Voteポリシーとあなた -UVとDVへの向き合い方-

【はじめに】

はじめまして、こんにちは。
この記事をご覧になっている方は、きっとSCP財団のサイトメンバーでしょう。そしてその中でも「voteへの接し方に悩んでいる方」だと思います。でなければ、興味本位で覗いてみただけでしょうか。

前置きとして述べさせて頂きますが、この記事はあなたが「voteポリシーを熟読していることを前提とした上で」の私個人としての所感を書き連ねたものとなります。
決してvoteポリシーに一石を投じたいわけでも、異を唱えたいわけでもないことはご了承ください。
もし読んでいないという方は、是非読むことを推奨します。この記事で述べることは全てvoteポリシーに集約されているためです。

それでは本論へ、といきたいところですがまずは筆者である私の状況を示しておこうと思います。

  • SCP財団サイトメンバー

  • 著作有り(=被vote経験有)

  • 1000記事以上にvote済

多くの記事にvoteしているとやはり葛藤というものが生まれてきます。そんな中で得たこの拙い持論が多少でも皆さんの悩む気持ちに寄り添える結果となれば幸いです。

DVは悪ではない/UVは善ではない

Voteの存在意義とはなんでしょうか?

"voteポリシー"より

そもそもの話になりますが、私たちはvoteをどのように捉えているでしょうか。
多くの人は「サイトに投稿される記事の品質を維持するシステム」と答えるでしょう。その通りです。
だからこそ、私たちは公平性を持ってvoteという行為に臨むのです。

しかし、これは時として残酷な結果を齎すことにもなりえます。
それが新規執筆者の心を折ってしまうということです。

これは非常によくある勘違いですが、DVを受けた執筆者は自身を否定されたように感じてしまいます。

「私には才能がなかった」「記事を書いても消されるばかりで嫌になった」

実際はDVはそのような意味を持ちませんが、執筆者の中ではそれが真実となってしまいます。
そうした執筆者は人知れず筆を折り消えていきます。いずれ素晴らしい記事を書く可能性だってあるというのに、最初の一歩で挫折を味わい立ち直ることのないまま終わってしまうのです。

これだけでも十分に悲しいことなのですが、更に悲劇は続きます。
執筆者が筆を折ると、次第にvoteを行う方にあるバイアスがかかります。
それが「DVは悪である」という致命的な思考です。

voteポリシーを読んでいる方はご存知の通り、UVとDVはどちらも同等の価値を持ち、そこに優劣などは存在しません。
確かにプラスとマイナスという意味付けが為されているために、UVとDVは肯定と否定という視点で見られがちですが、そこに差を見出してしまってはいけないのです。

UVすることが良いなんてことはありませんし、悪いことでもありません。
DVすることが良いなんてことはありませんし、悪いことでもありません。

どちらも同じ価値をもった「vote」であり、それを歪めてしまうようなvoteは不正になるのです。

消されたら可哀想だから、親しい人だからという理由のUVは正当な評価を行わないという作品への侮辱です。作者が気に食わないから、101だとキリが悪いし100にしようという理由のDVもまた同様です。

読んでいて面白いと思って投じたUVには価値があります。
読んでいて微妙だと思って投じたDVには価値があります。

例えばの話ですが、ここに全員がUVしている記事があるとしましょう。
期待しながら読んだあなたは思ったよりも面白くなかったと感じました。しかしみんなUVしているし、DVするのは気が引ける……

さて、ここであなたが取るべき選択肢は何でしょう?
そうです。公平性に則ったvoteです。

あなたのvote基準にきちんと沿ったものであればUVでもNVでもDVでも良いのです。大事なのは、作品に対してどう思ったかという思いに嘘をつかないvoteをするということです。自身に嘘をつくvoteは非生産的であり、何より苦しいですから。

voteに苦しまないようにするための3つの心得

「そうはいってもやっぱりDVするのは苦しいからUVにしてしまう」

そんな方も当然いると思います。逆に「UVするのが苦しい」という方はこれまで見たことがありませんが、やはりこれもプラスとマイナスによるバイアスにかかってしまっているためでしょう。強い物言いにはなりますが、そういった方のvoteの天秤は最初から一方に傾いたままであり、作品のことを真摯に考えていない独り善がりなものと評するしかありません。

では、傾いた天秤を直すにはどうしたら良いのでしょうか。大前提として「DVは悪である」というバイアスは捨ててください。その上で、苦しんでしまう方への3つの対処法を教えます。

  1. vote欄を見ない
    誰がどんなvoteをしているかという情報は、あなたのvoteに一切関係がありません。大多数の評価と異なる評価を下すことは緊張するでしょう。苦しいでしょう。ですが、自身のvoteを貫くあなたの姿はとても素晴らしいものです。自信を持ちましょう。

  2. ディスカッションを見ない
    1と似たものになりますが、ディスカッションでは評価とともに各々の意見が述べられています。それに触れることで記事の新しい見方を得られるということは有益ですが、まずはあなたが最初にどう感じたかを指標にvoteをしてみましょう。それからディスカッションを見て、心境の変化があればrevoteすれば良いのです。

