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佐々木大地七段【将棋のこと】

私は将棋を観るのが好きだ。
そして山崎八段ファンです。

毎週土曜日に楽しんでいた師弟トーナメントが終わりました。結果としては木村・高野チームの優勝にて閉幕。現在における師弟の総合棋力としては順当な結果ではないでしょうか。決勝で相対した深浦・佐々木チームも同等の実力者チームだったと思います。勝負は時の運ですので流れ変わらず三連敗での敗戦となりましたが、再度戦ってみれば勝敗がひっくり返っても何ら不思議ではない、そんなチーム同士の決勝戦だったと思います。

そんな戦いの中で一つだけ残念なことがありました。決着局となってしまった第3局に佐々木大地七段が出て来なかったことです。先に言い訳をしておきますが、この感想は私個人の或いは世代的価値観による気持ちなのだと思っています。決して善悪ではありません。ただ私の願望でいえば佐々木七段に出てきて欲しかった、弟子が矢面に立って戦って欲しかった。ただそれだけの好みの話であり、願望が叶えられなかったことに対して残念だと言っているだけの話です。

第2局で敗れ、チームをカド番にした直後の佐々木七段。悪い流れを引きづって自身が連投することへの抵抗、乗らない気持ちのままでは対局へ臨めないだろうことは当然だと思います。そんな弟子を推し量り、僅か30秒しかない次局の対局者決めでなかなか本題に入れない深浦師匠の気遣いもよく解りました。ちなみに私は深浦九段とほぼ同世代。嫌なほどに気持ちが解るといいますか、勝手に解った気でいます。そして師匠がようやく本題に入る。

「このままじゃ終われない?」

どうですか、この絶妙なニュアンス。解った気でいる私としては「行ってこい」と本音では言いたいのだと思いました。この言い方がダメならば、せめて「行ってほしい」と。でもそんな時代じゃない、特に目上の無理強いは厳禁なので本人のやる気を促すしかない。弟子にお伺いを立ててるようで師匠の本音も匂わす。「師匠の気持ちを汲んでくれ!」と私は弟子に祈りました。祈りは通じず冷静に「師匠で…」と返した佐々木七段。師匠の世代は腹の括り方が早い。決められた時間も残り5秒と少ないので「では、私が」と師匠が自らのパネルを次局者として掲げる。そんな深浦九段の顔が私の目には少し寂し気なように映りました。

結果、敗れた深浦九段。「大地に繋げられなくて残念です」とうなだれる。これって師匠に言わせる台詞なんでしょうか?同じ結果であっても「師匠に繋げることが出来ず悔しいです」と佐々木七段から聞きたかった私は、やっぱり時代遅れなんでしょうか?時代遅れなんでしょうね… とにかく3局で終わった決勝戦で、師匠が2局出て弟子1局という割合は私の好みではありません、申し訳ないけど。

ここまで書いてきて佐々木大地ファンの方々にはお怒りのことと思います。佐々木七段にも考えがあるだろうに素人が願望や妄想で好き勝手書いていることはお詫びいたします。でもね、佐々木大地ですよ。そんじょそこいらの若手棋士じゃない。先のドラフト2巡目の際に「まさか2巡目まで両佐々木(大地七段と勇気七段のこと)が残っていると思わなかった」と渡辺名人に言わせしめるほどの強豪棋士なんです。どんな窮地でも酷い逆流であっても師匠を庇って戦えるだけの棋士だと思っています。師匠を尊敬するのは良いことですし師匠も変わらず強いままですけど、そろそろ師匠なんて頼っていられないと押し退けてもらいたい。控室で師匠の将棋観ながら「師匠が一番元気だ」じゃないよ。佐々木七段こそ幼い頃の大病から奇跡を起こして元気になったんじゃない。それも将棋への強い思いが高じて医者が驚くような回復をしたんでしょ。当時のいきさつを詳しく知れば本当に奇跡の棋士なんです。いつまでも有望株をやってる場合じゃない。料理もほどほどでお願いします。師匠も強豪もタイトル保持者も押し退け捲って、早くトップ棋士まで駆け上がって来て欲しい。

それこそが私の願望の本当に望むところです。

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