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また千年後あいましょう おやすみ

 12月6日に「還 199秒」という楽曲をリリースした。山田大介とRing Ring Lonely Rollssの共作。2023年、最後のリリースだ。

「直感」という2マンイベントから生まれた楽曲。

「なんでこの2組でイベントをして、曲もつくってるの?」と思う人もいる気がしたので、筆をとることにする。いてくれ、そう思っている人。

仲良くなるきっかけは二日酔いのさかしたひかる

 きっかけは、いつも説明がない男、ドミコのさかしたひかるから誘われたキャンプだった。そこで、知り合ったのがRing Ring Lonely Rollss(通称:リンリン)のフロントマンである元紀さん
 元紀さんと僕は初対面。ひかるからは最低限の紹介だけで、どういう人間なのか具体的な説明はなかった。その上、僕と元紀さんは、幸か不幸かとてもゆるい人間だったので、お互い「ひかるの友達」という情報だけで、一晩過ごした。

 元紀さんのことをちゃんと知れたのは、ひかるの二日酔いのおかげだ。ある日、また同じメンツでキャンプに行くことになった。集合場所だったひかるの家に到着したが、前述の通り、二人を繋ぐハブがハード目な二日酔い。キャンプに行けないのは明らかだった。しかし、すっかりキャンプに行きたいモードの我々は、ひかるを置いてキャンプにいくことにした。お互いのことを全然知らないけど、まあ前回楽しかったし大丈夫だろ!と、ここでもお互いのゆるさが良い方向に作用した。
 キャンプ場へ向かう車内で色々な話をした。主にお互いのこと。初対面で行うべき会話をたくさんした。僕は音楽をしているとか、元紀さんは松居大悟監督の作品が好きだとか(その後、映画「手」の主題歌が決まった時は共に喜んだ)

そんな感じのとてもアバウトで、ゆるい流れで僕らは出会った。

「直感」のはじまり

 今年の夏頃、一人のプレイヤー「山田大介」として立つことに決めた。SUNNY BOYSで行った「:P」という動きを通して出会った新たな仲間たちや、周りの人たちとの時間が、この二年間、ずっと曖昧にしてきたことをハッキリさせてくれた。

快速特急楽園行」という楽曲で歌っているように「人生のピークはドキドキしている時だ」が自分の行動原理となった。

僕が一番ドキドキするのはライブだ。

ライブをすることで得る感動と興奮はものすごい。あんな気持ち良いもの、この世に中々ないと言えるほど最高だ。お笑い芸人がなかなか辞められないという話は本当だと思う。始めるより辞める方が難しいのも頷ける。
つーか、僕なんか現に辞めれてない。あの話の張本人だ。
 だから、まずライブをすることにした。今考えたら、一人でやることもできたんだろうと思うが、自然と2マンでやることにした。同じようなコトを大事にしている人とやりたいと思っていたと思う。いや、もしかしたら、ひとりでやる自信がなかったのかもしれないな・・・自分の思考を省みてしまうくらい何も考えず、無意識に選択していた。

 2マンの相手として真っ先に頭に浮かんだのが、リンリンだった。

ジュラシックオペラ」という曲が大好きで。特に「生きていくことは失くしていくことだって最近分かったよ」というフレーズがお気に入り。言葉選びに共感を覚えていた。そんで、ライブがめちゃめちゃかっこよかった。ライブを見た日の彼らの衣装が真っ白だったのもあるのかもしれないけど、フロントの元紀さんと森さんが、何かの儀式をしている人のように見えて。やけに神々しくて言葉と音がガンガン体に入ってきて痺れ上がった。そのせいで、すごくお酒を飲んでしまった。

