バイノーラルLive2Dオベロン目当てでFGO9thフェスに現地参戦したら、それどころじゃなくなった話
まずはこれを見よう
https://www.youtube.com/live/LlUXrgpRAOA?si=qa5gMb4vCN1dFn_m
初めてFGOフェスに行ってきました。二日目の方です。もちろんバイノーラルLive2Dオベロン目当てで。オベロン以外でわざわざあとでアーカイブ公開される、ステージも中継される、物販も事後通販がある、ボイスもアルバム買えば聴けるイベントなんてわざわざ行きません。それなりに距離あるとこに住んでますし。
色んなものを犠牲にして(主に体力と時間と金と金)なんとかアトラクションの整理券を取りました。ファストチケットは落ちたので根性と意地です。並んでる間に前日も参加したらしい人から「この位置なら入場後すぐに取りに行けば必ず取れます!」って言われたけど彼に関しては取れるって言ったらなんか取れなくなりそうなので「だといいですね~」とだけ言っておきました。
そしたら取れました。午後のやつです。一般入場の中ではそれなりに早い時間のやつです。他の物販とフォトの整理券も取れました。こちらはかなり余裕がありました。
狙っていたものを全て手に入れてしまったので何をすればいいのかわからなくなり、一時間くらい会場を歩き回る亡霊になってました。人が多すぎるし、見るものが多すぎて結局この時間は何も見れていません。気づいたら物販の番号の時間になりよくわからないままグッズを選びこれまたよくわからないまま会計を済ませ、重くなった荷物をロッカーに入れるため一度会場を出ました。
再入場して、かろうじてフィギュアコーナーに妖精王が大量発生していることを思い出し、フィギュアコーナーの列に並びました。数十分ほど待つと、ガラス越しになんかいっぱい居る妖精王見ました。アルターのフィギュアもすごかったんですけど、とにかくドールの存在感が凄くてこれ一か月後に家に届くのか?と動揺しました。しかも思ってたよりデケェよどこに置くんだよ。あと隣のカードゲームのコーナーの人にチラシ貰いました。それなりに高画質のモルガンとオベロンが手に入りました。そこはせめてモルガンとアルトリアをキービジュにすべきだろと思いました。
さすがにもったいないので展示を見始めました。人人人人人とにかく人とサーヴァントのボイス時々着ぐるみ、時々コスプレイヤーという感じです。多すぎる、人もサーヴァントも。全然知らない人が持っているバッグの中の大量の妖精王と目が合って悲鳴をあげそうになるのを我慢し、普通に歩いている妖精王レイヤーさんから走って逃げたくなりそうになるのをなんとか我慢しながら展示を見ます。この時の記憶もあまりありません。
そんなことしてるうちにフォトの整理券指定時間になっているので移動します。ただこの時間オベロン役の豊永利行さんが出演するステージの開始時間と被っていました。ステージの着席観覧チケットは落ちているし、中継のアーカイブもあるので構いません。そうだったのですが、スタッフさんの誘導のおかげか予定より少し早い時間に案内が始まりました。私は恥ずかしさと気持ち悪さでゲロ吐きそうになりながら、妖精王とツーショを撮ります。ちゃんと私として一枚の写真に一緒に写りました。でもほとんどの人が本人は映らない写真を撮っているようです。覚悟のない奴らめ。ちなみにサーヴァントの指定は霊基一覧のナンバーを機械に打ち込む方式ですが、ちゃんと並んでる間にサーヴァントのナンバーと再臨画像を確認できるサイトを案内してくれます。でもオベロンのサーヴァントナンバーが316だと覚えているので私にはいらないものでした。ちなみに再臨1で撮りました。
撮ったあと、チケットがなくても見れるデカい画面でステージが中継されているブースに行きます。席は空いていませんでしたが、立ち見で画面がしっかり見れる場所を確保できました。バイノーラルの整理券の時間はまだ先なので全部見ることができます。でも正直声優さんには詳しくないのであんま面白くなかったら途中で離脱しようと思っていました。足も痛いしお腹空いてきたし。
