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『今ここにある危機とぼくの好感度について』と『新聞記者』



自分は、古い話題ばかり書いているので、最近のことは知らない化石人間だと思われるといけないので、新しい話題にチャレンジしてみよう。

松坂桃李さんは、特にファンではないが、このところ、個人的には好感度を上げている…

彼の出演作は『日本のいちばん長い日』と『新聞記者』を、Netflixで視たぐらいだが…

自分は、自ら進んでドラマを視ることはない。
大好きなのんちゃんの朝ドラ『あまちゃん』でさえ、最初は家族が視ていたのを、なんとなく横から眺めていたのだから…

余談だが、彼の出演したTBS日曜劇場の『この世界の片隅に』は、視なかった。
なぜなら自分は、言うまでもなく『のん』のファンであり、彼女の声優出演作、アニメ『この世界の片隅に』以外視ない、視ないことで忠誠を尽くした。狭量なヤツだと言われようとも…


では本題の、NHK土曜ドラマ『今ここにある危機とぼくの好感度について』

例によって、このドラマも横からなんとなく眺めていたから、あらすじの解釈に誤りがあるといけないのでググってみる…

テレビ局のアナウンサーから、名門帝都大学の広報担当者として中途採用された神崎真(松坂桃李)は、大学上層部の意向を受け、『研究不正疑惑』や『研究施設からの外来生物の流出事件』などの不祥事を、学内外からの批判を回避するため尽力するが…

そうそう、不祥事だらけの大学は、彼の『好感度』によって、危機を乗り切ろうとしたのだ。

そして元アナウンサーの神崎真の好感度は、イケメンであることが大前提だが、彼のモットーは「内容のあることを、何も言わないこと」だった。
言わないだけではなく、考えない。自分の考えや信念を持たないこと。

「内容のあることを何も言わないこと」は、まさに今のマスメディアを象徴した、ブラックユーモアではないか…
こういうのは面白くてなかなか良い。

中空を泳ぐ彼の視線は、それを象徴しているようだ。何も信念を持たないがゆえに、彼の心は常に不安に揺れている。そういう心理の演出が秀逸だ。

自分の数少ない視聴履歴から比較するのも何だが、あの『新聞記者』の杉原(松坂桃李)に共通するものを感じる。

たしかに同じ俳優が演じているのだから、そう感じるのは当然だが…
『今ここにある危機…』と『新聞記者』は、真逆だという感想もあった。

確かに、片方はブラックコメディで、もう片方は悲劇だし、結末も対照的だ。
だが自分はどこかに通底するものを感じてしまう。

論文不正の内部告発者である木嶋みのり(鈴木杏)、新聞記者の吉岡エリカ(シム・ウンギョン)も、生真面目さが似ているが…

杉原は、外務省から内閣府に出向したが、同じく内閣府に勤務する元外務省の上司であった神崎は「俺のようにはなるなよ」と言い残して自殺する。

杉原は、何も考えずに上から指示された任務を果たすことを命ぜられるが…

ようやく考え始め、行動には移したが…
ラストシーンの、横断歩道の杉原の目は、「何も考えない」どころか「死んでる目」だったのが印象的だ。

「何も考えない」ことは、冷酷になりきれる強さが必要だということを、反面教師的に教えてくれた。

神崎真が、あの上司と同じ名字なのは、偶然なのか…?


2019年の、予告動画ですが…

wikipediaには ー

映画と同じ藤井道人の監督により、米倉涼子・主演で2021年にドラマ化。
Netflixオリジナルシリーズとして世界に配信予定。

と、あります。