東京は「帰る場所」か

人生で3度、東京に住むことがあった。
1度目の大学進学は、自分の意志で決めた。
2度目は自身の転勤、3度目は夫の転勤による引越し。

学生生活は八王子で4年間。多摩丘陵にある大学に通ったので、信州と変わりなかったような(「マムシに注意」の看板あり)。勉学に集中できる環境を求めて、あえて郊外に住むことを自ら選んだように思う。

2度目の東京暮らしは、23区の中でも比較的都心部にある目黒区だった。川沿いの桜並木が懐かしい。が、色々あって2度目の桜を見る前に松本に異動することに。「さあ、これから」と言うときに!今思えばもったいないことをしたなぁと。

3度目は、ほぼ千葉寄りの江戸川区。戸建て住宅が見当たらない団地エリア。大きな公園と、二つの川に挟まれた自然たっぷりの街。子育てには最高の環境だった。

振り返ってみれば、「あの時ああすれば、もっと上手くいっていたのに」と思うことはあれど、東京で積み重ねた経験は、確実にその後の人生に活かされている気がする。まだ"伸び代"があることを確認する場所、それが私にとっての東京なのかも知れない。良いことも悪いこともあったけれど、東京で様々な出会いがあってよかった。

結局、私にとっての東京って「武者修行」の場所なんだろうな。住む場所が変われば、誰も私のことを知らない立ち位置からのスタートになるし、毎回新しい仕事を探したり、いろんな面で"厳しさ"はある。



【娘にとって、一つの故郷】 


連絡をとって"会う約束"が気軽にできる友人がいる娘。翻って私自身は、部活の先輩後輩や学部の同じゼミ生の友人はいるけれど、"今日泊めて!"と言えるほど近しい関係性ではない気がする(地震などの緊急時にはお願いするかも)。

伯父や従兄弟もいるけど、父親が亡くなった後は法事の席でしか顔を合わせていない。母方の伯父家族とは半ば絶縁状態だ。

通算8年くらい住んでいたけれど、やっぱり東京は私にとっては「おかえりなさい」の場所ではない。引越しを繰り返す余り、実家周りでさえ一緒に遊べる友人はいないし。
というわけで、夫は東京で知り合った貴重な友人として、もう少し大切にしなくては。今のところ「おかえり」と言ってくれているから。

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