  3. 評価の言語化を行う
    延々と悩んでしまう方は、読んだ記事の良かった点と悪かった点を挙げてみましょう。そうしてそれぞれを比較し、結論が出たらvoteをしてみましょう。自身のvote理由を言語化できれば、自信を持てます。加えて、自身の考えを書くという技術の向上にも繋がります。良いこと尽くめです。

大体の葛藤の原因は余計な情報に触れること、自信がないことの2つに分類されます。
ですが、「これでも決まらない!」という方も中にはいるかもしれません。
そういった方は心得だけではどうにも解決できないので、少しその記事と離れてみましょう。リラックスをして、もう一度その記事と向き合って考えてみましょう。

重要なのは、しっかりとあなたのvote基準が確立されており、その基準に従っていることです。それができていればたとえUVばかりでも、DVばかりでも良いのです。
この記事を読んだことであなたの今後の記事読みと、それに伴うvoteへの負担が減ればこれ以上に嬉しいことはありません。楽しい財カツライフをお過ごしください。




外伝 -voteの受け止め方とあなた-

ここからは「voteする側」ではなく「voteされる側」、つまるところ著者側の目線に立って私なりのvoteポリシーを述べたいと思います。

voteする側へのアドバイスや意見は散見されますが、なかなかvoteされる側への言葉は見つかりません。そこで末席の末席に位置している1サイトメンバーとして、自身の経験を交えながら述べてみたいと思います。

フェア精神でいることは難しい

UVに対してはありがとうと言うのに、DVに対してはありがとうを言わないポリシーはアンフェアかもしれません。両方に対して「Voteありがとうございます」と言ってみるのはいかがでしょうか?

"voteポリシー"より

自身が心血を注いだ作品、我が子とも言える存在を評価の場に出すということは、それ自体がかなりの勇気が必要な行動です。

UVされたら嬉しいし、DVされたら悔しいでしょう。
私個人としては、その感情を無理やり抑えろなんて言うつもりはありません。
寧ろ、そこまで作品に入り込めていることは素敵なことであり、否定されるべきものでは断じてありません。

ですが、そうする上で大事なことがあります。
それは他人の目があるところでそうした感情の発露を行なわないということです。
SCP財団はSNSで交流することが多いのもあり、当然ですが著者の発言なども読者の目に入ります。
そこで「UVをお願いします!」「DVした奴が許せない」なんてこと言ったら、読者は酷く萎縮してしまいます。まして「ああ、DVなんてしちゃいけないんだ」なんて思考に読者が至ってしまったら大惨事です。見えないところで言うのは個人の自由です。けれども公の場でクオリティコントロールを乱す可能性のある発言は危険です。そして何よりvoteポリシーに違反しています。

voteはあなたの作品を否定するものでも、あなた自身を傷つけるためのものでもありません。UV/DVへのバイアスを取りさっても、感情を説き伏せることは難しいかもしれません。気持ちは痛いほど分かりますが、どうか他者のvoteを抑圧するような発言は控えましょう。それで害を被ることはあっても、利があることはないのですから。
できる限りフェアでいましょう。それが巡り巡ってあなたの利となります。

作品を評価する権利は重い

SCP財団というサイトは評価が-3に達してしまうと記事が削除されるという特徴を持っています。
だからこそ著者は他の創作サイトと比べてもより評価に神経を使います。
ですが、それはvoteする側にも同じことが言えます。「自身の1票でその記事の削除が決まってしまうかもしれない」というのは想像以上に重たく、心を摩耗させます。
そのためにvoteポリシーというものがあり、上述しているような悩みが出てくるのです。

投稿側と投票側、互いの状況を知ることで労わることが可能となり、voteの健全化に繋がっていくと私は思っています。投票しやすい環境を作ることは作品の利益にもなります。

vote欄は見ない方がいい

voteに苦しまないようにするための3つの心得で述べましたが、これは著者側にも同じことが言えます。誰がUVして誰がDVしたのか、好奇心で開いてしまいそうになるのをグッと抑えることが精神衛生上で必要です。特筆することとして、UV/DVの詳細を知ることのメリットは殆どありません。加えて、誰々にUV/DVされたというのを覚えてしまうと、その方のvoteと他の方のvoteに価値の相違が生まれてしまいます。それ自体は悪いことではありませんが、それに固執しすぎることで得られる結果というのが良いものであることは少ないです。

終わりに

最近のサイトメンバーの話題にvoteに関連したものが多いように感じたため、こういったものを書きましたが、お役に立てたでしょうか。少しでも私のようにvoteに苦しんでいる方が減れば良いのですが。

voteポリシーを胸に抱いて、自身のvoteを貫いていきましょう。
どうかこれからも、良き財カツライフをお過ごしください。


【出典】
voteポリシー
著者: Nanimono Demonai
ソース: http://scp-jp.wikidot.com/vote-policy
作成年: 2018
ライセンス: CC BY-SA 3.0

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