スプラ3半引退勢によるお気持ち


はじめに

最近何かがあったのか様々な有名勢の方々によってスプラ3でなぜ非公式大会が衰退したか?よりスプラ3を盛り上げるにはどうしたらよいか?といった議論が活発に行われているそうだ。
筆者はスプラ3の最高Xパワー2600程度のなんの発言力もないモブであってわざわざ言及する必要もないと感じていたのだが、ふとスプラ1から10年近く続けて遊んでいるユーザーとして自分を見てみると少し筆をとる価値もあるかもしれないと思いこうして大学の卒論以来のクソクソ長文に手をかけている。
本記事では、スプラ3をこれからどう盛り上げていくか?という高いレベルの話ではなく、一般ぴーぽーである筆者はスプラ3のどの部分が合わないと感じたのか?について終始触れるので、「別にお前の意見は求めてない」という方はブラウザバック推奨である。最初に述べておくが、この記事はあくまで筆者によるひとつのお気持ち表明であって、問題提起のつもりである。もし筆者が誤ったことを言っていたら指摘していただいて、そこをネタにスプラトゥーンというゲームにとって有意義な議論に繋げていければと思う。

筆者について

強い人でもなければ有名な人でもない。スプラ1はカンストしないS+で2は王冠タッチ、3は冒頭述べた通りで、対抗戦や非公式大会への参加はないわけではないがそれをメインにしていた時期はないというところで上位勢とは程遠い、中堅くらいがギリギリ名乗れるところだろうか。何を偉そうにという自覚はもちろんあるものの、上位0.1%にも満たない、言ってしまえば異端(悪意はありませんが誤解を産んでしまったらごめんなさい)なユーザーである有名勢の方々とはまた違う側面で声をあげることができればと思う。

あんなに盛り上がっていたスプラ3、どこでこけたのか

筆者が、と言うよりは発売当時色んなストリーマーさんがめっちゃスプラ3を触ってくれてて、発売当初とはいえすっごい盛り上がってたよなあ〜〜〜って記憶があった。配信者に媚びるわけではないのだけれど、非スプラユーザーも巻き込んで盛り上がってたのは事実だったから本当に当時はこのゲーム覇権が来たんだ、配信者様々だよなあって嬉しく思ってた。一体どこでビッグウェーブは途絶えてしまったんだろう。
これに関してはひとつ筆者の持論があって、リグマ(3から始めた方に伝わる言い方でいうとバンカラパワー)の実装が遅れたことがかなり響いていると思う。
当時のオープンは絶望的にポイントが盛れない場所でしかなかった。フルパ集まってわちゃわちゃ楽しいねえ☺️☺️で終わり。楽しいのは楽しいんだろうが刺激に欠け、配信映えしないという部分が、最近のフルパ配信ブームに置いていかれたのではないだろうか。
Xマッチもなかったので、ソロで建てる目標とすればS+行くかもっとやる気があればS+50を目指すかっていう感じだったけど、それ以上のやり込みコンテンツがなくて「やること終わったので一旦スプラ配信はここまで!」ってなってその後帰ってこなかった方々を何人見たことか。

Xパワー不要説について

Xパワーが悪いというよりは非公式大会の盛り上がりはスプラ1のガチマッチのカンスト制度が少なからず寄与していたよねっていう大会参加勢による主張。筆者も概ね同意見。
スプラ1の非公式大会はエンドコンテンツの側面があって、上位勢が「S+カンストのその先」を求めた結果としてあの盛り上がりがあったと思う。その日ごとに優勝するチームも違っていて観る側としても面白かったし、固定チームを組んで最適化していく様子はゲーマーとして非常に興味深かった。
スプラ2から導入されたXパワーはそのエンドコンテンツの役割を公式から供給するためのものだったのだろう。その取り組み自体の是非についてここでは触れないが、結果だけみるとXパワーの実装が、非公式大会に参加する目的が薄くなっていった原因の1つになっていたと思う。大会で勝ってなくてもXパワー高ければ強そうだし。
しかし実際のところ、エンドコンテンツの楽しみ方として大会とXマッチでは大きく異なる点がある。前者は「チームで強くなる」楽しみ方なのに対し後者は「個人が強くなる」楽しみ方という点だ。Xパワーが重視される世界では必然的にプレイヤーは1人で戦う時間が増えていくことになる。スプラ1で「チームゲー楽しい!対抗戦楽しい!」って思った層ほど、2〜3にかけてミスマッチを感じたのではなかろうか。ランキングがあれば競ってしまうのがゲーマーの性というものであって、ポケ◯ンやス◯6みたいなソロゲーっぽさをスプラ3のXマッチからは感じる。ユーザーを孤独な戦いから解放して再び「チームゲーたのしい」に集中できる環境を作るには、やっぱりレート制を撤廃してランキングが出ない形にするとか、実力を正確には反映しきれないくらい短いスパンでパワーがリセットされるとか、Xマッチがソロ限定という制限をなくすとか、新しい工夫が必要になってくることだろう。
Xマッチは面白くないのか?という話は非公式大会がうんぬんという話題とは異なる場所に論点があるが、スプラ2のXマッチを楽しんでいた層の多くは、スプラ3のXマッチにまた別種のミスマッチを感じたかもしれない。Xマッチが高難度であるなら、孤独であってもその挑戦に心惹かれる層もいるだろう。というかスプラ2のXマッチはその側面があった。パワーが高いプレイヤーほど負けた時のリスクが高く、同じ勝率で勝っていけばいずれ最適な場所に飽和する。「Xパワー3000達成」は高い目標として多くの登山家を魅了していたと思う。スプラ3では1試合1試合パワーが増減していたこれまでと変わって3勝する限り無条件にパワーが上がるので単純作業の側面が強くなった。もちろん、勝ち続けるために努力する上位勢の方々には尊敬して止まない。

