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美浜区磯辺に漬物カフェ がOPENします。

おしゃれなカフェやスイーツの店、海外の人気フードなど様々な「食」が今の日本では溢れています。それはここ、千葉県千葉市でも例外ではなく、お店それぞれが独自のコンセプトを持って私たちの食をより豊かなものにしてくれています。

私たちが普段活動している美浜区磯辺地域では、ほとんどのお店が駅周辺にあったり、住民が居住している住宅地には気軽に行けるお店はほぼありません。さらにこの街は、市内でも最も高齢化率が高いエリアとなっていて、5年後、10年後、今よりさらに地域の活気が失われていくことが懸念されています。

高齢化率35%の町:美浜区磯辺

1つの場所で20ものコンテンツを実施

そんな時、とあるきっかけで長屋式の戸建て物件を活用できる話が舞い込んできました。当初は、デイサービスなどの高齢者向けサービスを中心として活用していく方向で検討していましたが、ただ単に高齢者が集まる場所ではなく、もっともっと地域にとって開けた場所として、子どもから高齢者まで、幅広い人がこの場所を拠点として繋がれる場所にできないか?そして、その場所がこれから日本で始まる超高齢化社会の中でも、全世代が関わり活気と昔ながらのご近所付き合いを取り戻していく発信源になれないか?そんなビジョンを描くようになりました。

私たちの頭の中で描いた理想の地域拠点を1枚の紙に表してみました。

海に近い立地を生かした地域特性や、住宅地ならではのニーズに応えるための取り組みなど、20ものコンテンツを1つの拠点で行える場所。最大の目的は、どれか1つでもその人との接点を見つけ出し、つながること。そして、1度関わってみると、自分が関わりたいこと、この拠点や地域での何らかの役割(存在意義)と出会えるきっかけとなることです。

なぜ漬物屋さんを始めたか?

そのためには、初めからデイサービスだけやってしまうと、関係者は高齢者のみになってしまいます。誰でも関われて、継続的にお付き合いができること。考えた末、まず最初に取り掛かったのが「漬物屋さん」でした。

左から:看護師めぐちゃん、チーフほんまさん、ひだに

私たちが取り扱っている漬物は、船橋に本店がある老舗「佐々木漬物」です。もともと津田沼のダイエーでお店をもっていて、全盛期は月商400万を売り上げ、メディアでも話題の無添加・無保存料で漬物を作り続けています。85歳の現役漬物師が毎日埼玉から船橋まで2時間かけて年中無休の営業を続け、そのおじーちゃん職人が作るぬか漬けや漬物には、保健所も驚くほどの乳酸菌が含まれていて、私たちの健康を支えてくれています。

佐々木漬け物店主の佐々木さん

とあるきっかけで、その佐々木漬け物の存在を知ったのですが、千葉市から船橋市までどんなにいいものでもわざわざ買いに行くのは地域の方にとっては一苦労ですよね。もっと身近に健康的な食を提供できるものを用意したい、そんな思いから「漬物屋さん」をOPENすることにしました。

始まりはたった1つの冷蔵庫。

なけなしのお金をはたいて冷蔵ショーケースを購入しました。物件の道沿いに僅かに増築された軒先スペースに、僅かにあったくぼみスペース。幅90cm、奥行き60cmほど、これが漬け物販売に使える最大限のスペースです。

冷蔵庫の到着から搬入


11月上旬、お手製のチラシに、店前に置いた看板。これらが僕たちの最大限の広告でした。「試食販売会」と題して、開催した初日、「ほんとにお客さんは来てくれるのだろうか?」そんな不安をスタッフみんなで抱えながら迎えました。ですが、結果は3万円の売り上げ、用意した漬物はほぼ完売状態で、小さな子供はきゅうりの漬物を「これうまい!」と言いながらバクバク食べ、舌の肥えたお母様方からは「あら、これは病みつきになりそうね、体に良さそうだし」と及第点をいただきました。

漬け物の試食会の様子

なんていっても、僕たちが扱っているのは「あの"つけもの"」ですから、よくよく考えれば「売れるかな、美味しいって言ってもらえるかな、、、」そんな心配は全く必要ありませんでした。

次なる課題は3つ

①漬物のロス問題解決
②漬物のパーソナライズ、そしておしゃれに
③一歩中へ、地域住民を巻き込むネクストステップ

漬物、特にちゃんと発酵させたものは余程のことがなければ簡単には腐りません。ですが、"美味しくいただけるタイミング"というのは存在します。

20種類以上の漬物を扱っているので、中には早めに召し上がって頂きたいものもあり、漬物の魅力を発信する立場としては、「売れ残りの廃棄」は絶対にしたくないんです。

漬物の食べ方のブランドチェンジ

話は変わりますが、かれこれ個人的に100人以上の友人を佐々木漬物に連れて行っては漬物の良さを説明してきましたが、みんなの既成概念としてある「漬物の食べ方」のブランドチェンジについて非常に興味があります。

先日、たまたま夜ご飯にハンバーグが出てきたとき、余ったデミソースに乳酸菌発酵白菜を付けて食べみると、美味しかったんです。深みのあるソースとさっぱりした酸味のあるぬか漬け白菜が絶妙に味変し、「おろしハンバーグの次はこれだ!」と思うくらい素晴らしい組み合わせ。(味覚には個人差がありますので各自の判断でお試しください)

こんな経験から、今までは単体で小皿に入れて食べていた漬物の楽しみ方から、漬物の新しい味わい方、食べ方ができないだろうか?

▼代表的な漬け物11種
浅漬け、ぬか漬け、塩漬け、粕漬け、酢漬け、味噌漬け、麹漬け、醤油漬け、辛子漬け、発酵漬け、キムチ、梅干し

これら11種類に加えて、野菜の数だけ漬物は作ることができます。イメージしたのは、「ホテルビュフェ」です。たくさんの種類の食材から自分の好みの料理を選んで食べることができるのは、好き嫌いある人にも、健康を考える人にもぴったりのスタイルですよね。現在扱っている漬物は約20種類、それらを食べやすい形に用意して、自分が好きな漬物や野菜をご飯の上に乗っけて食べる、新しい形の「漬物丼スタイル」を提案してみようと思いました。

自作の漬物丼:彩豊かで組み合わせ方で栄養満点

中には、ゆで卵やミョウガのぬか漬けや、組み合わせるの面白い食品はトッピングとして組み込み、栄養効果、おすすめの組み合わせなどをPOPに書いてお客さんに楽しんでもらうのもいいかもしれませんね!

地域の大学生が発案!「漬物カフェ」

「おしゃれ!」
「漬物カフェなんて新しい!」
「手軽に健康的なものを食べれていいね!」
などなど、地域の人だけでなく新しいターゲット層にも興味を持ってもらうきっかけとなるように、今回のプロジェクトは地域の大学生に協力をしてもらいます。

実は今回の「漬物カフェ」企画、地域居住の大学生がアイデアを出してくれました。当初、このくるみplusという場所の活用方法や認知度向上を目的とした作戦を考えていましたが、ディスカッションが始まって1時間足らずでこの漬物カフェのアイデアが出てきました。

動き出す漬物カフェプロジェクト

さてさて、ここからが大変です。現在関わってくれている学生は4名。メニュー開発、盛り付け、撮影、PR、業務フロー作成、仕入れ、店舗レイアウト。圧倒的に人が足りませんので、ぜひこのプロジェクトに興味を持った方は参加してみてください!

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