ノンマリ連載短編小説 - 「Letters. 君と詠む歌」 第八首 (全12回)
前回までのあらすじ:アイスと花火を買って向かった先は玉緒の自宅。夕食はぬるいレバニラと冷えたビールと溶けたアイス、そして花火。意外にもこのおかしな状況を楽しむ二人だった。
第八首
手を合わせ ごちそうさまを言う君の
夜はきっと ずっと綺麗で
「天津くんっていくつだっけ」
「今年で25です」
「へぇ」
じゃあ、私の三つ下だ。三つ下の手が、私の髪の毛に触れた。
「綺麗ですね」
「そうやって口説くのって、ちょっと古いと思うよ」
本音ですよ、と言いながら皿の上の余ったレバ