単純作業みが強くなったゲーム性

Xマッチの単純作業化に触れたところで、その他の部分についても考えていく。スプラ3でよく問題にされるミラーマッチ制やステージについてだ。
ミラーマッチ制とは、自分が使っているブキと同じカテゴリ(運営によって決められた枠組みで、ブキ種そのものとは異なる)に属するブキの相手とマッチングしやすくなる、というもの。利点はあって、ちゃんと機能していればチーム間の射程バランスが取れて試合体験が良くなる…といったところで「ちゃんと…」の部分を太字にしてあるのはこれが上手に機能してないという指摘が多くあるからである。
ここからはあくまで筆者の感想になってしまうが、中途半端に実装しちゃったよなあ〜〜といった印象を持っている。
ミラーマッチ制が導入されたスプラ3では、これまでよりもさらにブキTierが如実に現れ、格差を広げたと感じる。マイナーブキで勝つには強さがいるというのは昔からそうだったが、今作は特に、あんまり好きなブキで自由に遊べなくなったよなあってのが素直な感想である。本当にこの方法でバランスを取りたいのなら、カテゴリをより細分化しブキTierをある程度反映したマッチングを実現するか、L◯Lくらいの頻度でアプデをいれるくらいのやる気がないといけないと筆者は思う。
ちなみに筆者は、アプデの頻度が仮に毎日あったとしてもこのミラーマッチ制は正しくスプラトゥーンの面白さをユーザーに伝えられないと思っている。
ほぼ必ず対面に同じカテゴリのブキが存在するということは、自分が体験する試合展開が同じになりやすいことを意味する。自分がチャージャーを持てば、(実際はそこまで極端ではないだろうが)ほぼ毎試合チャージャー同士の睨み合いが発生する。筆者が言う単純作業みというのはここにある。
そもそも射程でバランスを取るということが本当に必要なのだろうか。仮にボールドマーカー×4 vs リッター4K×4の試合があったとして、実は割とおもろい試合になりそうだ。ナワバリなのかガチヤグラなのか、ルールによっても有利不利は傾きうる。最も大事なのは、各チームのやりたいことが大きく異なる点だ。そしてお互いがお互いのやりたいことを理解し、上手く立ち回りつつ自分の動きを通す難しさと楽しさを、スプラ2までは感じ取れていたと思う。ミラーマッチ制ではお互いのやりたいことがほぼ同じになるため、単に力比べで勝った方が勝つ。これは事実に即していない極論になるが、ボールド×4を持った時の対面が必ずボールド×4になるゲームはきっとゲーム体験に乏しい。
似たようなステージ多すぎ問題もゲーム体験の乏しさに寄与すると考えられる。モンガラキャンプ場、タチウオパーキング、モズク農園、チョウザメ造船…前作までのステージには何かしらの尖りやコンセプトを感じていたが、今作のステージ評価は散々言われている通りである。直近の2ステージは割と尖らせてきたなってイメージではあるけども。

