【第1回】Hardstyleレーベル紹介【Scantraxx Recordz】

近年Hardstyle人気が高まるにつれて数々のレーベルが設立され、アーティストや楽曲と比べて少しとっつきにくい（？）Hardstyleのレーベルについて今回から書いていこうと思います。

記念すべき第一回目はHardstyle界でも最も大きなレーベルの一つであるScantraxx Recordzを紹介します！

Scantraxx Recordzの誕生と歴史

Scantraxx Recordzは2002年にThe Prophet(Dov Elkabas)によって当時はまだまだアンダーグラウンドだったHardstyleの発展と業界の成長を目的にオランダで設立されました。

Scantraxx Recordzは過去にHeadhunterz, Wildstylez, Noisecontrollers, Frontliner, D-Block & S-te-Fan, Brennan Heart, Atmozfears, Bass Modulatorsと言った数多くのアーティスト達がリリースをしています。

また新人アーティスト発掘にも精力的に取り組んでおり前述した現在シーンを代表するアーティストの多くがScantraxx Recordzからデビューしているほか、Hardstyleの中でもRawstyle専門のサブレーベルを設立するなどいつの時代もプラットフォーマーとして業界の拡大と繁栄を目指して新人タレントには常に目を光らせています。

現在Scantraxx RecordzはメインレーベルのScantraxxの他に7つのサブレーベルを加えた8つのプラットフォームから楽曲をリリースしています(2020年11月16日現在)

・Scantraxx Silver
・Scantraxx Prospexx(旧X-Bone Records ＆ X-Raw)
・Scantraxx Global
・Scantraxx Special
・Scantraxx Evolutionz
・Scantraxx BLACK
・Scantraxx CARBON

それではそれぞれ解説していきますね

Scantraxx

まずはメインレーベルのScantraxxから紹介していきます。

現在メインのScantraxxからはThe Prophet, Devin WIld, Adrenalize, KELTEK, Demi Kanonなどのアーティストが多く楽曲をリリースし、どちらかと言えばメインストリーム寄りのアーティストが中心でしょうか（個人的には全員かなり個性のあるサウンドなのであまりメインストリームとも思わない…）

以上のアーティストの他に普段はサブレーベル所属のアーティストもメインから出すことがあります。

最近変わりましたが長い間ロゴが大きく中心に位置するジャケットが印象的でした

少し前にJDXが久しぶりにHardstyle界に復活して話題になっていましたがその楽曲もScantraxxのメインからのリリースでした。

それぞれのアーティストについても詳しく書いていきたいところですがここでは割愛させていただきます。

Scantraxx Silver

2番目に紹介するのはScantraxx Silverです。

サブレーベルという位置付けで新人発掘を目的に2008年に設立されました。

Scantraxx SilverではEuphoricな楽曲が多い印象で過去にはFrontlinerやAtmozfearsなども楽曲をリリースしています。

現在はSolstice, D-Charged, Hypnose, Shockwave, Broken Element, EnvineなどEuphoric系のアーティスト以外にもDeluzion, Nightcraft, Imperatorz, Rougue Zero, Enemy Contactなどの荒々しいRawサウンドを持つアーティストも多くリリースしています。

後述する同じく新人発掘を目的としたX-Bone, X-Raw出身のアーティストが多いです。

Scantraxx Prospexx

2020年11月より旧X-Bone / X-Rawに取って代わり、新たにレーベルにサブレーベルになったScantraxx Prospexxです。
こちらも新人を対象としたレーベルであり、X-BoneとX-Rawとサブジャンルで分かれていた部門もProspexxの一つに統合されています。
今現在のところリリースはX-Boneの最後の方のリリースしていたアーティストがそのままリリースしているようなので中身はあまり変わらなさそうですが、これから新しいアーティストなどのリリースが増えてくるかもしれないですね。

X-Bone Records / X-Raw

※2020年11月より上記のScantraxx Prospexxが役割を引継ぎ、X-Bone Recordsとしての活動は終了としています

こちらも新人発掘を目的としたサブレーベルで2010年に設立されました(X-Rawは2015年)

X-RawはX-Boneのサブレーベルという風に書いてあるサイトもありますが、違いはRaw系の楽曲を中心に扱う方がX-Raw、それ以外はX-Boneという感じで大きな違いは無いのでここではまとめて紹介します。

レーベル名がX-Bone RecordsということでScantraxxの他のサブレーベルと名前が違うことから一見Scantraxxとは別のレーベルで認識されることが多いのですが歴としたScantraxx系列のサブレーベルになります(過去にはScantraxxのSoundCloudアカウントからX-Boneの楽曲が(誤って)投稿されたこともある)

