ロボピッチャーと私 その4 透明ランナー

さて、最初のミニアルバムからわずか8ヶ月で発表された2ndミニアルバム「透明ランナー」の2004年当時に書いたレビューです(^^;;


昨年のボロフェスタでそのライブを見てからというもの、個人的にかなり入れ込んでいるバンドがロボピッチャーです。彼らの魅力はとにかく楽曲の完成度が高いこと。どの曲も徹底的なまでにアレンジが練られているので、聞いていてだれるということがないのです。また、かとうたかおの書く歌詞も不思議な魅力にあふれていて、歌詞はあまり重視しない僕ですが、なんか気になってしまうのですね。歌いだしからして、「スリッパの音 響かせながら 廊下で命の意味を知る」「君にサイダー 僕はウーロン 乾杯は午後8時」 「チンパンジーがついに言葉をしゃべったってさ ニュースで言ってた」と唯一無二のイメージをかきたてる言葉が並びます。もちろん、すぐに覚えられるキャッチーメロディも健在で、難しいコードは使わなくても、よい曲が書けるという見本市のようでもあります。

「ループ」
力強いギターのカッティングに続いて現れる風を切るシンセサウンドが独特の世界を作り上げている華麗なオープニングナンバー。リズミカルに動き続けるベースラインをアレンジの基礎にしておきながら、間奏でベースレスにするなどアレンジに工夫が感じられます。

「恋でも恋じゃなくても」
「やめてけれ・やめてけれ・やめてけ~れゲバゲバ」と歌いだしてしまいそうなイントロに続く昭和歌謡風行進曲。要所でグリッサンドを使ったオルガンによるぶっとい音の壁がいい感じです。

「キャンディ」
どんどこと響くドラミングとオルガンだけをバックにうねるベースラインが目茶苦茶かっこいいです。つぶやくような「キャンディ Ah-Ha」という決めにもシビレます。

「チンパンジー」
ベードラの連打に続いて、ゆったりとしたベースラインと浮遊感あるれるギターの和音に乗せたポエツリーディングがとにかく印象的なナンバー。途中の女声とのオクターブニゾンパートだけ裏打ちになるリズムも気が利いています。

「井戸を掘って」
再び昭和歌謡の世界が登場。ここでもベースががんばって歌っていて、ピアニカがサウンドにもの哀しさを添えています。エンディングギターフレーズはシンプルだけどかっこいいし、続くスキャットとノコギリの即興はどこか振り切れていて圧巻です。

「世界最速のワルツ」
ワルツなのに3拍子じゃないなあ、と思っていたら、案の定途中で3拍子に転調ならぬ「転拍子」 でちゃっかりワルツになります。後半サビを繰り返しながらどんどんKeyを上げていく壊れ加減はたまの音像風景に通じるものがあるように思います。

当時は絶対売れると思ってたんですけどね(^^;;謎解きゲームでブレイクするとは夢にも思っていませんでした(^^;;




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