チャレンジ精神の喪失

「困難を乗り越える」というのがゲームにおける楽しさの1つであると筆者は確信している。縛りプレイをしたがるのも、フ◯ムゲーや壺にハマるのも、困難の先に大きな喜びがあるからに違いない。試行錯誤の上に、現実ではできない数多の失敗を積み重ねて成功へと至るのはゲームの特長だと思っている。夢を見過ぎなのかもしれないが、少なくとも筆者にとってはチャレンジさせてくれるのがゲームなのだ。Xマッチの話に戻るが、スプラ3においては多くのプレイヤーにとっては強敵を倒した際のポイントボーナスはほぼないに等しい(超上位勢など圧倒的に他とパワー差がある場合を除く。また、複数試合計測してからポイント上下が判明するので、仮にポイントボーナスが生まれていてもどの試合が影響しているか分かりづらい)。1勝は等しく1勝分のポイントだし、1敗は等しく1敗なのである。そうなれば、できるだけ弱い敵と戦うことを願ってプレイする他ない。パワーが高い相手と対峙して、負けてもすり傷、勝ったらご褒美という、強敵へ挑戦している感じを今作のXマッチでは感じることが難しい。
一般に触れられてない話題だと思うが、試合始まってすぐ回線落ちが発生した際に試合が強制終了するアレも筆者はいらないと考えている。負けてもパワーが減らない仕様は残ってるのであんまり意味がないと思っているし、回線落ちが起きて自チームが3人になったとして、逆に燃えてくるみたいなバーサーカー精神持ってるプレイヤーも少なくなかったはず。

「混沌」って??

ここまで色々振り返ってみたが、スプラトゥーンシリーズで行われてきた数々の変更は、悪意があって行われたわけではないことは、恐らく多くのプレイヤーも知っている。
不快になる場合があるかもしれない要素をなるべく排除するように動いてくれた結果が現状なのかなとなんとなく思っているが、ユーザーのストレスをなくそうとしたことで逆に抑揚のないゲーム体験になっちゃったのかも。ストレスとノンストレスを行き来する時に心は動くものだし。
スプラ1は確かに尖っていたが、それ故に中毒性があった。辛いもの食べてるみたいな。そうした本来辛い食べ物を、辛いものが苦手な人もいるよねってどんどんマイルドに味変してスプラ3ができたとすれば、その裏には整備に次ぐ整備が行われていたはずだ。それってスプラ3のテーマである「混沌」とは最も離れたところにあるものじゃないか??

スプラ3で改善されたところって?

このままだと批判ばかりしてスプラ3になって良くなった面について目を背けていると思うので、フェアに批評するために、プラスに働いた変更についても考えてみる。
例えばマッチング中も試し撃ちできるようになったのは練習と実践を繰り返せるという点で非常にユーザーフレンドリーな変更だと思う。リスキルされにくくなるようリスポーンを空中にしたのも、まだ課題はあるように見えるが今後の開発に良いフィードバックを得られそうという意味で成功と捉えられる。メモリープレーヤーの実装は最高だった。自己を振り返ったりコーチングしてもらったり、うまくいった試合を公開して皆に見てもらったり…。今までそれを行うにはSwitchとは別に専用の機材を買う必要があったが、ゲーム内で完結する方法ができたので敷居がグッと下がったことだろう。
他にもデコれるネームプレートやロッカーなどの追加はプレイヤーの個性を表現する場として上手く機能していて、またそれらを調達するためのガチャやカタログ屋の存在は、貯めたお金もといゲソを使う新しい価値を提供してくれた。
スプラ3はサーモンランの評価が高い。バイトチームコンテストだったりビッグランといった大きなイベントが開かれるようになって、スプラ2ではただのサブコンテンツでしかなかったサモランも出世したなあなんて思っていたのだが、改めてこういう機会に評価してみて思う。
アレ??これって、「高難度クエストに」「チームで挑む」ゲーム体験なんじゃね??と。

次回作に求めるもの

Xマッチをなくせ!というのは簡単だが、「公式エンドコンテンツが必要」という考え自体については筆者も賛同するところではある。非公式大会も盛り上がって欲しい!という目線で話をするなら、Xマッチの役割ってバンカラパワーやツキイチリグマでも代用できないか?というのが筆者の意見である(ただしソロでもバンカラパワーが算出されるようにするなどの改変を行う必要はあるが)。Xパワーのリセット頻度を超短くするとかでもいい。要は高難度でありつつある程度の上振れ下振れを許容して、一目最高パワーを見た時に強いか諸説あるくらいの指標にしておけば大会で白黒付けようやって気持ちも多少はうまれるかも、と思う。
ミラーマッチ制やステージの単調化については、老害と罵られるのを覚悟で言うとスプラトゥーンというゲームに合っていないと思うのでスプラ1まで戻してほしい。あと3リグも返してほしい。

さいごに

なんやかんや言って次回作が出たら買おうと思っているあたり、筆者はスプラトゥーンが好きである(好きなだけで強くはないんだけど)。ゲーマーとして大会を見るのも参加するのもとても楽しいし、スプラトゥーンが公式大会、非公式大会ともに盛り上がっていてほしい。1ユーザーの意見が通るとは微塵とも思ってないので「お気持ち表明」というタイトルにはしたが、各所で言われていることってある程度一貫しているので、これがまとまって大きな声になっていけばよいと願っている。


おわり

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