これはあくまで私見ですが前述のScantraxx Silverと比べるとこちらはまっさらな新人アーティストのリリースが多く、人気が出るとScantraxx Silverや他のサブレーベルからリリースするようになる印象が強いので、どちらかと言えばこちらの方が新人発掘的要素が強いと考えています。

X-Bone Recordsの主な出身アーティストはAdrenalize, Solstice, Xense, Betavoice, Jay Reeveなど、X-RawではKrowdexx, Ravage(現RVAGE), Enemy Contact, Level Oneなどがいます。

Scantraxx Global

4番目に紹介するのはScantraxx Globalで、多国籍的に世界中のHardstyleアーティストのサウンドを取り入れる目的で2016年に設立されたサブレーベルです。

主なリリースアーティストはLady Faith(アメリカ), Stormerz(チリ), Illuminize(アメリカ)などです。

上記のようにヨーロッパ以外のアーティストもいることが特徴ですが、そもそもリリース全体が16曲と少なくアーティストも多く無いため多国籍とまでは言えない様な気がします。

立ち位置も微妙ですが2019年から約1年半で9曲出てるのでこれから活動的になっていくかもしれないです。

Scantraxx Special

Scantraxx Specialは設立は2004年で古くからあるサブレーベルです。

位置付けとしてはAtmozfearsのChill Mixなどの少し変わった曲や普段Scantraxxからのリリースが少ない人のリリースだったり一貫性が無いため立ち位置がよくわからないですが、ちょっと変わったリリースが多いイメージです。

最近ではRebelionがScantraxx Specialからのリリースが多くなり、後述するScantraxx Evolutionzのような専属サブレーベルみたいになっています。

Scantraxx Evolutionz

2008年に設立されたD-Block & S-te-Fan専属のサブレーベルで設立から現在に到るまで全てD-Block & S-te-Fanのリリースのみ(Ghost Stories含む)

レーベル名はD-Block & S-te-Fanが同レーベルから1曲目にリリースしたEvolutionzから。

Scantraxx BLACK

Rawphoricが流行り、Xtra Rawの台頭などHardstyleシーンの変化に影響されて2019年に設立されたRawを専門に取り扱うサブレーベル。

元々A² Recordsという前身が存在していたがそれに取って代わる形で設立された(ちなみにちょうどA² Recordsのラストリリースと同じくらいのタイミングで同様にRawを多くリリースしていたUnleashed Recordsもリリースをしなくなった)

基本的にはXtra Rawに近い激しいRawの楽曲、他にはFrenchcoreやHardcoreのようなアップテンポ曲もしばしばリリースされる。

Scantraxx Blackの主なアーティストはE-Force, RVAGE, Kronos, Deetox Requiem, Imperialなどだが最近はBlackbox EPと言った新人のRawアーティストもリリースしている。

Scantraxx CARBON

今年の6月に設立されたばかりの今最も勢いのある(サブ)レーベル(Scantraxx BLACKよりXtra Raw色が強い楽曲が多い)

設立背景はScantraxx BLACKの設立により新人Rawstyleアーティストが増加し、それは元々Euphoricな楽曲が中心だったScantraxx SilverでもRawを扱うことが多くなった。そして2つのサブジャンルを区別しアーティストとレーベルの両方に強いブランディングを与える必要があったことから。

CARBONとはレーシングカーに使用される素材のようにタフでパワフル、高品質を意味するところから来ているそうです。

現在Scantraxx CARBONからリリースしているアーティストはImperatorz, Nightcraft, Crossfight, Refract, Spectreの5人で楽曲もまだ5曲のみですが、本当に質が高いものばかりです。

Scantraxx Recordzのこれから

Scantraxx Recordzは

Euphoricアーティストにとって

X-Bone Records → Scantraxx Silver → Scantraxx

Rawアーティストにとって

X-Raw → Scantraxx CARBON → Scantraxx BLACK

と言ったそれぞれのアーティスト達にとって最適な成長のプラットフォームの提供が確立されている今、これからさらなる繁栄を追求していくでしょう。

Scantraxx Recordzというレーベルのこれからが楽しみです。

ここまで長い間読んで頂きありがとうございました。

〜完〜

後書き

今回はScantraxx Recordzについて書きましたが実はA² RecordsやUnleashed Recordsについても書きたかったです…

それらに関してはまた次回以降書くか、今回の記事に追記という形で書くかもしれないですが、今回はキリが良いのでここらで終了にしたいと思います。

感想やここ間違いじゃない？みたいなところがあれば是非Twitterなどで教えてください！

今回の記事で少しでもScantraxx Recordzの事が好きになってもらえたら幸いです。

また次回も楽しみにしていてください。

Nø¡z