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悪魔の左手 2019

「パーマネント」通常のブルべは決まった日時に参加者が一堂に集まって開催されるが、常設コースで参加者は好きな日時にスタートできるブルべが存在する。代表的なものは山岳ブルべとして人気?国内でコースが増殖しそうな気配のあるSR600かな。忘れてはいけないのは、AJ広島が以前から設置していたパーマネントコースで、中でも有名なのが、大山を周遊する「悪魔の左手」だろう。今年からAJの認定コースになったらしいが、そんなことは些細な事で、個人的にはSTRAVAのヒートマップで大山を真っ赤にできればそれでOK(笑)ということで昨年に続いて出走を確定。

大山の環状道路へ向けて登って降りてを繰り返す。コースの軌跡はまるで左手のような形?200kmで5,000m近い獲得標高は悪魔の名に相応しい。

スタート地点は大山麓の蒜山高原に位置するので、今年も前泊は道の駅に併設する蒜山ヒルズにチェックイン。ふた昔くらいまえの施設っぽいが、大浴場あり、小綺麗で自転車の保管にも気を使ってもらえて、素泊まり5,000円なので言うことなし。今回は悪魔の後泊もするのでブルべ中は不要な荷物は部屋で保管する算段だ。

今シーズンは急に出番が増えたSCULTURA。充電器や気象変化に備えた装備などを詰め込む。鞄はAPIDURAで統一。新素材が出るたびに買い足している気がするな…

蒜山までは大阪から自走で。チェックイン時間の9月3日15時から逆算して、9月2日の19時に自宅を出発。AJ岡山でお馴染みの辰巳峠を越えて約300kmの道程。辰巳峠は標高こそ大したことはないのであるが、10km以上だらだらと登らされた最後に、10%近い勾配でとどめを刺しに来る。サドルバッグに二日分の荷物を積んでいたので、今回はここで本当に参った。辰巳峠に続く人形峠で旧道が工事中だったので、迷うことなくトンネルで峠を回避して何とか往路はクリアー。

車も少なく気温も下がって走りやすい。ライトアップされたいな坊と。

養父市から鳥取へ侵入。道の駅で30分ほど仮眠を取ると夜が明けていた。あたりは一面の霧。前線が日本海に停滞しているようなので、この先の天気が気になるところであるが…。

蒜山といえば、ひるぜんそば!大盛でもよかったかな。鶏肉と味噌だれで流れるように胃の中に吸い込まれる。隣の唐揚げもしつこくないジューシーさでグッド。

午後7時を過ぎたころ、明日のブルべに備えていると、恐ろしい勢いで窓に打ち付ける雨の音が。テレビで確認すると大雨洪水警報が出ているらしい、局地的に雨雲が発達したようで、新見市では避難勧告も出ている。もしスタート時に雨だったら?道中で通行止めになったら?ここまで来て右往左往しても仕方ないので、明日の好天を期待しながら就寝。

これで5,000円。食堂のカレーやソフトクリームもレベル高し。悪魔の左手に限らず、蒜山方面に向かう際にはチェックしておきたい。

翌朝目が覚めて、外の様子を確認すると路面は殆ど乾いている。これでスタートせざるを得なくなった。やはり前日に徹夜で移動しているだけあって、体の気怠さを覚えながら、ぼちぼちと準備をしてスタート地点へ移動する。今年からスタート地点が変更になり、通常のブルべの200kmと同じ制限時間13時間30分に変更されている。獲得標高の厳しさはSR600並みだが、制限時間の計算がAve.15km/hをもとにしているので、200kmという距離で区切るとSR600より厳しいという見方もできる。さらに悪魔の左手を困難にしているのは補給地点の少なさである。PC2のコンビニ、PC6の道の駅、180kmほどの地点にあるポプラが生命線だ。ちなみに今回は、170km地点にある個人商店で最後の補給をするつもりで、道中はPC2で購入したおやつで凌いだが、まさかの商店が閉店になり、結局150km補給なしで走らざるを得なかった。

ここからポプラまでの10kmがどんな上り坂より苦しかった(´;ω;`)

スタート時は補給食を持っていなかったので、道中で口にしたのはこれらの携行食とポプラでかったサンドウィッチ。とにかく無駄なエネルギーを使わない、マネージメント力が問われる。

大山という山は不思議で、文字通り大きな山で見る方向が変わればまったく違った顔を見せてくれる。観光地と化した南側に比べて、手付かずの森林や林道のような小道が続く日本海側、山肌や岩の様子もみる角度によって変わり毎回違った山に登っている気がして飽きることがない。

これは南西からの登坂。大山のオモテの顔。

牧草地帯とジャングルのような森林が続く日本海側。裏ダイセンとでも呼ぼうか。走りやすいのは良いが、補給地点、休憩ポイントは少なめ。

前回は日が昇ってからの暑さにやられて脱水の中苦労をしたが、今回は数回雨に降られたお陰でそれほど暑さで困ることもなく、ハイドレーションのおかげでパフォーマンスを落とさずに、中盤でペースアップすらできたほど。前回とは距離が違うが、実質30分ほど早い12時間19分でゴール。PC3くらいまでは前日の疲れを引きずって?いまひとつペースが上がらなかった。次にチャレンジする時は前泊&車移動でフレッシュな状態でタイムを狙うのも面白いかもしれないな。

最後の最後に姿を見せた大山。ゴール付近にある展望台にて。

ゴール後の定番。大きいのよりこちらを2つの方がタンパク質をたくさん摂れるから(笑)

帰路は日本海経由で。

イカを中心にした海鮮丼ぶり。おいしゅうございました。

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