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"寄生獣"から学ぶ

こんにちは、漫画研究部に所属している野中です。今日は"寄生獣"という漫画について語っていけたらな、と思います。

作品について

"寄生獣"は、非常に考え込まれた作品です。数年前にアニメ化や映画化を果たした"寄生獣"ですが、実は1990年頃に連載されていました。ストーリーをざっと説明します。ウィキペディア様がとても上手くまとめていらっしゃったので、それをお借りします。

ある日突然、空から人知れず多数の正体不明の生物が飛来する。その生物は鼻腔や耳介から人間の頭に侵入し、脳を含めた頭部全体と置き換わる形で寄生して全身を支配し、超人的な戦闘能力で他の人間を捕食するという性質を持っていた。寄生後の頭部はもはや人間の物ではないが、自在に変形して人間そっくりに擬態する。彼ら「パラサイト(寄生生物)」は高い学習能力で急速に知識や言葉を獲得し、人間社会に紛れ込んでいった。

その日まで平凡な高校生であった泉新一は、1匹のパラサイトに襲撃されるが、間一髪で脳の乗っ取りだけは免れる。パラサイトは新一の右腕に寄生して同化し、右手にちなんで「ミギー」を名乗るようになり、新一とミギーの共生生活が始まる。それと同時期に、他のパラサイトによるミンチ殺人事件が世界中で頻発し始めるが、犯人は不明とされていた。新一は世間に対して真実を明かさなくても良いのかと葛藤するが、ミギーは自己保身のみを考えており宿主である新一以外の人命には興味がないとし、自らの正体を露見させようとするなら新一に危害を加えることもいとわないと主張する。その一方で、新一が死ねば自分も生きられないミギーは、必要であれば新一を他のパラサイトから守るために同類と殺し合うことにも葛藤を抱かない。

しかし、そうした新一とミギーの特殊な関係は他のパラサイトから警戒される。高校教師のパラサイト「田宮良子」や彼女の仲間と敵対することになった新一は、両親が戦いに巻き込まれないことを願うが、彼の母親は新しい宿主を探していたパラサイトに遭遇し、殺害される。新一はパラサイトとなって自宅に現れた母に動揺し、手出しのできないまま心臓を刺し貫かれて致命傷を負うが、ミギーが新一の体内に入って心臓を動かしながら修復することで心肺停止状態から蘇生する。その際、ミギーの寄生細胞が体内へ拡散した影響で超人的な身体能力を獲得した新一は、母親を乗っ取ったパラサイトと再会して復讐を遂げる。しかし、融合による変化は新一の精神面にも現れ、彼を悩ませるようになる。その一方、ミギーも新一との交流を通じて次第に人間の価値観を理解していく。新一のガールフレンドである村野里美は、彼の劇的な変化と変わらない優しさに困惑する。

その頃、新一の住む地域の隣町では、パラサイトこそが地球の環境に調和をもたらす救世主と考える政治家の広川剛志が市長に当選し、不完全ながらも社会性を獲得したパラサイトたちが秘密裏に集まるようになる。学校を去り「田村玲子」と名を変えていた「田宮良子」は広川の試みに協力しつつも、生物学的には普通の人間でしかない赤ん坊を妊娠・出産し、生殖能力を持たないパラサイトのアイデンティティーについて思索を重ねる。

「田村玲子」は新一とミギーの存在を、パラサイトたちの今後にとって指針となると考え、他のパラサイトや人間を調査のために差し向けるが、行き違いを経て新一は幾度となくパラサイトと戦うこととなる。その結果、新一の周辺の人々が巻き込まれて犠牲となっていき、新一は広川のグループと対決する決意を固めていく。また、「田村玲子」も独自の思想を他のパラサイトから警戒され、仲間割れによって広川のグループを追われる。「田村玲子」を敵とみなしたパラサイトたちは彼女の策略によって返り討ちにされるが、彼女もまた一連の事件に巻き込んだ人間から復讐されて命を落とすこととなり、育ててきた赤ん坊と思索の末に出した結論を新一に託す。

