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ニセコグラベル Autumn Ride

国内ではこれ以上はないという絶好の環境で行われる、ニセコグラベルに参加してきた。

ニセコグラベルとは

北海道のニセコ町で開催される、オフロードとオンロードをミックスしたサイクリングイベントで、2年前からテスト開催が行われていた。2022年はSpring RideとAutumn Rideの2回が開催された。今回参加したAutumn Rideはそれまでのテスト開催とは異なり、より多くの参加者を受け入れる体制になっている。コースはショートコース、ミドルコース、ロングコースに加えてエクストラロングコース(110km、2,200mUP)と幅広く用意され、どのコースも半分近くがオフロードになっている。今回私が参加したのは最もハードなエクストラロングコースだ。

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ニセコの景色で印象的なのは羊蹄山。ライドの途中に何度でも目にする。

現地へのアクセス、楽しみ方

今回使用するバイクはキャノンデールの試乗車を借りる事になったので、会場までは手ぶらでOK。会場はニセコアンヌプリのスキー場で近くにはホテルや宿泊施設はたくさんあるものの、どこもちょっと良いお値段のところばかり。そこで思いついたのがバイクキャンプのために用意したキャンプ道具。今回は会場近くのキャンプ場で2泊3日のテント泊を決行する事に。

会場の近くにあったキャンプサイト。その名も風の谷のキャンプ場
思った以上にストイックな?キャンプ場だが、管理棟はオシャレな雰囲気で居心地は良かった

飛行機で新千歳に着いた後は小樽経由で倶知安まで移動。ニセコまで直行するともう少し早く移動できたけれど、飛行機で持ち込めない燃料や食料を買い足してからキャンプ場に行く必要がある。倶知安でお昼ご飯を食べつつ、2泊3日分の食料を調達してからバスでニセコへ向かった。

小樽駅では一旦下車して少しだけ観光

到着した金曜日はニセコグラベルは準備中で試乗車も手元にはない。ニセコ駅前には温泉施設があって、入浴と洗濯のために40分ほどトボトボと歩いて往復する。この施設が良くできていて、入浴料は500円で21時半まで営業。しかも400円で全自動の洗濯乾燥機が使える。飲食もできる休憩スペースもあるので、滞在中は毎晩ここで洗濯、牛乳を飲んだり漫画を読んだりして時間を潰すことができた。


夜のニセコ駅はいい雰囲気
ニセコの夜はとにかく星が綺麗。見上げなくても目線の先には満点の星空が広がる。

機材のセッティング

今回用意されたバイクはキャノンデールの中ではエンデュランスロードバイクのポジションに位置するSynapse Carbonだ。タイヤはカズこと山本和弘さんのお勧めでグラベルキングSKの700×35Cを装着。当初はグラベルロードで参戦する気だったので、Synapseで本当に大丈夫?と思ったけれど、前日にグラベルのダウンヒルを含めたサイクリングをしてガラッと印象が変わる。リア三角形はしなやかに衝撃を吸収してくれる一方で、ヘッド周りの剛性は高め。下りのブレーキングも安定している。砂利道でリアが流れてしまうようなシチュエーションでもハンドル操作で自然にバイクが立ち上がってくる。直進性が非常に高くて50km以上のスピードが出る下りでもハンドルには軽く手を添えるだけで十分。

前日にグラベルに迷い込んだが、当日はこれよりもっとハードなグラベルでも平気だった。
ボトルは1本、ツール類はダウンチューブに固定し、フレームバッグに補給食を収納

ライドの様子

レースではなくサイクリングイベントなので、8時になると参加者は自由に出発する事が可能。ボトルに水を入れずにやって来たので、スタートしてからすぐの湧き水で水を汲んでいる最中にグループから取り残される。ちょっと慌てながらグラベル区間に入るまでに何とか追いつこうとスピードアップ。大半の参加者はチームで参加しており、お揃いのウェアや拘りの機材でビシッとキメた格好いいサイクリストばかりで、普段目にすることのないタイプの人達でちょっと気後れする(;´・ω・)