という経緯で、現地の中継ステージ(セイバーウォーズのステージ)で観たのがリンクのハワトリアステージである。主に去年のサバフェス2023を中心にキャストの担当キャラクターについて掘り下げていく内容になる。その後半に、それぞれの声優さんからの質問に答えるパートがある。バーヴァンシー役、和氣さんは水着再臨のデザインについて。これは望月けい先生から回答。モルガン役石川さんはこんな膨大な物語はどうやって思いつくのかという質問を。こちらには奈須きのこさんが回答。そしてラスト、オベロン役豊永さんから同じく奈須さんへの質問が「どうすればオベロンの事を理解できるようになりますか?」だった。これに関しては本人も言っていたが同じような内容を過去に朗読劇(Road to7LB6編にて)でも言っており未だに演じていながら、彼のことがよくわからないとのことだった。問題はこれに関しての回答、というか回答のパートそのものである。
この質問に対する回答が「自分にもよくわからない」「鏡に対して『お前は誰だ?』と言い続けている気持ち」という前置きを置いた上で、(現地ステージ上での回答としてはどう考えても異常なレベルの)長文回答と、豊永さんに「この気持ちで今から言うオベロンのセリフを即興で演じてください」という無茶ブリだった。既に多くの人がその回答を読みセリフを聞いていると思うがこれを読んでいる『あなた』と、何より『私自身』のために一字一句抜かさずにここに打ち込んで引用させていただく。
以下、奈須きのこ先生の「~なので短くまとめてみますね」以降、画面上に表示された文章を丸々引用したものである。
そしてこの後『あーマジ暑い、すぐ帰りたい』という気持ちを秘めて、笑顔で読み上げてくださいと指定し、実際に豊永さんが読み上げる羽目になったセリフがこちらである。これも同じように引用させていただく。
ちなみに最後の一文は、表示されているであろうカンペから視線を離し、カメラ目線で指定通り百点満点の笑顔で読み上げてくれるが、読み終わった次の瞬間、豊永さんは恐ろしいほどの真顔に戻って着席している。そして会場内の中継、アーカイブ共にここからすぐにカメラが司会の大久保さんに移っている。
もう一度言うが、私はこれを現地で聞いた。もう私が何を言いたいかわかりますよね?
わからない?なら情報を追加しよう。
前者の方の文章は「これを全部読んでいたらステージが終わらない」「次行きます」という大久保さんの進行で表示されたのは5秒にも満たない。会場のキャスト、観客共にその場で読むのは不可能である。また、会場内は撮影禁止である。私が居た中継現場の反応も「長ッ!?」という声と呆れを含む笑い声しか上がらなかった。これは現地では、短いと前置きしたにもかかわらず、なぜかクソ長い一発ネタである。※読まなくていいです。と書いてあるコマをはみ出して書いてあるタイプのネタ台詞である。
そしてこのフェス、私が彼目当てで参加したように、イベントの目玉の一つとしてオベロンを取り上げたアトラクションがある。整理券が必要で入場チケットを手に入れた中でも限られた選ばれた者だけが参加できるものである。
これでもわからないか?しょうがないな、もっとわかりやすく噛み砕いてあげよう。
ただし、私には奈須きのこのような文才も、豊永利行のような演技もできない。
ただ、ひたすらにわかりやすく、ロマンも誠実さも真面目さもないまま、彼のセリフを解体するだけだ。
もう一度言うが、これはFGOフェスという幕張メッセで行われたイベント内のステージで、キャストからの質問に答える形で作者から提示されたセリフで実際に現地の画面上に表示され、それをステージ上でキャスト本人がその場で読み上げている。
前置きが長くなって申し訳ない。さて、何もかも赤裸々にここに書き上げてやろう。
つまりこれは
「(ここに居る)お前たちはチケットが当たり、その他様々な都合が合ったからここに居るが、当たらなかった者、どれだけ望んでもここに来られない人間がこの世界のどこかに居る時点で俺は普通に気持ち悪くなってくるので、こんな催しはさっさとお開きにしたい。しかもクソ暑いし。でもオベロン(参加者に対する商品の一つとして配置されたモノ)だから、みんなにこの場でも楽しい夢をお届けするよ!」
と言っているのだ。これは作者もキャストも絶対に言えない禁断の言葉である。なぜならチケットを売り現地でサービスを提供するシステムそのものを破壊し「そう思ってるなら最初からやるなよ」という夢もクソもない結論に辿り着くからである。
このステージの司会の大久保さんも別ステージの司会の人も、現地の人間だけでなく配信で見ている人にもちゃんと呼びかける。配信で見ている皆さ〜ん!と呼びかけ、無言の返答をもって、声が聞こえる気がする!と言ってくれる。
だがそれは現地の人間と配信の人間に同じ視線を向けるだけで、選ばれた者も選ばれなかった者も、そもそも選べなかった者も同じ扱いをしているだけだ。
