角野隼斗ツアー2024@広島
前回の京都に続いて、角野隼斗さんのソロツアー広島公演へ行ってきました。23公演中3公演目と20公演目。数を重ねて熟成された演奏を期待してわくわくしていました。
(ネタバレですので、残り3公演が初めてで情報を入れたくない方は回れ右でよろしくお願いします)
今回は上手2列目で京都より近く、音をダイレクトに感じられました。残念ながら手元が見えず顔も見えたり見えなかったり。でもペダリングがよく見えて音に集中することができました。
バッハは、よりチェンバロを感じられる演奏でした。京都からの1ヶ月余りで譜読みしたので、より聴いているのが楽しかったです。こう弾くんだなと参考になるところも。
3楽章では時折左足がぴょこぴょこ動く時も。たぶんずっと動かしたいぐらいじゃないかなと。リズミックで楽しんでいるのが伝わってきました。
最初のMCで、万全を期して昨日も今日もお好み焼を食べました!でつかみはOK!
モーツァルトは、第1楽章で第3変奏以降がテンポ抑えめになっていたと感じました。後半のリピートをしなかった楽章も。走りすぎなくて聴きやすかったです。今回は特に第5変奏にやられました。アダージョでテンポが遅くなるところ。京都より遅くして、音も天から降ってくるような艶のある音で、思わず目を閉じて聴いていました。
全楽章通じて、リピートのトリル、いいですね。楽譜通りじゃないところは自分のなかでいちいち反応してました。そういうところを探す楽しみもありますね。
トルコ行進曲変奏曲は、調が変わるのを指折り数えて聴いてみました。なぜか24以上になっちゃって笑。たぶん転調するつなぎとかもカウントしちゃったのかな... 純粋に曲自体を楽しみたいし、楽譜見ながらどう組み立てられていくのか感じて何度も聴きたいので、是非音源化を!今の角野隼斗が詰まった曲ですね。
大猫は、やはりチェレスタがかわいい。自作曲を複数鍵盤を使うように違った感じで聴かせてもらえるのもいい。たぶん、ずーっと弾いていく曲なんでしょうね。トイピアノできらんと弾いた時、どよめくのも京都と一緒でした。
パリのアメリカ人は、前回よりも原曲を聴いていったのですが、やはり元々の曲がこれでもか!という曲なのでちょっとしんどいというか。(ピアノソロで18分って大曲。私は少し短く編曲してくると思ってました) もちろん演奏はいろいろ工夫されてて、やっぱり私はピアニカ使ってるところが好きです。
ボレロは照明にも気を使い、真っ暗なところからミニマムにスタート。曲が盛り上がるにつれて明るくなっていくのが聴覚だけでなく視覚からも高揚感を感じさせますね。Gの連打で正確なリズムを最後まで崩さず弾き切るのは並大抵なことではなく... 片手だけでなく、メロディーや他の伴奏を弾く中で左右の手を駆使して刻んでいくリズム。千葉公演の配信で手元を見るのがとても楽しみです。アップライトもおそらくプリペアド(釘などを入れて音を変えるようにする仕組み)にしてるでしょうし、その辺りのからくりも知りたいです。いつかラボで解説してほしいです。
ボレロの後は圧倒されて放心状態。拍手するので精一杯でした。
ノクターンはシンプルなメロディーをモチーフにして展開。2回聴いただけでなんとなくしか記憶できてなくて。本人解説では夜明けをイメージしたとのこと。さーっと静かに夜が明けていく、夏とかじゃなくて晩秋のイメージに私は感じました。こちらは秋にリリース予定のアルバムにきっと収録されるはず。待ち遠しいです。
きらきら星変奏曲はハ短調。もう以前にYoutubeにある曲とは別物になってきましたね。レベル0のあとは、その日の気分(事前にある程度こんな感じでというのはあるかも)で、めくるめく展開。この日は同じハ短調のラフマニノフピアノ協奏曲2番第1楽章をモチーフにしたところも。角野さんに出会った曲だったので、熱いものがありました。
今回の公演、広島での初ソロリサイタルだったせいか、初めて来られた方が多かった様子。MC対する反応の笑い声がよく聞こえてました。9月のオケ公演の宣伝もしてました。でも、ソニークラシカルからアルバムが出ること、いうの忘れてましたね。号外の紙が入っていたのうれしかったです。
1月末から始まったツアーも残り3公演。今週は週末に岐阜・サラマンカホールでコンチェルト。2曲も弾くのでこれは行きたいとチケットを取りました。念願のラヴェル、ショスタコービッチです。その後はラストスパート。千秋楽の地元千葉公演は配信が決まりました。楽しみにしてます!
ちょっとおまけ。演奏以外のことで気づいたこと。前半と後半でボトムスの丈が違っていたような。前半では気にならなかったんですが、後半では靴下が見えてました。黒とグレーのツートンカラー。後半はグランド・アップライト・チェレスタと3方向に鍵盤楽器が配置されていて、動く時に裾が引っかかるのを避けているのかなと。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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