そんなこんなで、元紀さんに「2マンをしたい」と連絡すると、二つ返事で了承してくれた。ありがてえ。

「還 199秒」ができるまで

 2マンするなら一緒に曲やりたいよね〜という、どちらから出たかも分からない素敵な案が審議などなく採用され、0930に行われた直感で披露されることになった。

 リンリンのアルバム「うまれてきてよかった」に収録されている「199秒」という楽曲が、実は未完成で、本来ラップのようなものを入れたかったが、断念したらしい。

 その話を聞いた単純な僕は「こりゃあ!おあつらえ向きじゃあないか!?ひかるの二日酔いから始まった不思議な流れのようなものに導かれているような気がしてきた!!」と謎の着火。すぐさまバースを書いた。

 ライブでやってみた結果は、この写真の表情で伝わるんじゃないだろうか。元紀さんの流し目がポイント

 その後、リリースするなら、と。よりカオスになるよう僕が曲をエディットし、ビートを足した。そのビートに呼応するようにリンリンがコーラス・ギターを入れて出来上がったのが「還 199秒」だ。「直感」でやったセッションの延長のような制作でとても楽しかった。

 ミックスはBAOBAB MCにお願いした。僕と十年以上の付き合いとなるツーカーっぷりと、最強師匠SUIさんに鍛え上げられたMIX能力・スピードは一級品だ。そして、マスタリングはTSUTCHIEさん。二年前、山田大介として音楽を作り始める時に相談しに行ってから、これまで。半ば無理やり見守ってもらっている。二人のおかげで想像をはるかに超える音像となり、よりエモーショナルに、よりカオスに、楽曲に込めていた意志の強度が増した

 アートワークは、SUNNY BOYSの仲間である写真家 植村マサにお願いした。彼に楽曲を聴かせると、いつも作品に込められている何かを彼の視点から解釈してくれて話してくれる。その感想を聴くのが好きで、僕はよく、できたての新曲を聴かせる。マサが、この曲からどんなことを感じるんだろう。その感じたことを言葉ではなく、彼がこれまで撮影してきた写真で教えてもらいたい。そう考え、あいつが断りづらいように寝起きのタイミングを見計らって電話で連絡した

マサ曰く「散る花火の刹那的な美しさ、切なさと楽曲がリンクした」とのこと。

作戦は成功し、起きたばかりの声でマサは了承してくれた。その結果、このアートワークになった。この写真をもらった僕は、曲を聴きながら眺め、これが拡張されるってことだな〜としみじみ感動していた。

 森さんが作曲し、元紀さんが作詞し歌唱した「199秒」を僕が掻き回し、2組で楽曲を再構築。BAOBABとTSUTCHIEさんにより磨き、仕上げられ。マサの写真で拡張された。他者が関わることで、作品が純度を上げていくという不思議な感覚。「何十億人が紡いだこの夜」という歌詞につながっていくような感じ。

「音楽サイコー」と思える瞬間がここにはあった。「還 199秒」冬にぴったりの楽曲だと思う。ぜひ聴いてほしい。

つぎの直感は2024/1/20(土)

なんか呪われそうなビデオだけど、呪われないので安心して。むしろ祝う。おおいに祝う。
龍は森さんが描いた絵。いいですね〜

 山田大介とRing Ring Lonely Rollssの「直感」その2が、2024/1/20(土)に開催される。場所は神保町 試聴室。席数を少し減らして前回とは違う方法でライブを行う予定だ。来てくれたお客さんには身体的で、ドキドキするような体験をさせようと目論んでいる。ぜひ、遊びにきてほしい。

欲を言えば、チケットをはやく尽きさせて安心させてほしいところである。
たのむぜ。痺れさせるから。よろしく。

 まあ、ざっくり山田大介とRing Ring Lonely Rollssの関係はこんな感じだ。
ジャンルや活動している場所は全然違うけど、親和性が高いのは楽曲を聞けば一耳瞭然じゃないだろうか。

 山田大介のことを好きでいてくれる人も、リンリンのことを好きでいてくれる人も、きっと直感は楽しめるイベントだ。新たな楽曲の種になるセッションをすると思う。その瞬間を共にしよう。

以上、山田大介でした!

最後に前回の「直感」で演った「天国」見ていってよ!

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