彼の視線は明確に違う。どちらにも真面目に向き合っているが、前者と後者では彼の視線は明確に違っている。
そしてこれを私は現地で「選ばれたもの」「努力ができた者」として聞いた。そんな人たちにはきらびやかな夢を。妖精王と一緒に忘れられない冒険を。キラキラの笑顔と、胸いっぱいのワクワクをここにいる私に。
そしてこれを配信で見ていた画面の向こう側のあなたへ。彼はあなたのことを決して忘れてはいない。ステージの中継ありがとう!と言いながらも心の底では現地に居る人間を羨ましい、私だって行きたくないわけじゃないのにと思いながら、ネット上に上がる現地の情報を血眼になってかき集めているあなたにも視線を合わせている。
上記の長文は現地の人間にとってはネタだが、配信で見ていた人間はスクショか一時停止ボタンを押すだけで簡単に読むことができる。そして彼に関してまとめた文章としてはかなり短い方だろう。3分あれば読める。非常にインスタントかつ字数を抑えている割に、強めのインパクトと美しい言葉遊びで簡潔にそれでいて何度読んでも味わい深い文章だ。
そしてこのステージが終わったすぐあと、現地でなんとか休憩スペースを見つけてスマホを開いた私の目に飛び込んできたのはこの画面をスクショしてポストしている投稿だった。私はそれを見て勢いだけで「スクショ上げるな。物語がゴミになるだろうが」と投稿してしまったが(今も残っています)これは現地側の物語としての意見である。
もうこのステージの「物語」を受けて私は現地でルンルンだったのである。あぁ!!なんて最悪な気分なんだろう!!もうアトラクションも展示も何もかもどうでもいい!!この「物語」を現地の人間として、ファンサービスとして受け取ってしまった!!あぁ!このバイノーラルの整理券ビリビリに破いてしまったっていい!!とすら一瞬考えた。まぁ実際には破いていないしその数時間後に私はパビリオンの待機列に並んでいるのだが。
これは彼の思想とキャラ設定と、作者からのファンサービスと役者からのファンサービスを組み合わせたどうしようもなく美しく、だがその前提はとてつもなく醜い「物語」である。
かなりよく出来ているので、奈須きのこが主犯なのは勿論、もうここまで来たら豊永利行もグルだろとすら思ってしまう。
これは彼がバイノーラルで喋ってLive2Dで動くことを前提としたうえでそんなこと吹き飛ぶくらいの快楽を私にもたらし、会場に入場して整理券をとった時よりも、一緒に写真を撮った時よりも、実際にアトラクションを体験した時よりも気持ちが良かった。ここに来て良かったと本当に思った。
抽選に当たったことを「ヤベ、行くかどうかを抽選にゆだねたら当っちまった。逃げ道なくなったじゃん」となりながら訳の分からないイベントを自分なりに調べ始め、必要な買い物をして、不安で眠れぬ夜を超えて、当日の朝、私より後ろに最後尾が見えない程並んだ待機列に眩暈と、血が沸騰するような優越感と、起きて無理矢理飲み込んできたコンビニのおにぎりを吐いてしまいそうな罪悪感を押さえつけながら、一人旅のお供として持ってきた『夏の世の夢』のパックのセリフを読んでいた私はここに報われた。
改めて、人誑しの鬼畜奈須きのこさん、嘘つきおじさん豊永利行さん、水着に続き素敵な妖精王の衣装を仕立ててくださった羽海野チカ先生、他キャスト、運営に携わった全てのスタッフ(困った時に丁寧に対応していただいて本当にありがたかったです。「お仕事中にすみませんでした」と言うと「これが仕事ですから」と返してくださったスタッフの方、ハチャメチャにカッコよかったです。惚れてまうやろ!)の皆様にこんな場で本当に申し訳ありませんが、「ありがとう」と言わせてください。私みたいな捻くれた気持ち悪い奴を観客として受け入れてくれたこの場と、それを創り上げた方に大きな感謝、無事にこの祭りが終わったことに最大の祝福を。目が眩むような輝く夏の夢をありがとう。
あ、それとここまで読んでくれた人もありがとう~!クソ気持ち悪い話ばっかしてごめんね~!
というわけで、俺はシン・アペンドスキルレベマ用の心臓を集めるのに忙しいのでここらへんでお暇します。
え?そんなキモい話より現地に行けなかったから、バイノーラルの感想が聞きたい?YouTubeで公開されるんだから惨めな負け犬どもは大人しく待ってろよ(笑)
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