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クラスター社員が語る、バーチャルカメラの魅力。

この記事は クラスター Advent Calendar 2020 の8日目の記事です。
昨日は Shimasayさんの「アバターVRM作成と軽量化」でした。アバターを自作される方は必見の内容です。

はじめに

こんにちは、クラスター株式会社でディレクターをしている野村です。
普段はイベントの制作進行や当日運営のお仕事をしています。

当日運営の中に、クラスターのイベントの様子を配信するお仕事があります。今回は、配信に密接に関わる「バーチャル空間のカメラ」についてお話しようと思います。
バーチャルイベントの配信について少しでも興味がある方や、clusterのイベントを配信されている方は是非ご覧ください。

バーチャル空間のカメラって何?

まずは、バーチャル空間のカメラ操作について説明します。
2020年7月13日、cluster v1.71のアップデートで、ゲームパッドで自由にカメラを操作できる「プロカメラマンモード」が解放されました。

(詳細は下記のnoteより)

このアップデートによって、
・ゲームパッド(xboxコントローラーなど)
・PC(Windows)
・配信ソフト(OBSなど)
・clusterアプリ

があれば、誰でもバーチャル空間の自由なカメラ操作を行って撮影/配信が出来るようになりました。
ゲームパッドで操作するので、①ボタン操作で画角を切り替え可能だったり、②スティックを使用して自由自在にカメラを動かせます。

①ボタン操作で画角の切り替えが可能

切替_軽量版

②スティックを使用した自由自在なカメラワーク

カメラワーク_3


cluster公式チャンネルでもプロカメラマンモードの機能を使用して、cluster内のイベントの様子を配信しています。

ここが凄いぞ!バーチャルカメラ!

さて、そんなバーチャルカメラで、僕のイチオシ機能をご紹介します。

それは「視点記憶機能」です。

「視点記憶機能」とは、ゲームパッド、キーボードで保存した視点に自由に移動することができる機能です。ゲームパッドは最大4視点、キーボードでは最大20視点まで記憶できます。

このnoteでは、この機能だけ覚えていただければ大丈夫です。
(※ゲームパッドとキーボードの操作方法は下記画像を参照ください)

画像3

「視点記憶機能」は、キーボードの【0-9】【Q-P】の20個、コントローラーの4個のボタンを使用すると

1台で【最大24視点】を自由に移動して操る

ことができます!
これは現実に置き換えると凄いことで、リアルで24箇所の画角から映像を撮るには、その分の「カメラ台数」を用意して、カメラを使う人手も必要になります。でもバーチャルだとゲームパッドのボタン1つで自由に画角が変えられるという大革命です。

この「視点記憶機能」を上手く使うことでバーチャル配信の映像はとてもリッチなものになります。単純に1つの視点からずっと動き続けてる映像よりかは、複数の視点にいつでも飛べて、必要なタイミングで、適切な角度から、映像を配信できた方がバリエーションも豊富な良い映像になるからです。

多視点を使った公式イベントの配信例でいうと、V.V.V.2019というVTuberアイドルを発掘するイベントがあります。
①ライブステージを行う場所、②審査員の方々がいる場所を、「視点記憶機能」をフルに活用することで撮り逃しなく撮影することが出来ました。(画像の3枚目の手前がステージで奥に審査員席があります)

とはいえ、1つのイベントで24視点も使用するのはごく稀です。
24視点の画角を頭の中に入れて操作するのは、慣れと結構な準備が必要です。

そこで、ここからは今日からできる!視点記憶機能を用いたバーチャルカメラの利用例を紹介していきます。

「視点記憶機能」を用いたバーチャルカメラ例①
【カンファレンス編】

1つ目はカンファレンス編です。
発表会やトークショー、プレゼン系のイベントを視点記憶を用いて撮影する例です。
以下の4つの視点を記憶して切り替えるとイベント全体の雰囲気が分かる映像になります。

①会場の様子が分かる全体引きの画
②登壇者をメインにした画
③スライドをメインにした画
④お客さんの様子をメインにした画

①会場の様子が分かる全体引きの画

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イベント全体(お客さん+スライド+登壇者)が分かる安定的な画です。
基本的にこの視点の固定画にしていれば間違いないです。

