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志藤正義くんと僕 〜夢女を1年間やってみての雑記〜

※この記事は【1周年!】志藤正義のカードストーリー・フレーバーテキストのネタバレを含みます

ソーシャルゲーム『ワールドエンドヒーローズ 』に登場する、志藤正義くんというヒーローが好きだ。

正義くんは白星第一学園という超エリート高校に通う3年生の男の子(男の子というには限界のある恵まれた体躯をしていますが……)。この世界を守るため戦う男子高校生ヒーローの中でも最強と謳われる実力の持ち主であり、面倒見がよくリーダー的役割も務めている。さらに政治に関与できる一族の血筋であり、休みの日はヒーロー代表として会合に出て大人の事情に巻き込まれていることが多い。しかしその反面不器用なドジっ子(道をよく間違える、球技・料理ができない、泳げないなど)というめちゃくちゃなギャップ萌えのキャラクターである。
以下の記事が非常に上手く正義くんを紹介してくれているので、良ければそちらも読んでみてください。

「守るべきものが多い」ってのも強さだが、「失ったものが多い」ってのもまた、強ささな(志藤)【ワヒロ名言集】-電撃オンライン

私が正義くんに出会ったのはゲームのリリース前・事前登録開始時のキャラクター解禁ツイートだった。(マウント乙だが古参な自覚がある)一目見て好みすぎて笑ってしまった。長身、オールバック短髪、太い眉毛、青・紺っぽいイメージカラー、さらにCV竹内良太さん。ドストライクである。これをきっかけにワヒロに興味を持ち、ズブズブハマっていく。

そして、ゲームに触れていくうち私は正義くんが好きだ、ということに気づく。この場合の好きは、LOVEに非常に近いLIKEである。私はもともと根底に腐女子的思考があり、どんな2次元コンテンツも基本的にBL萌えで消費しまくっていた。タイトルのような「私と●●」など論外だった。
しかし、正義くんへの感情はいわゆる夢女子的なものであった。我ながら驚きである。腐女子と自称するのには慣れているが、夢女子と口に出して言ってみると「女子」の部分につい目が行ってしまい「もう女子って年齢じゃないでしょ!」という感情が先立ちウェッてなっちゃうので、私は今後夢女と名乗ることにします。(他の方々に対しては夢女子という言葉を使うことにします)

ワールドエンドヒーローズというゲームにおいて、プレイヤーはヒーローを見守る「指揮官」という立場にある。ゲーム上では性別も明らかにされず、非常に無個性に描かれているのが特徴だ。だからこそ、私はこの「指揮官」という言葉にいろいろな像を浮かべて楽しんでいる。わかりにくいので図解する。

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(概念って書けてなくてわろた、もう知らん)
こんな感じ。自己投影して正義くんと付き合いたい!デートしたいわよ!という時もあれば、指揮官として正義くんの結婚式に出席し、両親より号泣して(この涙は失恋の涙ではなく、正義くんの幸せに対する嬉し涙である)周りをドン引かせたい気持ちもある。また、根が腐女子なので私ではない男性の指揮官(オリジナルキャラクターというにはぼんやりしているが)が顔を出すこともある。あと、メインストーリーを読んでる時は話の内容を理解するため指揮官はぼんやりしがち。とにかく、色々である。

この中でも自己投影という楽しみ方は、私にとって劇薬であった。何故なら志藤正義くんは2次元のキャラクターであり、実在しないから。そりゃそうだ。私はまだ夢的思考に慣れていないので見ている幻覚(いや歴戦の夢女子たちが見ているのは間違い無く現実であるが)の濃度が薄く、すぐ我に帰ってしまう。私がどんなに正義くんを想っていても、正義くんは私を想ってなどいないのだ。でも私にとってそれはちょうどよい環境だった。

なぜなら、私はアイドルオタクだからだ。は?どうした?という感じだが、私には3次元にも「推しくん」がおり、一方的に(握手会で気持ちを伝えることはできるが、言葉を選んでいる)長いこと応援し続けている。応援ありがとう、とレスポンスは返ってくるが個人的にこうなりたい、というビジョンは全くない。一方的に見つめることが楽しいのだ。推しくんは私のことを覚えていても、絶対にプライベートや内面まで覗き込んでこない。興味がないから。それが安心感に繋がっていて、自分を保つことができる要因になっていた。

そんな思いの中、ワヒロは11月にサービス開始1周年を迎えた。本当にめでたいことだ。色々なキャンペーンの中で、記念としてヒーロー15人の新規SSRが一気に期間限定ガチャで実装された。確率アップや天井(数万円で確実に推しが手に入る)はあるものの、15人の闇鍋ガチャである。絶対に正義くんを引く。できれば天井までに引く。半狂乱になりながらガチャを回した。

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来てくれた。予算の半分くらいで来てくれてびっくりした。嬉しすぎてガチャ結果のスクショを撮り忘れるという大失態。
そしてこの1周年カードには特別なストーリーがついている。その内容は全員筋書きが同じで、ヒーローが他のヒーロー14人に対しての感情を述べるというもの。

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(伊勢崎くんのスクショだが、こんな感じで選んだヒーローについての話題が聞ける)
正義くんももちろん例外ではなく、一人ひとりをどう考えているかが分かってにこにこしながらストーリーを読んでいた。
しかし、最後に正義くんは指揮官に1つの質問をしてきた。具体的なセリフの明示はしないが、さらにその質問のあとこう言い放つ。

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指揮官さん個人のこと、
意外と知らないな、って思って……。

この言葉を見た瞬間、なぜか涙が出てきた。その後数秒して、怖くなってしまった。
正義くんが次元の壁をぶち壊して「私」を見ているような気がしたからだ。自分でも何を言ってるか分からないが、他の例えをするなら、某名作インディーズゲームでキャラクターがプレイヤー自身に話しかけてくるメタ的展開に初めて触れた時のような、そういう種類の怖さである。この正義くんのセリフにそういう意図は恐らくないと思う(あったら怖すぎてゲェ吐いて死ぬ)が、私のようなプレイヤーには酷く刺さるセリフであった。

さらに、先程正義くんが指揮官に1つの質問をしたと書いたが、その内容は指揮官の家族構成についてだった。
家族構成はキャラクターの要素の中でもかなり重要なものだと思うが、指揮官の場合その要素に正解がない。ゲーム上では意図的に空っぽにされており、それは暗黙の了解ですらあるからだ。正義くんはそこを「知らない」と言って覗き込もうとしている。そして、空っぽのそこを埋めるのはまぎれもなくプレイヤー、「私」である。なんとか答えなきゃ、と思い現実の家族構成を正義くんに教える私がいた。(もちろんその後もう一つの選択肢の反応も確認したけれど)

夢女子の先輩方が「あのセリフは私に言っていた」と仰っているのはたまに見かけたが、内心それはないでしょと思っている自分がいた。しかし、実際それを体験してしまった以上もう否定はできない。錯覚だとしてもそういう感覚に陥ることがある!
足元を見ると、夢の溶けた生温い水は膝くらいまで水位を上げてきていた。怖くなったけど、それでも私は正義くんが好きだ。

多分この想いは永遠ではないし、いつか飽きる日が来ることは(活動ジャンルを数年で移動してしまうたちなので)分かっている。それでも今だけはこの夢に浸ることを許して欲しい。正義くん、これからも貴方の「指揮官さん」でいさせてください。あと、なるべくこちらのことは覗かないでください。

とりあえず正義くんとまだまだ一緒に頑張れるように、ワヒロの応援をしていきます。

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