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ただ、青い空に手を伸ばしたかっただけなんだ

欲しい、なんて言わない。
助けて、なんて絶対言わない。
好き、なんてもう封印した。

ぼくがどんなにどんなに手を伸ばしても、得られるはずだったものは
するり、と通り抜けていく。

余計な慰めは、惨めになるだけだから要らない。
たいせつ を持ってる人は、構わないでください。
しあわせ を知ってる人は、近付かないでください。

ぼくの知ってるしあわせは、ただ、あの手だけ。
ずっとずっと、あの手だけ。

ここに しあわせは無い。
そんなこと百も承知だ、君は代理が欲しいだけ。

雪まつりの会場で、手を伸ばして暖をとっていたあの手だけが、ぼくを撫でて良いんだよ。

欲しい、なんて言わない。
助けて、なんて絶対言わない。
好き、なんてもう言い飽きない。

時計はずっと、このまま壊れたまんまでぼくは空に手を伸ばし、
今日も空を見上げてる。

君さえしあわせなら、それでいい。
それがいい。

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