②登壇者をメインにした画

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登壇者にスポットを当てたいときに使える画角です。

③スライドをメインにした画

画像6

スライドに注目させたいときに使える画角です。

④お客さんの様子をメインにした画

画像7

発表後にお客さんの反応があったときに使える画角です

この4視点を記憶して、ボタンやキーボードで画角を切り替えるだけで、よりリッチな配信になります。是非お試しください。

「視点記憶機能」を用いたバーチャルカメラ例②
【音楽ライブ編】

続いては、音楽ライブ編(演者1人想定)です。
ライブ会場ごとに景色が変わるので一概には言えないですが、
音楽ライブは以下の8視点を紹介します。

①会場の様子が分かる全体引きの画
②演者の正面カット
③演者の上手からのカット
④演者の下手からのカット
⑤演者の背後からのカット
⑥お客さん目線に近いカット
⑦会場全体を見せる最大引き
⑧真上からのカット

①会場の様子が分かる全体引きの画

画像8

イベント全体(お客さん+演者)が分かる安定的な画です。
この視点の固定なり、寄ったり引いたりカメラワークをするとよいです。

②演者の正面カット

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演者の正面寄りのカットです。
歌っている演者にスポットを当てたい際にこの画角を使います。

③演者の上手からのカット

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④演者の下手からのカット

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③と④は交互で使ったり、組み合わせて使うと画角に変化を出せます。
演者が横を向いた際、それに合わせて画角を変えるのもアリです。

⑤演者の背後からのカット

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正面からの画に更に変化を加えたい際に使えます。
お客さんの盛り上がりも背後からの画角だと伝わります。

⑥お客さん目線に近いカット

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観客席の目線に近いカットです。
お客さんの盛り上がりと演者のパフォーマンスがバランスよく見せれる画角です。

⑦会場全体を見せる最大引き

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①のカットより更に会場全体を見せるカットです。
ライブ会場にも寄りますが、全体の景色を見せたい時に使えます。

⑧真上からのカット

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①〜⑦まで当てはまらない特殊なカットです。
アクセントを加えたいときに使用すると幅のある映像になります。

以上が音楽ライブの際に使えるカットです。
8視点はほんの一部であり、ライブする会場によって写したい画角は変わることが前提ですが、参考になれば幸いです。

さいごに

最後にバーチャルのカメラワークについてポエムを少し書こうと思います。

バーチャル上のカメラワークでも、個人的に大事にしているのは「情動」です。
バーチャルでもその人の感情が表れてるカメラワークが含まれてると素敵だなぁと思います。

バーチャルカメラは本当に便利で、今後は何でもカメラワークを自動化できると思います。指定した対象を自動で追ってくれたり、同じ箇所をずっと往復してくれるカメラだったり、丸々全部をプログラミングで制御するなども恐らく可能です。

ただ全部が自動制御されてる映像は無駄はないけど、不意な面白さは無いというか、現実でカメラを撮ってるときに、つい、手が動いて撮りたいものを撮っちゃう。みたいな映像が人間って感じがしてよいなぁと考えてます。

clusterの配信で例えると、ステージの演者さんを撮っていれば画的には間違いないけども、めっちゃ楽しんでるお客さんが見えて、つい、お客さんを撮ってしまう みたいなことが起こります。そのときは、バーチャルでも人の感情が現れて、最高に楽しいなぁと感じてます。

持つ手をカメラからコントローラーに変えますが、バーチャル上のカメラ/配信でも感情が分かるのがclusterのめっちゃ素敵なとこです。

今後はプログラムで任せる箇所と、人間が動かす箇所で、必要に応じて切り替えられる という感じになるといいなぁと思ってます。

以上、ポエムでした。
今後ともcluster内のイベントは勿論、配信についてもご注目いただけると嬉しいです!

というわけで8日目のアドベントカレンダーでした!
9日目は anoriqq さんの「安く簡単にGo製webサーバーをデプロイする! Render.comの紹介」です。是非ご覧ください!


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