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FC8810 presents Hayato plays Sumino in Osaka ①

ピアニスト角野隼斗さんの初のFCイベントに行ってきた。2日前に東京公演があったが、なるべく情報を入れなかった。それでも目に入るので、だいたい演奏する曲は把握しつつ、非会員の(唯一リアルで角野さんの話をできる貴重な)友人を誘ってシンフォニーホールへ足を運んだ。

■Program
さくらさくら
胎動
La valse à tout le monde “ルマンドワルツ”
大猫のワルツ
ティンカーランド
おもちゃの兵隊の行進 (キューピー3分クッキングメインテーマ)
Happy Birthday to Everyone (12の調によるハッピーバースデー変奏曲)
Human Universe
かすみ草
ピアノソナタ第0番「奏鳴」


1.さくらさくら

5分前のチャイムが鳴り客席が静かになるが、ギリギリに来られた方がちらほらいて若干遅れて客席が暗転。あの静けさはNOSPRツアー大阪公演を思い出させた。そして角野さんが緑の鍵盤ハーモニカを携えて登場。(東京公演夜の部で演奏していたのを知っていたので、忘れずに持ってきたんだ、と思ってしまった) ふつうの鍵盤ハーモニカとはちがいリコーダーのような音が鳴り響く。ちょっと尺八をイメージしたようなトリルを入れたりして、どちらかというとコミカルな演奏。狙ってやってるよね... ちょっと笑いも誘って場が温まったが、一度舞台袖に戻って行った。
東京公演昼の部ではなかったから、夜の部までの間に思いついたんだろう。

2.胎動

一つ呼吸をおいて舞台に登場。みなさんお馴染みの胎動で本編スタート。最初の左手で奏でるCのバスの音。これまで生で2回聴いているが、以前とは違い深みのある音。1音目からハッとさせられた。どちらかというと直線的な響きが多かった(私の勝手な感じ方)が、ふくよかでそれでいて凜として... 右手のキラキラしたフレーズは健在で、左手のメロディーの対比が素晴らしかった。この人はどこまで進化していくんだろう。


3.ルマンドワルツ

胎動の前かこの時か忘れてしまったが、MCが「角野隼斗と申します」から始まった。オリジナルを弾くのは気恥ずかしいが、FCなら弾いても大丈夫、みたいな趣旨を話していた。(細かいところは他の方のnoteやツイートを見てください)
オリジナルだけでリサイタルできるなんて素敵なこと。ぜひアルバムにまとめてくださいませ。
ルマンドワルツは、ブルボンさんのお菓子ルマンドのCMBGM。まだ私はTVでお目にかかれていないが、ブルボン公式Youtubeにアップされており、全編聴きたいと思っていた曲。念願がかない、うれしかった。弾いてみたいと思っていたのに、これはかなり難曲。Youtubeで聴いていたよりもたくさん音が詰まっていて、うわあって声が出そうになった。でも弾きたいので楽譜下さい!
(弾きこなせるがどうかは別として)
途中、聴いたことのないフレーズも出てきて、フルならではの演奏だった。


4.大猫のワルツ

実家で飼っている猫、プリンちゃんの様子から作った言わずと知れた角野隼斗を代表する曲。いつ聴いてもかわいいプリンちゃんが頭に浮かんでくる。中間部の優しいメロディー、一層心に沁みる音になっていた。具体的にはうまく言えないけれど。その後の再現部のジャジーなところは省略してしまっていたのが残念。あそこ、すごく好きなので。


5.ティンカーランド

ここでトイピアノ、鍵盤ハーモニカ、譜面台が登場。(鍵ハはマネージャーさん、トイピアノは調律師の按田さんが持ってきていました)  
CDには入っているけど、Youtubeはかてぃんチャンネルにはなくblue note公演での演奏がアップされている。生で聴くのは初めて。トイピアノってもっと小さい音かと思っていた。キラキラ響くかわいい音。でもホールに響く!マイクはなかったはず。あんな小さいのに意外と男前なんやなぁ(語彙力が...)と感じた。
角野さんの朗らかさが全面に出る楽しい曲で、気分を上げてくれる。

