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ノンマリ連載短編集(小説・エッセイなど)

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#短編小説

ノンマリ連載短編小説 「夢語部(ゆめかたりぶ)」 #1 林檎の娘

第一夢 『林檎の娘』 柔らかな風が吹く草原で、林檎の娘という少女が立っている。彼女は名の…

ノンマリ連載短編小説 「夢語部(ゆめかたりぶ)」 #2 マシュマロ賛歌

第二夢 『マシュマロ賛歌』 あるところにマシュマロを神として祀る世界があった。古来、マシ…

ノンマリ連載短編小説 「夢語部(ゆめかたりぶ)」 #3 本のホットケーキ

第三夢 『本のホットケーキ』 本で出来たホットケーキを作る魔女がいるという噂をSNSで見て…

ノンマリ連載短編小説 「夢語部(ゆめかたりぶ)」 #4 恐竜と花

第四夢 『恐竜と花』 幼い頃から仲の良かったユタラプトルが、結婚を考えている恋人を紹介し…

ノンマリ連載短編小説 「夢語部(ゆめかたりぶ)」 #5 マニキュアの森

第五夢 『マニキュアの森』 マニキュアの森には美しい爪を持つ女王が住んでいる。女王はマニ…

ノンマリ連載短編小説 「夢語部(ゆめかたりぶ)」 #6 かくれんぼろうそく

第六夢 『かくれんぼろうそく』 かくれんぼろうそくと言うゲームが、SNSを通じて世界に知ら…

ノンマリ連載短編小説 「夢語部(ゆめかたりぶ)」 #7 アケビの声

第七夢 『アケビの声』 アケビはよく喋る果実だ。淡い紫色の衣を纏い、生白く柔らかい肌を持つあの果実は、山に響き渡るような声でおしゃべりをする。 「どうしてそんなに大きな声でしゃべるんだい」 「だって、最近の人間ときたら、私の美味しさに気づきもしない」 憤慨しているらしいアケビは、枝葉をばさばさと揺らして抗議する。確かに、最近アケビを食べる人間は少なくなっている気がするが、私はそれで丁度良いのだと思う。 「私が食べるから、どうかそんなに怒らないで。折角の美味しい実が弾

ノンマリ連載短編小説 「夢語部(ゆめかたりぶ)」 #9 綻び学者

第九夢 『綻び学者』 綻び学者は世界の綻びを研究している。彼等彼女等が言うには、綻びとは…

ノンマリ連載短編小説 「夢語部(ゆめかたりぶ)」 #8 クリオネ様のやや

第八夢 『クリオネ様のやや』 クリオネは流氷の天使と呼ばれるが、実は異世界から降り立った…

ノンマリ連載短編小説 「夢語部(ゆめかたりぶ)」 #10 お化けの整形外科

第十夢 『お化けの整形外科』 お化けにも整形外科があるらしい。お化けらしく顔を変えるのだ…

ノンマリ連載短編小説 「夢語部(ゆめかたりぶ)」 #11 ナイトメアイドル

第十一夢 『ナイトメアイドル』 悪夢さんというアイドル歌手がいる。彼が歌う歌はポップスで…

ノンマリ連載短編小説 「夢語部(ゆめかたりぶ)」 #12 夢の果て

第十二夢 『夢の果て』 電車に乗っていると「夢の果て」と言う駅名を見つけた。線路が繋がっ…

ノンマリ連載短編小説 「龍のコインが来て、そして」 #1 寝返りするコイン

あらすじ:龍の模様が刻まれたコインを手に入れた「私」に起こる、ささいだけれど不思議なでき…

ノンマリ連載短編小説 「龍のコインが来て、そして」 #2 メドーサの憂鬱

2. 『メドーサの憂鬱』 金曜日、朝起きると、髪の毛がもうひどいことになっていた。まるでメドーサみたい。これもあのコインのせい?と少し憂鬱になる。龍の模様が彫られた古いコインが部屋に来てから、なぜかこれまでと違うことが起きるのだ。ベランダに植えてもいないパセリが生えていたり、とか。 髪はどうやってもうまくまとまってくれなくて、そのまま仕事に行かざるをえなかった。出勤すると、マネージャーが無理な仕事を頼んできた。いつもなら黙って引き受けるけど、今日は断固として断ってみた。あ