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見える孤独をあじわいたい

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代々木4丁目のマンションから八王子の雨漏りする平屋に移り住んだことで起こったこと、変わった暮らし、人生について。タイトルの「見える孤独をあじわいたい」は、漫画家|手相家の卯野たま…
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見える孤独をあじわいたい 03

彼のことが進まない 彼のことなど進まないのである。記憶とはそう都合よく運ばない、あるいは思考とは。あるいは想像とは、時間とは。そういうことばかりなのである。だけど試みることはできる。人には自由意志というものがあり、その自由意志が有効なのか、それとも決まっているルートをベルトコンベアーに運ばれるように、ディズニーランドなどの乗り物アトラクションみたいにただ運ばれた先に決まったタイミングで何かがどーんと出てくるそういう世界と同じなのかは本当にはわからない。彼が運命だったのか、運