6. おもちゃの兵隊の行進 (キューピー3分クッキングメインテーマ)

こちらはピアノ×トイピアノの曲。生では初めて。鍵ハもトイピアノも鍵盤楽器だけど、鍵盤の幅、重さ、タッチ感が全く違う。それを混ぜて演奏するってすごすぎる。使い分けながら同時に弾くってめちゃくちゃ難しいはず。角野さんは鍵盤楽器を弾くために生まれてきたのだと思ってしまう。題名のない音楽会をきっかけにパイプオルガンをマスターし、チェンバロにも挑戦しようとしている。個人的にはピリオド楽器も聴いてみたい。(以前コンサートで弾いていたが私は行けなかったので)
トイピアノだけで弾いている時、客席に向かって弾いていて、なんだか照れくさそうだった。グランドピアノだと(映像ではなくライブでは)右側からしか見られない。貴重な場面だった。
曲はトイピアノだけで原曲メロディーを弾き、だんだん壮大に変奏していく。他の変奏曲もそうだけど、盛り上がるにつれて高揚感に満たされる。

7.Happy Birthday to Everyone

変奏曲つながりでハッピーバースデー。角野さんが「今日誕生日の方いらっしゃいますか」と尋ねるとお一人挙手を。みんなの拍手の後「おいくつですか?」なんて聞くから会場が凍りついた... すぐに「答えなくていいです」って... ほんとびっくりさせられた!質問の内容はともかく、全体的にMCが、FCイベントだからなのかいい意味でくだけてるっていうか、スムーズになっていた。
12の調で12か月を変奏していくこの曲。「今どこを弾いているかわかるようにライトがあればいいんですが、今日はないですけど」と全国ツアーのことを織り交ぜながら話していく。
曲は、Youtubeでおなじみで、楽譜も出版+かてぃんラボで手に入る。私事ですが、去年の発表会で弾きました。まあ、難しい... とてもじゃないけど、角野さんのスピードでは弾けなかった。でも曲の雰囲気を感じながら弾いて楽しかった。
生で聴けてうれしかった。(こればっかり言ってる気がする)  ところどころ楽譜と違うアレンジを加えていた。

8.Human Universe

こちらは一昨年のブルーノート公演で初お披露目で、今年のツアーで弾いていた曲。壮大な宇宙を駆け巡り、どこかへ吸い込まれていくような感覚になる。

9.かすみ草

これはTBSドラマ「私がヒモになるなんて」のメインテーマで書き下ろし。MCでわたヒモでってサラッと言っていたが、非会員さんでSNSやってない方は???だったかも。関西では残念ながらTV放映されていない。(TVerで視聴可能)
「英語でかすみ草はbaby breath、赤ちゃんの吐息って言うんです。かわいいですよね。」
可憐な小さい花でそう名付けられたのかもしれない。近々リリース予定だそうだ。繊細でかわいらしい曲。どちらかというと今までのオリジナルは壮大で外に広がっていく感じが多かったが、こんな曲も書けるんだって思った。弾きたいので楽譜下さい!(2回目)

10.ピアノソナタ第0番「奏鳴」

オリジナルの中でいちばん聴きたかった曲。2020年12月初のサントリーホールでのソロリサイクルで初めて披露した。その時のMCでどういう経緯で作ったか話してくれている。(内容はちゃんと覚えていないのでここでは割愛。ここのMCはBlu-rayに残してほしかった)
アルバム"HAYATOSM"にも収録され、かてぃんチャンネルにもあるが、まあ2年余りでこうも変わるものなのか。あまりにも濃い経験を積み、本人の努力もあって、音色が多彩で煌びやかで,.. 思わず天を仰ぎ涙をこらえることができなかった。自分をさらけ出して描いた曲、あれから演奏することはなかったけど3年経ったし良いかなって、と言っていたけど... もっといろんなところで弾いてほしい。きっと心揺さぶられる方がたくさんいると思う。


長くなったので、アンコールは別で書きます。
ここまで読んでいただきありがとうございました!

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