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日本センチュリー第274回定期公演に行ってきた

2023.6.10(土) ザ・シンフォニー・ホール
指揮  飯森範親
ピアノ 角野隼斗
日本センチュリー交響楽団
合同演奏 パシフィックフィルハーモニア東京
プログラム ジョン・アダムズ 
Must the Devil Have All the Good Tunes?
リヒャルト・シュトラウス アルプス交響曲


4月からNYに拠点を構える角野さん。たくさんのインプットからの、今回から約1ヶ月半、日本での怒涛のアウトプットが始まる。その最初の曲は指揮者の飯森範親さんからのオファーで、ジョン・アダムズのピアノコンチェルト"Must the Devil Have All the Good Tunes?" (悪魔は全ての名曲を手に入れなければならないのか)。
ユジャワン×ロサンゼルス響に委嘱された曲で、日本でも来日公演を行っているが、日本のオケ・ソリストでは初めて。その世界初演がアルバムになっており、Youtubeやサブスクで聴くことができる。

演奏当日に角野さんがnoteをアップしてくれた。
先日行われたかてぃんラボでの楽曲解説をコンパクトにまとめている。「時差ボケで早起き」だからとTwitterで書いていて照れ隠し?なんて思いつつ、演奏者自身が解説記事を書いてくれるなんて本当にありがたい。ユジャワンの演奏で予習をたくさんした(楽曲自体ほんとクセになる)。


今回の席は最前列。いろいろあって最前列とオケに最適とされてるJ列のチケットを持っていたが、J列を母に譲った。ビオラが真ん前、コントラバスがよく聴こえる席で、冒頭は正直弦がとっちらかった感じだったがこればかりは仕方ない。
ピアノに集中して聴いていると音の数が増えてきて、めくるめくdevilの世界へ。私の中ではSF映画のBGMのような感じで、第1楽章は何かに追いかけられているような。第2楽章は森の中を彷徨って、第3楽章でまた追いかけられて、でもどこかへ行ってしまった... そんなイメージだった。予習した音源より装飾音とか増えているような気がして、途中から違う音楽に聴こえてきた。実際のところはどうかわからないが。

下手側でホンキートンクピアノの音がよく聴こえるところもあり、こんなところで使ってるんだと思ったり、弦楽器がパーカッションのような演奏をしていたりと、現代音楽ならではの奏法なのかな、詳しいことはよくわからないけど、音源を聴くだけじゃわからないこともあった。

私の席からは角野さんの足元がよく見えて、右はペダルを踏みつつリズムを取って、左足は後ろへ引いたり足踏みしてリズムを取り、楽譜めくりのプレート(のようなもの)をさっと踏んだりと大忙し。プレートは同時に2,3回踏んでいる時もあったので、暗譜で弾いている時もあったと思う。

怒涛の演奏は鐘の音で締めくくり。音の余韻に会場全体が浸って、マエストロが落ち着くまで固唾を飲んで見守った。スタオベはなかったけど、盛大な拍手。マエストロがベースやホンキートンクピアノなどの演奏者を讃えていた。

カーテンコールの後のソリストアンコールは、「お口直しに楽しい曲を」カプースチン・演奏会用エチュードOp40-7間奏曲。全国ツアーでも弾いていたが、より艶やかでジャジーな至極の演奏だった。(ツアーではホンキートンク仕様だった) 全国ツアーで聴いた時から8曲全てほんと音源化してほしいとずっと思っている。


後半のアルプス交響曲。大編成なので舞台ギリギリまで椅子が並べられ、立ち上がればビオラの皆さんに手が届きそう。上から見たら圧巻だったんだろうな。2階席最前列がいちばんよかったのかもしれない。
たくさんある楽器それぞれが活躍する曲なので、いろんな音が聴こえて楽しいし、ウインドマシーンやサンダーマシーンなど通常のオケではあまり使わないのもあって、ほんとに登山してる気分になる。(どうやって使っているのか見たかった)
パイプオルガンも使っていたような。

あとから母に聞いたのだが、飯森マエストロは暗譜で指揮をしていたそう。50分にわたる大作で、単一楽章で切れ目なく集中して指揮するなんて、ほんとすごい。還暦を迎えられているのに年齢を感じさせないアグレッシブな指揮だった。

最前列だったので、ビオラ・コントラバス以外の楽器の様子が全くわからなかったのが残念。(だからB席なんだろう) 今日はおそらく記録用に最後列の席の後ろにカメラがあったが、PPT東京公演は収録があってほしいとつくづく思う。



最後まで読んでいただきありがとうございました。

ポスターにはマエストロ・ソリストのサインが

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