ゆずひこあめ
・ゆずひこあめをご存知だろうか。
・ご存知のはずがない。ゆずひこあめは私、そして私の家族が作った言葉だから。
・それではユズヒコはご存知だろうか。
・そうです。あたしンちのユズヒコです。
・で、ゆずひこあめっていうのは……
・これのこと。目玉焼きの黄身に箸をちょんちょんと突いて、くっついてきたものを「ゆずひこあめ」と呼んでいた。
・あたしンちのアニメが始まった2002年ごろ、私も例に漏れず、Mステの前にあたしンちを楽しみ、それなりにハマっていた。そして、祖母に本屋さんで一冊だけ漫画を買って良いよ、と言われ買ったのがあたしンち7巻だ。
・なぜ7巻だったのかは覚えていない。当時の最新刊だったのかも定かではないが、表紙のデザインが可愛くて気に入っていた。(ロゴとかがエンボス?加工になっていたのをずっと触っていた)収録されている話もかなり粒揃いで(有名なユズヒコと藤野の鼻血の話も入っている)、何度も何度も読み返した。
・単行本の話の合間のページには、粘土で作られた、物語に登場する様々なモチーフの写真が差し込まれていた。
・その中に、こんなユズヒコのフェルトマスコット?の絵がある。これが、ゆずひこあめの元ネタだ。私はこれを卵の黄身みたいだなと思い立ち、夜ご飯の食卓で目玉焼きの黄身に箸を突き刺してはゆずひこあめだ!と騒いでいた、はずだ。
・正直記憶が朧げだ。しかし先日、YouTubeであたしンちを漁っていたときふと「ゆずひこあめ」の存在を思い出し、懐かしくなった。
・上の絵を模写するにあたって、単行本のある実家に住んでいる姉妹に連絡を取った。
・妹は覚えていた。姉には「覚えてない」と一蹴されたが、ゆずひこあめは確かにあったのだ。
・Googleで検索しても「ゆずひこあめ」なんて言葉はどこにもない。ネットにない言葉が今ここに、十数年の時を経て芽吹いた。
・と、大仰なことを書いたけど。こういう家族間でしか伝わらない言葉っていいよね〜、と言う話でした。
・オチはない。
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