一連の事件を経て、すでにパラサイトの存在は警察や自衛隊の知るところとなっており、広川たちの拠点である市庁舎への掃討作戦が計画されていた。新一は自分がミギーに寄生されていることを隠しつつも、パラサイトと遭遇してきた経歴を買われ、さらにもうひとりの協力者で、快楽殺人者として警察に拘留されつつもその経歴から人間とパラサイトを判別する超能力を持った浦上と共に作戦に同行する。周到な準備と人間としての組織力、そして一般人の犠牲をいとわない作戦によって、市庁舎にいたパラサイトたちの大半は駆除される。広川は敗北を悟ると、突入してきた自衛隊員たちに対し、地球環境を汚染する人間は万物の霊長などではなく、地球を食い物にする「寄生獣」であると演説するが、彼らに射殺される。自衛隊員たちは、パラサイトの首魁とみなしていた広川が人間だったことに気がついて困惑するが、その直後、頭と四肢に合計5体が融合したパラサイト「後藤」に襲撃されて全滅する。「後藤」は以前から因縁のあった新一とミギーを宿敵と見なし、再戦を宣言する。また、浦上は混乱に乗じて監視役を殺害し、現場から逃走する。

新一とミギーは「後藤」から勝ち目のない戦いを挑まれて逃げ回ることになり、乾坤一擲の策にも失敗した結果、ミギーは新一を逃走させるための犠牲となって「後藤」に取り込まれてしまう。新一は失ったミギーの存在の大きさと友情から失意に暮れるが、逃走先で見ず知らずの他人に助けられ、再戦を決意する。新一は半ば自暴自棄になっていたために苦戦するが、不法投棄されていた有毒な産業廃棄物に助けられる形で勝機を掴み、ミギーを取り戻して逆転する。勝利した新一は、必死に生き延びようとする「後藤」の姿に心を動かされてとどめを躊躇するが、最終的には手を下す。広川の一件をきっかけにパラサイトたちが表立った行動を控えるようになると、ミギーは「後藤」との一時的な融合で得た経験を糧に思索のための長い眠りにつくことを宣言し、普通の右手に戻る。

1年後、新一は戦いの中で精神的な支えとなった里美との交際を続けながら平穏な日常を取り戻していた。そんな中、彼らの前に逃走していた浦上が再び現れる。新一がパラサイトと関わりがあることを見抜いていた浦上は、里美を人質に新一をビルの屋上に呼び寄せ、快楽殺人者である自分こそ人間の本質の体現者だと主張し、人間とパラサイトの中間的存在と見込んだ新一の見地からの同意を求める。新一は言い淀むが、里美は浦上の主張を一蹴する。目の前で屋上から突き落とされた里美を救出するために新一は反撃し、浦上を倒すが、ビルから落下する里美の救出に失敗してしまう。絶望に襲われる新一だったが、なぜか新一の右腕は里美を掴んでいた。眠っていたはずのミギーが助けてくれたと新一が思いを馳せる中、物語は幕を下ろす。

分かりましたでしょうか。

時代背景と物語

連載されたのは1990年頃だといいました。その頃、人間の活動が地球に与える影響が問題視され始めました。この作品は非常にその社会問題を丁寧に描いていると言えます。
それが最もよく現れている2つのシーンを紹介します。
まずは、市長の広川が放ったこの言葉、

作品の中で初めて寄生獣という言葉がでてきたシーンです。それも、人間を指す言葉として使われています。このシーンを読んだ時読者は気が付きます。寄生生物が地球に来た意味を。

お次はこのシーン

新一が後藤に突き刺した棒、これが実は不法投棄された有毒なものだったことで後藤に勝利するきっかけとなりました。この作品のラスボス的な存在がただの棒でやられてしまったシーンは読者に衝撃を与えました。と同時にこのシーンは、先ほどよりもわかりやすく社会問題を現していると言えるでしょう。

最後に

18日、まさに提出する当日私は高熱を出して学校を休み、そのまま寝込んでいました。そのために投稿が遅れてしまいました…どうか許してください…🙇

参考文献
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E5%AF%84%E7%94%9F%E7%8D%A3


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