スタート前の会場にて。標高400mのスキー場

肝心のグラベル区間はダウンヒルから始まる。ここでビックリするのがみんな速い速い。初見のコースなので慎重に下りたいが、そうも言ってられない。下ハンを握って覚悟を決めて下るけどやっぱり怖いぞ。舗装路の登坂区間でパスした参加者に次々と抜かれていく。スタートした段階では3.5気圧ほどに設定していた空気圧を、最初のグラベル区間を下った後に2.8気圧くらいに調整(目分量ではあるが…)する。舗装路と未舗装路の割合が半々くらいなので、低圧のセミブロックタイヤでは舗装路での軽快感を損なう。今回はグラベルは慎重に下って、舗装路での他の参加者に追いつくという走り方を心がけることに。

他のライダーと比べると細めのタイヤだが舗装路では快走

中盤になるとロングコースの参加者と合流するが、エクストラロングの参加者に比べて皆さん慎重に走っているな、という印象だった。いっぽうで自分の方は、スタート直後のハイスピードなダウンヒルでアドレナリンが出ているので登りでも下りでもロングコースの参加者をパスしながら快走。中盤で待ち構えているのは、6km500mアップの登坂区間。普通のサイクリングだと何という事はないのだが、今回はジャリジャリのグラベルだ。今回のバイクは試乗車で、クランク長がいつもより長め(167.5→170)なので、登坂ではダンシングでトルクをかけたいところだが、35Cでダンシングをすると後輪が滑る滑る。しかたなくシッティングのまま前方に蹴りだすように、やや無理をして頑張ってペダルを回す。おかげで終盤の登坂区間では何度も足が攣りそうになる。

一番きつかった登り。でも森の中のサイクリングはサイコーのシチュエーション
photo by yoichi watanabe @yoichi watanabe_niseko

チェックポイントの補給は最低限で水分の補給とトイレに寄るだけ。制限時間は8時間だったけれど、キャンプ道具の撤収もしないといけないので、気が付いたらブルベと同じようにファーストラン的な発想で走って、6時間ちょっとで完走する事ができた。累積の標高もコースプロファイル通りの2,200mでしっかり上った。コースは終始グラベル区間を楽しめるように練り込まれていて、最後の方では内心「もう舗装路でええやん!」という突っ込みを入れたくなるくらいだった(笑)また、交通規制などは無かったのだが、そもそも110kmのコースで信号はなく車も数台にすれ違ったくらい。グラベルも含めてこんな環境で日本でサイクリングイベントが出来る場所があるのだろうか?と感じた。

来年のニセコグラベルは?

ゴールした後は先月に出走したSR600では楽しめなかった北海道グルメを堪能できれば…と思っていたところに、ニセコグラベルに同じく関西から参加していた三船さんとサポータークラブの皆さん(私もその一員ですが)と一緒にスペシャルな?ディナーに参加させて貰う事に。

サポータークラブのジャージ。このジャージを着て半端な走りはできない?
皮まで食べたくなるほどトロトロのメロン


この日は三船さんのリクエスト?で海の幸を中心に

今回は幸いにも好天に恵まれたことと、色々な伝手に恵まれたおかげで、キャンプでニセコの大自然を満喫(満点の星空と明け方の羊蹄山の景色はお金で買えない価値あり)、エキサイティングなグラベルライド、締めのグルメまでフルコースで楽しむ事が出来た。
早くも来年の予定が気になるところだが、とりあえず次回は自分の自転車で参加、土曜日に新千歳からレンタカーで移動で行ってみようかなと思案中です。グラベルの練習コースも開拓中なので、興味のある方は是非一緒に参加しましょう!あとは機材のセッティングも今から来年のコースを想像するだけでワクワクしています。タイヤは前輪はセミブロック、後輪はセミスリックにするとか…。次のニセコグラベルが楽しみで仕方ない。



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