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Big shout out ドミコとTENDOUJI 痺れ上がった心がプレイヤーに

 新曲「酔鯨」がミュージックビデオと共に世に放たれた。人に聴いてもらえる・見てもらうってのは嬉しいな。改めて、音楽は人に届いてやっと存在できるんだなって実感した。ありがとう。

 曲がりなりにも10年音楽をやってみてわかったことがある。僕は、生活している中で、感じたこと・発見したこと・感動したことが蓄積した結果、詞になるタイプらしい。この「酔鯨」も2年前に起きた出来事や感じたことが、曲の始点になっている。

Apple Jazz
夏の日 セッション
0704福岡でフリースタイル
Big shout out ドミコとTENDOUJI
痺れ上がった心がプレイヤーに

酔鯨- 山田大介

 2022年7月4日。気づけば長い付き合いになる2人組ロックバンド「ドミコ」のツアーの九州編に、こちらも長い付き合いになるパンクバンド「TENDOUJI」が参加していた。僕はちょっとした手伝いもあって帯同していた。

 その福岡公演の日。ライブ前の張り詰めた空気と、よく知る間柄の対バンならではのリラックス感が漂う楽屋で、ドミコのひかるから「アンコール、セッションする感じになったらノルオブ、フリースタイルしろよ」と言われた。

 マジかよ。青天の霹靂。その発想は1mmも無かった。ドミコとTENDOUJIのライブは、いつ見ても何度見ても、心が動かされてしまう。それぞれが積み重ねてきた時間や密度に由来する凄みを持っている。そんなやつらのセッションに、約3年大きなステージに立っていない男が参加していいのか?無理じゃん、普通に考えたらありえねー。ダメダメ!

 でも、気づけば僕は「おう、やるわ〜」と返事をしていた。(自分では余裕ある感じで返事したと思っていたが、実際は顔パキパキで真っ青だったらしい。本当に恥ずかしい。ザコすぎ。)その返事をしていることに自分が一番驚いた。いつもなら適当な言い訳をしてかわしていたはず。でも、なんかやった方がいいと思ったんだよな〜。直感だよなー。クゥー。

 そこからステージまでの時間は、緊張しすぎて全然覚えていない。セッションの映像は、TENDOUJIのユキちゃんが残してくれていた。ありがてえ。時間があれば見てみてほしい。

 今も映像を見ると緊張が蘇ってきてしまって、まともに見れない。この文章を書くために一回みたけど、何故か舌の根っこの方がブルブル震えた。思い出すだけで、あれ?そこって震えんだっけ?ってとこが震えるレベル。(ひかるとケンジがステージ袖で顔が引き攣ってる僕を見て笑ってたのを思い出した。ちゃんと忘却していた脳はすごい。身を守っている。)

 しかし、臨界点を軽々突破した超弩級の緊張の向こうにあったステージは、最高に最高に最高に!最高ーーーーーに!気持ちよかった。生涯ベストだと思う。お客さんが目の前にいて、自分の発する音に反応してくれる。しかも仲間の演奏の上でそれができる。音や空気に引っ張られて、脊髄から言葉が出てくるような感覚。とんでもなかった。奥底から痺れ上がった。僕は音楽が好きだ。ライブが好きだ。プレイヤーでありたいんだなーと思った。

 これがなかったら、どうなっていたんだろうと思うほどに、僕にとっては再起する大きなきっかけだった。あいつらは、そんなつもりはなかったと思うが、とても感謝している。ありがたい。

 その時の #最後の恐竜 で「こんな日があるだけで」という曲を映像にあてていた。タイトルの通り「こんな日があるだけで、生きている意味がある」と歌った曲だ。それほど、当時の自分にとっては大きなことだったんだろう。

 めちゃくちゃ良い風に書いているが、ちゃんとこの日の打ち上げで、セッションの動画を見返されて「ノルオブのフリースタイルはよく聞くと中身が全くない。clap your handsしか言っていない。」という吊し上げもくらっているので安心してほしい。

 30代に入る時、進みたい道が見えず不安だった。そもそも、どんな自分でいていいか分からない。しかしまあ、振り返ってみると10代も20代も最初の方は物凄く不安だったわけで。分かんないなりに一生懸命に生きてく中で、色んな人と関係して道になっていたはずだ。バガボンドの又八的なやつ。

 てな感じで「酔鯨」という曲は、こんな感じで、周りの人との関係の中で、起きた出来事でつくられている。こんな日があるだけで、生きててよかったーーーと思う出来事たち。この感動を言葉にすることで、僕は僕のことを理解できているんだと思う。

 これからも僕は自分のために、音楽をつくりライブをする。誰に頼まれたわけでもない。勝手にやる。好きだからやってんだよなーとあらためて思った。それを忘れちゃってたんだなー

 もし、この曲を聴いてくれて・ミュージックビデオを見てくれて・ライブにきてくれたりして、あなたのつくっていく道に何かしらの形で関係できたとしたら!いや〜痺れるな〜。きっとそれがあれば、また曲ができる。

 つーことで、「酔鯨」が纏う物語の一部を紹介させてもらった。これで曲を楽しむ角度が増えたら嬉しい。
 そんで、5/16(木)に行われる山田大介の企画「山田大介のさいなげくん」でもまた、生きててよかったーーーって瞬間が訪れると思う。その空気を共に吸って、その瞬間を共に味わおう。

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