Sappho

…あたかも

日の沈んだのち、ばらいろの指をもつ月がかがやき出で、

あらゆる星々の光を奪うのにも似て。
さし出でる月は、
鹹い海面や一面に花咲きそう野原の上に、
かがやく白銀のひかりを、ゆたかにふりそそぐ。

すると白露は玉なして地にしたたり、
薔薇やたおやかな芳香草、また
花うるわしい蜜蓮華が、ほころびひらく。

(サッフォー 「アッティスに」)

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