【風景小説】乗り過ごした駅にて
「まもなくドアが閉まります」
切符片手に階段を駆け上がる私にもたらされた結末は残念なことに電車の乗り過ごしであった。
私は閉まりかけの扉をいちべつし、すぐさま電光掲示板を確認する。
次の電車まで、あと15分。
私はそのまま視線を携帯の液晶に落とし、画面に表示されていた列車を一本後ろに変更した。
太陽に熱されショート寸前の頭をフル回転させ、予定到着時刻とそこから目的地までにかかる時間を計算する。
はじき出された答えは、あいにくにも間に合う"かもしれない"という曖昧も