム体験がある。
日常のつまらなさを皮肉で茶化して、ゲームとして楽しめるまで昇華してるのがこのゲームの白眉であるなと思った次第。
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