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BRM111近畿300km神戸 All Road Stage.1 淡路山脈

ブルベに参加するときに、人には「申し込みをする前に中身を確認しましょう」と言っている割には、自分が参加するブルベは時間の都合が合えばタイトル次第で適当に決めている。今回はそんな適当さが悲劇を招いたブルベだった。

コースは神戸をスタートして、淡路島の山間部に突入する300km。4年ほど前に淡路島の酷い道探索を行っていたので、今回のコースも大半は走った事がある場所だったが、できるだけ日が高いうちに淡路島の酷道はクリアしないと、帰路も含めて大変な事になるだろう。当然ながら金曜日の仕事が終わった後は三ノ宮で前泊、朝はいつものようにやや遅れて5時スタートの時間に合わせて登場(ちゃんと起きたんですが、荷物預かりサービスの場所が変わって迷ったんです...)

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当日は佐用、日生に向かう300kmも同時開催された。淡路島の悲劇の犠牲者達は一足早く5時~5時半に集まった。

スタートから淡路島に向かうのに、いつもの神戸スタートと同じく、再度山を上る。はっきり言ってわざわざここを走らせる意味が分からないが、なんだかんだで上りだすとテンションがアガる。主催者の思うつぼに嵌ったようで、悔しい。でもついついペダルを踏みこんじゃう、ギシギシ。

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今回は淡路島と明石の往復でジェノバラインに2度乗らなければならない。再度山の後は明石へ向かいながら、ジェノバラインの発着時間を頭に入れながらペースを調整する。ジェノバラインの移動時間は10分ほどだが、少なくとも20分、長ければ40分待ち時間が発生する可能性があるので、朝8時の出港時間に合わせて到着。出港間際になって続々と乗船した方もいたので、殆どの参加者がこの便に乗ったんじゃないだろうか?

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船員さんもサイクリストも手慣れたもので、あっという間に10台以上の自転車が積載されていく。

淡路島に到着すると、アワイチに出かける一般のサイクリストと別れた一行は山間部へ突入。初っ端から激坂でやる気と体力をお削ごうという、主催者の隙のないサービス精神が垣間見れる。今回はとにかく天気が良かった。昨年参加した神戸スタートシリーズでは、霧に包まれた六甲山で迷子になる人がでたり、晴れ予報で雹が降る、雨で道が崩れてコース変更などろくな事が無かった。日中に関しては汗ばむ陽気で、冬の淡路島にありがちな波しぶきを浴びるような横風をくらう事もなかった。本当に、中盤の荒れた道と激坂さえなければ楽しい淡路島になっただろうに...。

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道の駅うずしおの通過チェックを終えた後。ここまでは好天のなかの楽しいサイクリングと言ってよかった。

水仙郷を越えてからが地獄の始まりで、まずは諭鶴羽山へ。淡路島の最高峰とはいうものの、標高は600mほど。ただし、かつては修験者の行場だったらしく、頂上付近にある神社が通過チェックまでの道のりは険しい。九十九折りに加えてコンクリートの簡易舗装。

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今回は神社への往復だったので、上ってくるランドヌールと上り終わって下るランドヌールがエールを交わしていた。実はここから展望台、があってダムへ下るこぶし台の石がゴロゴロしているグラベルがあり、4年前は冷や冷やしながらロードバイクで下った。5人いたら2人はパンク、1人は落車、そのうちの1人はRDハンガー壊すだろう(笑)次回以後はそのコースが取り入れられるかも?

今回のコースで想定外だったのが、中盤の柏原山。前日にストリートビューで見るとこの有様。

柏原山

危険な立て札がある取付道路が今回のコース。思い出した。4年前もここはヤバそうだと思って回避したんだ。

侵入して直ぐに反射ベストを着た人たちがうろうろしている。どうもブルベ関係者ではなさそうで、猟友会?なのかシェパードを連れていた。そう言えば、この辺りにはイノシシと鹿が出るらしい。自分が到着したのは16時。暮れてからここを上って下るのは実質DNFに近いだろう。路面にある枝葉に落石が多数。平均10%の勾配に時折20%級の傾斜が。今回は11-25Tで(というか、11-25Tをセットしたホイールしかない。SR600の時だけは11-28Tだ。)来てしまったので、ダンシングでノロノロと喘ぎながら上る。こういう所では速く走る事るよりも、この先の道程も考慮して機材、特にタイヤに負担をかけないように走るのが正解だ。枯れ枝と小石を避けようとして、足を2回着いて、再発進が難しそうだったので押し歩きは合計で1kmくらい。機材と身体へのダメージを考えるとこの選択しかなかった。ここで累積標高は4,800mを越えた。よく考えたら再度山も上ってるし、最後に六甲山に上らないだけで、これってGranfondoシリーズと一緒じゃね?と思わずにはいられない。

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柏原山の通過チェックにて。完全に両足とも売り切れました。ただし、夕焼けの瀬戸内海を望む景色は筆舌に尽くし難いほどの綺麗さ。逆光で写真に収められなかったのが悔やまれる。

下った後はジェノバラインで淡路島を脱出するだけ。19時20分と20時の便が候補。ちょっと頑張って踏んでいけば19時20分に間に合うだろうけれど、ゴール後は自走で帰宅するので、極力足は残しておきたいところ。のらりくらり走っていると、後ろからやってきたサイクリスト達と合流。FさんとTさん。どうやらFさんは19時20分狙いのようだが?一発勝負に出るのか、Tさんの強力な牽きが始まるも、柏原山で散々な目にあった足で30kmオーバーの巡航はキツかった。先頭交代ができる状況ではない。というところでTさんが失速、どうも足を攣ったようだ。後から合流するからという事で、Fさんを引き連れて岩屋へ向かう。Tさんのおかげで20分が現実味を帯びてきたので、5分間だけFさんに先頭を譲った後は、20分ちょうどには着けるペースで牽き始めるが...。岩屋に到着すると直ぐに船員さんに声を掛けたところ、次にしてくださーいとのつれない言葉が。まだ19分だったけど乗船は終わっているようなので、あえなく出港を見送る事に。悔しいのう。

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まだゴールした訳ではないけれど、監獄・淡路島を脱出する目途が付いたのでホッと一息。

明石まで来たらゴールしたも同然。一緒にジェノバに乗った参加者もみな安堵の様子が伺える。六甲山に上らなくて良いだけでこれだけ気が楽になるのもおかしな話である。実際にはダラダラした登坂や気温は0度近くまで下がるし、大変な事に変わりはないのだが...。今回はインナーウェアにfinetrackのベースレイヤーとドライレイヤーを重ね着。今までこの組み合わせで汗冷えをしたことがない。今回のように登坂で汗をかく、そのあとの気温が下がるという難しいシチュエーションでも十分に対応できた。

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ゴールの受付はいつもとおりのマクドナルドにて。ちょうど自分が到着した時は、同日に開催された佐用、日生へ向かうコースのゴール受付で賑わっていた。寄り道がどうとか、カキオコがとかうどんがでキャハハ、ウフフの嵐。なんだかみんな楽しそうだぞ(# ゚Д゚)最後の最後まで、不思議と達成感よりも悔しいなぁという気持ちが残るブルベだった。

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日付が変わって2時過ぎに帰宅。自転車は年末に拵えたWILIERのクロモリフレーム。愛称は”ガス子”

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ブルベと帰宅で走行時間は22時間、330km。衛星はGPSのみ、画面の輝度を10%にして運用。400kmだったら追加充電なしで使えそうだ。

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